2024年春季(第187回)

第187回予告セッションテーマ

ここにおける提案者は、講演大会において当該セッションの座長および副座長に指名されますので、ご了承ください。

1. 高温プロセス分野
「サステナブル製鋼プロセスに関する新展開」(申込コード:1900)
提案者:三木貴博(東北大)
高品質の鋼を製造するためには、銑鉄やスクラップ鉄、還元鉄等様々な出発原料を適切に用い、効率的に精錬反応を進行させながら不純物を極力取り除く必要がある。また、製鉄・製鋼プロセスにおける脱炭素化を進めるため、スクラップ鉄を高度に利用し、熱効率向上や省エネルギー対策の強化が必要である。さらに、介在物を積極的に制御することによる鋼中の欠陥無害化や高付加価値化も重要な課題である。さらに、製鋼スラグ・ダストのリサイクル・有効利用がサステナブル製鋼プロセスには欠かせない。該当分野の発表を広く募集する。
2. 高温プロセス分野
「溶融酸化物の熱物性計測・解釈の現状と課題」(申込コード:1910)
提案者:助永壮平(東北大)、遠藤理恵(芝浦工大)
鉄鋼製造プロセスの高精度化や省エネルギー化のためには、スラグやフラックスなど溶融酸化物の信頼性の高い熱物性データが不可欠である。本予告セッションでは、溶融酸化物や同ガラスの熱伝導度、比熱、密度、音速など熱物性に関する発表を募集し、同物性の計測手法やデータの解釈について議論を深めたい。
3. 高温プロセス分野
「多面的アプローチによる凝固現象の定量化IV」(申込コード:1920)
提案者:安田秀幸(京大)、吉岡孝宜(山陽特殊製鋼)、大野浩之(JFE)
鋳造プロセスにおける鋳型内の凝固組織や鋳造欠陥の形成は、スケールの異なる運動量の輸送、熱・物質の輸送、固液界面の移動が相互に関わったダイナミックな現象であり、凝固現象の確たる理解には多面的なアプローチとその連携が必須である。本予告セッションでは、「ミクロ・マクロ分析」、「その場観察・計測」、「計算状態図」、「モデリング」、「シミュレーション」、「機械学習」などを用いた凝固に関する研究を議論し、さらなる発展のための連携の可能性を探りたい。
4. 高温プロセス分野
「コークス技術者若手セッション」(申込コード:1930)
提案者:迎孝征(JFE)
コークス製造技術、研究成果のトピックスを紹介し、企業および研究の若手技術者の技術交流と研鑚を目的とする。
5. サステナブルシステム分野
「カーボンニュートラルの実現のためのSlag2PCC(CO2 固定化)プロセスの現状」(申込コード:8600)
提案者:遠山岳史(日大)、坪内直人(北大)
カーボンニュートラル社会実現のためにCO2の利用(CCU)が積極的に検討されているが、その大半はメタネーションによるメタン製造であり、H2の供給が未知数など、実現にはさらなる検討が必要である。一方、製鋼スラグ(Slag)はカルシウム分を多く含有しており、このカルシウムとCO2とを反応して炭酸カルシウム(PCC)を製造するSlag2PCCが簡便なCO2固定化技術として注目されている。本セッションではスラグを利用したCO2固定化技術に注目し、プロセスの可能性や問題点について議論する。
6. サステナブルシステム分野
「鉄鋼業の省エネルギー、脱炭素に資する高度熱利用技術」(申込コード:8610)
提案者:丸岡伸洋(東北大)、能村貴宏(北大)
鉄鋼業には膨大な量の物質とエネルギーが投入され、日本の一次エネルギー総和の約5%に相当する排熱を排出している。この排熱有効利用のためには空間・時間的ギャップの緩和、需要供給バランス調整に加え、熱交換性能を維持する技術が重要である。そこで本予告セッションでは、鉄鋼排熱有効利用に資する熱利用・熱交換に関する研究報告を募集し、エコメタラジーに資する議論を深める。
7. 創形創質工学分野
「高品質・高機能棒線の製造技術」(申込コード:5940)
提案者:小森和武(大同大)、金井秀樹(愛知製鋼)
自動車や機械などに使われる棒線材の品質や機能への要求は年々厳しくなっている。本セッションでは棒線材における、機械的性質、表面性状、寸法精度の向上技術、材質予測技術あるいは新製造技術に関する討論を行い、今後の技術動向を探る。