協会概要

会長メッセージ

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会長就任にあたって

福田 和久

日本製鉄(株) 代表取締役副社長

この度、第57代日本鉄鋼協会会長に選任されました福田和久です。大変な名誉であると共に、本会の会長職の責任の重さを強く感じています。1915年の設立以来100年以上に渡り、本会は我が国の鉄鋼技術の発展において重要な役割を果たし、それら技術を担う人材の育成にも多大なる貢献をして参りました。私自身も、講演大会等での発表や討論を通じて多くを学び、また触発されることによって大いに鍛えられてきたと思っています。微力ではありますが、会員各位のお力を頂き、伝統ある本会の発展に精一杯努力して参りたいと存じます。

はじめに、元日に発生した「令和6年能登半島地震」につきまして、被害を受けられた方々や、現在も生活に影響を受けられている方々に、心よりお見舞い申し上げます。一刻も早く、皆様が元の生活に戻れますよう願っています。

さて、足元の鉄鋼業を取り巻く環境は、鉄鋼需要の未曽有の厳しさに加え、分断と対立による市場のブロック化を伴った需要のシフト、カーボンニュートラル実現に向けた産業構造の変革が起こりつつあり、変化に対応した技術開発がより一層求められる時代となっています。こうした中、我が国の鉄鋼業は、重要かつ最新の鉄鋼技術と製造現場の拠点を国内に置きながらグローバル展開を図っており、「学理と実業の結合」という基本思想の下に設立された本会は、以前にも増して産学連携を活動の中核として行かなければなりません。多くの工学が融合した総合工学である鉄鋼技術は、製造プロセスにおいてはカーボンニュートラル実現へ向けた挑戦を、そして限りない可能性を秘めた鉄鋼材料の更なる進化を追い求めて、より広い分野でのより深化した融合を目指す必要があります。本会設立の基本思想を承継、進化させ、様々な局面で産学連携を強化して参ります。

本会は、学会部門と生産技術部門の両輪を活動の軸としています。学術部会のフォーラム活動では企業の研究者も加わり、産業界のニーズも背景とした研究が自由に行われ、その中から研究会へと発展、やがて製品や製造技術として実装されるシーズもあります。技術部会・技術検討部会ではニーズの共有と、時には学術部会のシーズ提示の刺激を受け、こちらも研究会へと発展、社会実装へと進んでいきます。一方で、社会イノベーションの進展により、最先端技術に対する要求の高まりが協調領域の縮小を引き起こしており、こうしたシーズ・ニーズの融合が困難になった現状を打開するため、まずは、産と学で大いに議論し、解決の道筋を見出し、産学連携の強化へとつなげていきたいと思います。

学会としての基本である講演大会の開催、論文誌の発行も重要な活動の一つです。新型コロナウィルス感染拡大防止による制約があった講演大会も以前の開催形態となり、あらためて対面での交流の価値が再認識されました。質の高い、より活発な議論が、産学、研究者・技術者交えて行われる盛況な大会となるには会員各位のより積極的な発表・参加が必要です。欧文誌「ISIJ International」には鉄鋼分野における世界トップレベルの研究論文が掲載されています。これからも、オープンアクセス誌としての国際的プレゼンスと魅力度を更に向上させ、更なる質の向上を図っていきたいと思います。和文誌「鉄と鋼」は、鉄鋼分野の最先端技術情報が日本語で得られるという重要な役割の維持、発展へ向け、掲載内容の更なる充実化等を継続推進して参ります。

ものづくりの技術を支える根幹は、やはり人です。激動の変化の時代に立ち向かう、優れた鉄鋼研究者・技術者が求められています。本会の人材育成施策はその対象が学生から企業の若手・中堅に至るまで広範かつ連続した内容であり、今後、その重要性は増していきます。「鉄鋼工学セミナー および同専科」、「アドバンストセミナー」など企業向け事業、「修士学生向け鉄鋼工学概論セミナー」、「企業経営幹部による大学特別講義」など学生向け事業ともに内容の充実を図っていきたいと思います。加えて、次代を担う若者達へのアプローチも強化して参ります。高校生の知的好奇心をくすぐるような動画教材をはじめ、鉄鋼の“面白さ”を若者に届けられるよう、一般公開を開始した会報「ふぇらむ」誌面の充実など広報の工夫含め、育成事業の充実を進めます。いずれも産学連携で取り組むことで大きな成果が期待できると考えています。

