2023年春季(第185回)

第185回討論会テーマ

討論会の原稿枚数は、A4判4枚以内で作成願います。
ここにおける提案者は、講演大会において当該セッションの座長および副座長に指名されますので、ご了承ください。

1. 高温プロセス分野
「凝固過程の介在物生成・成長・変性機構の解明を目指す最新研究」
(凝固過程の介在物生成・成長・変性機構研究会中間報告会)
提案者:松浦宏行(東大)、廣角太朗(日本製鉄)
鋼材に含まれる非金属介在物は鋼材の機械的特性、耐腐食性など、種々の物理的性状を大きく左右するため、介在物低減・改質手法を確立するための様々な研究が行われている。本討論会では、「凝固過程の介在物生成・成長・変性機構」研究会の中間報告として、精錬から加工までの一連の鋼材製造プロセスの中で劇的な変化を伴う凝固過程で見られる、介在物の生成・成長・変性などの幅広い現象の理解を深めたうえで積極的な制御につなげる、基礎から応用までの最新研究を共有し、その学理と技術を幅広く討論する。
2. 創形創質工学分野
「連続プロセスにおける製造通板安定化技術(反り,曲がり,蛇行,形状)」
提案者:中村洋二(日本製鉄)、松原行宏(JFE)
近年、鋼材の材質の厳格化やハイテンに代表される硬質化、薄手化に伴い、圧延プロセスや熱処理プロセスなどの連続プロセスにおいて、材質の作り込みの高度化と製造および通板の安定性の高度化の両立の重要性が増してきている。本討論会では、品質要求の高度化に伴って厳格化する連続プロセスにおける反りや曲がり、蛇行、板形状、板破断といった、通板安定性影響課題の視点からの技術開発事例を紹介する。今後の安定化技術の動向を探る議論が行われることを期待している。
3. 創形創質工学分野
「輸送機器等に求められる偏肉管のニーズおよび製造・加工技術4」
提案者:桑原利彦(東京農工大)、古島剛(東大)
自動車等の輸送機器の更なる軽量化手法として、板のテーラードブランク同様に、鋼管部材においても不要な部分を減肉化した偏肉管が要望されている。また、管の2次加工で減肉する部分を厚くした管、管の接手部をあらかじめ補強した管など、輸送機器以外でも偏肉管の適用可能性は高い。本討論会では、偏肉管のニーズおよび造管技術、成形技術に関する講演を行う。
4. 材料の組織と特性分野
「構造材料の生物劣化の究明 ~診断と解析~III」
提案者:宮野泰征(秋田大)
金属表面のバイオフィルム形成挙動および腐食・劣化挙動の可視化に関する新研究手法提案、腐食誘導に関与する微生物群および代謝物質等に関わる新知見の集積、微生物腐食の発生機構解明や対策・抑止技術開発などに関する領域は、材料研究の重要な研究課題を内包するテーマと考えられる。本討論会では、上記研究課題について材料学的、微生物学、環境化学などの各方面からのアプローチについて紹介頂き、討論を行いたい。