未曽有の厳しい環境下において、以上に述べた活動を推進し、日本鉄鋼協会の更なる発展に努めて参りますので、会員各位の多大なるご支援・ご協力を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

活動内容

概要

本会は個人会員約8,000人、維持会員(企業・団体)約170から成る学会です。大正4年の設立以来、(1)学術と技術の結合、(2)鉄鋼企業の結合、(3)産官学の結合、(4)鉄鋼と他分野の結合、(5)国内と海外の結合を柱として、鉄鋼および周辺領域に関する学協会活動を行ってきました。創立80周年を機に平成7年4月リストラを行い、新組織となりました。新組織は個人活動をベースとする学会機能と、維持会員会社社員の活動をベースとする業界の技術会的機能の両面を合わせ持っていることが特徴といえます。組織は総合企画、学会部門、生産技術部門と3つに分かれ、それぞれの主な活動は以下のとおりです。

(1)総合企画

「総合企画」は、協会全般に関わる重要事項の企画や、学会部門と生産技術部門の融合調整等、協会活動の総合的推進をはかっています。助成および表彰事業により、鉄鋼に関する学術・技術の奨励を行い、会員へ種々の情報発信を行う「会報」発行、また会員増強をはかるため、会員サービスの一層の向上に努めています。育成委員会では、ものづくりの視点で小・中・高校生を対象に、また専門的実学教育の視点で大学、企業技術者、研究者を対象に一貫した人材の育成を図る諸企画を実施し、さらに、鉄鋼科学技術の発展のための教育、育成活動の企画、推進を行っています。国際交流活動は、鉄鋼および境界領域に関する国際的な学術技術の交流と友好を図ることによって、我が国鉄鋼の学術技術の発展に寄与することを目的として、積極的展開を推進しています。地域に密着した7支部による活動の支援も積極的に行っています。

(2)学会部門(学会機能)

学会部門は、会員相互のGive and TakeとVolunteer精神に基づく活動に基盤を置き、鉄鋼に関連する学術・技術の情報発信、研究成果発表、研究活動および研究交流等を通じ、学術・技術の発展を目指しています。このため各種委員会・部会を置いて、会員の期待・要望に応える体制をとっています。具体的には、会員の研究成果の公表を行う「論文誌」発行のための委員会、「講演大会」を開催するための協議会、研究および研究交流活動を実行する委員会などです。また、学会部門の中核をなす学術部会は、多様化・深化する学術・技術の種々の分野に迅速かつ柔軟に対応するための諸活動を行っています。

学会部門組織図(PDF)

(3)生産技術部門

生産技術部門では、維持会員相互および産学官の密接な連携のもとに、技術部会の技術交流、技術検討会活動、更には分野横断的技術検討部会活動等を通じて、実効のあがる技術創出活動を行っています。

日本鉄鋼協会 組織図(PDF)

会員種類と会員数

会員の種類

名称 資格 年会費(円) 入会金(円) 会員数(名)
('24年3月)
名誉会員(個人) わが国の鉄鋼業に関し、功績名望ある方のうちから推挙される。 ★81
賛助会員(個人) 多額の寄付をした方、またはとくに本会に対し功労のあった方のうちから推挙される。 21
維持会員(法人) 日本国内にある法人、団体。会費額は維持会員規程に基づく。 ☆5口以上 164
正会員(個人) 日本国内に在住する方。 9,800 900 6,533
準会員(個人)

日本国内に在住し、正会員に準ずる方。最長10年まで。以下の項目を除き、正会員と同等です。

  1. 1.代議員選挙権
  2. 2.代議員候補者
  3. 3.研究費・助成金の受給資格
  4. 4.表彰の被推薦資格
  5. 5.一部のセミナー等の参加資格
4,900 871
学生会員(個人) 日本国内に在住する学生の方。 3,000 411
外国会員 外国在住の方。 9,800 900 112
8,193

☆一口の金額は11,000円(消費税等込)
★うち外国在住名誉会員29名

国別外国会員数 (外国在住名誉会員を含む) ('24年3月)
Number of Foreign Members by Country (including Honorary Members) 合計数:141

ASIA 84
CHINA 21
INDIA 2
INDONESIA 1
KOREA 53
TAIWAN 5
THAILAND 1
VIET-NAM 1
AMERICA 17
ARGENTINA 1
CANADA 7
CHILE 1
U.S.A. 8
OCEANIA 8
AUSTRALIA 8
EUROPE 32
AUSTRIA 1
BELGIUM 4
FRANCE 1
GERMANY 10
ITALY 1
PORTUGAL 1
SLOVAK REPUBLIC 1
SLOVENIA 1
SPAIN 1
SWEDEN 5
SWITZERLAND 1
THE NETHERLANDS 3
U.K. 1
UKRAINE 1

会員数の推移

名誉会員 賛助会員 維持会員 正会員 準会員 学生会員 外国会員 合 計
2000年 2月 75 38 203 8,453 171 357 443 9,740
2001年 2月 79 37 204 8,078 171 364 450 9,383
2002年 2月 80 36 193 7,860 238 359 448 9,214
2003年 2月 81 35 184 7,864 263 367 460 9,254
2004年 2月 85 35 179 7,619 227 311 444 8,900
2005年 2月 85 37 178 8,161 242 293 480 9,476
2006年 2月 86 36 178 8,070 267 369 473 9,479
2007年 2月 86 35 180 8,064 279 348 608 9,600
2008年 2月 86 36 187 8,077 245 381 615 9,627
2009年 2月 88 37 187 8,052 276 450 503 9,593
2010年 2月 87 38 185 7,959 281 433 507 9,490
2011年 2月 88 38 181 7,918 254 453 512 9,444
2012年 2月 87 39 181 7,867 221 429 432 9,256
2013年 2月 86 38 174 7,799 227 415 435 9,174
2014年 2月 87 36 161 7,834 164 400 406 9,088
2015年 2月 89 33 166 7,792 122 361 403 8,966
2016年 2月 88 33 169 7,689 119 402 389 8,889
2017年 2月 80 31 176 7,469 241 368 372 8,737
2018年 2月 80 30 175 7,435 492 373 365 8,950
2019年 2月 76 27 176 7,418 558 406 379 9,040
2020年 2月 75 27 174 7,299 669 386 369 8,999
2021年 2月 76 26 171 6,827 575 294 244 8,213
2022年 2月 76 26 170 6,757 576 293 201 8,099
2023年 2月 77 24 168 6,696 777 316 123 8,181
2024年 2月 77 21 168 6,500 868 386 110 8,130
2024年 3月 81 21 164 6,533 871 411 112 8,193

事務局(本部・支部)

〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町 3-2-10 鉄鋼会館5階
TEL.03-3669-5931 FAX.03-3669-5934

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本部事務局(2022.6月現在)
総務グループ admion@isij.or.jp
会員広報グループ members@isij.or.jp
経理グループ finance@isij.or.jp
システムグループ system@isij.or.jp
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学術企画グループ academic@isij.or.jp
技術企画グループ technica@isij.or.jp
支部
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創立100周年記念事業

日本鉄鋼協会は大正4年(1915年)に設立されてから、平成27年(2015年)2月6日に創立100周年を迎えました。100周年記念事業は以下のとおりです。

  1. 創立100周年記念式典(H27年2月3日(火) 経団連会館)
    → 開催の様子はこちら(安倍総理の挨拶の動画リンクがあります(政府インターネットテレビ))
    1. 創立100周年記念式典
      日時:平成27年(2015年)2月3日(火) 14:00~17:00(13:00~受付)
      場所:経団連会館 国際会議場(東京都千代田区大手町1-3-2)
      内容:特別表彰(俵賞、製鉄功労賞)、記念講演、等
    2. 祝賀パーティー
      日時:平成27年(2015年)2月3日(火) 17:30~19:30(会費制)
      場所:経団連会館 経団連ホール
  2. 「鉄と鋼」第100巻記念特集号の発行(H26年1~12月)
  3. 「第5版鉄鋼便覧」の発行(H26年8月31日)
  4. 「日本鉄鋼協会100年史」の発行(H27年2月3日) 正誤表
  5. 「鉄鋼材料と合金元素改訂版」の発行(H27年秋頃発行予定)
  6. 「遥かなる和鉄」(「鉄の技術と歴史」研究フォーラム活動成果)の発行(H27年2月3日)
  7. 国際会議「アジアスチール2015」の開催(H27年10月5~9日 パシフィコ横浜)
  8. 協会の情報システムの改善(H25~H29年度(順次実施))