創形創質工学部会 粉粒体フォーラムおよび「AM材の構造因子の数値化と破壊強度」研究会共催 研究会最終報告会
「材料組織の数値化と特性予測」シンポジウム開催案内
金属粉末積層造形(AM)は、粉末を原料として精密かつ複雑形状の部材の造形が可能な究極の3D型レス造形技術として各国で開発に凌ぎを削っている。 AM材の実用化のためには強度信頼性の確認が求められ、 AM材の破壊挙動に関する研究例が、近年多く示され、積層条件や後処理条件に起因する微細組織、ビーム照射時に発生するスパッタ粒子の巻き込みやBalling現象などによる微小欠陥や残留気孔、さらには融液境界付近のミクロボイド等の残留気孔が強度低下要因として示唆されてきた。強度信頼性向上のためには、構造因子(微細構造および残留気孔配置)と破壊強度、さらには構造因子と製造パラメータの定量的相関を定式化し、破壊強度を向上する構造因子とそれを実現する製造パラメータの最適化技術の確立が必要である。近年、高輝度X線CT法による金属材料内部の3Dマイクロボイド観測が可能となり、また、EBSDによって高精度に結晶配向を決定できるようになった。本研究会では、これらの手法によって可視化された構造を画像解析技術によって数値化し、破壊強度およびプロセス因子の定量的相関関係を求め、AM材の適正破壊強度範囲を実現する構造因子と製造プロセスパラメータの適正範囲を関係づけることを目的に活動を行った。
本シンポジウムでは、研究会メンバーによる研究開発の成果に加え、AM材料と同様粉粒体を原料とした焼結材料の構造の数値化手法についての最近の研究成果について報告し、その内容について討議する。これらの議論を通して、構造の数値化による材料設計への展開可能性について、参加者による活発な議論を期待する。
日時: | 2025年3月10日(月)8:50~12:45 |
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場所: | 東京都立大学 南大沢キャンパス 1号館2階203教室(第189回春季講演大会 会場7) ハイブリッド開催(接続先URL: 後日オンライン参加希望者に送付) 〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1 京王相模原線「南大沢」駅 改札口から徒歩約5~10分 |
資料: | シンポジウム資料については、2/21に公開される講演大会ポータルサイトからダウンロードできます。 |
参加費: | 無料 |
申込方法: |
当日申込 【シンポジウムのみに参加される方】 講演大会当日、大会受付にてお申込みください。(今回からWEB申込は不要です) 【講演大会に参加される方】 別途、参加登録が必要です。講演大会参加方法 をご確認いただき、期間内にお申込みください。 |
プログラム:
8:50-9:00 | 趣旨説明 尾﨑 由紀子(九州大) |
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9:00-9:30 | 「粉末から始まるAM新材料開発」 野村 直之(東北大) |
9:30-10:00 | 「パーシステントホモロジーによる形のデータサイエンス」 大林 一平(岡山大) |
10:00-10:30 | 「X線CTによるTi-AM材の 3D欠陥の可視化・数値化技術の確立」 尾﨑 由紀子(九州大) |
10:30-11:00 | 「in-situ X線CTによるTi-AM材の延性破壊機構の解析」 重田 雄二(九州大) |
11:00-11:30 | 「in-situ EBSD観察によるTi-AM材延性破壊における組織変化解析」 刈屋 翔太(大阪大) |
11:30-12:00 | 「パーシステントホモロジーによる磁区構造の数値化」 小嗣 真人(東京理科大) |
12:00-12:30 | 「3次元空隙分布変化を考慮した繰り返し圧縮負荷時における耐火物ヤング率変化の解析」 日野雄太(JFE) |
12:30-12:45 | 総合討議 |
尾﨑由紀子
E-Mail:ozaki.yukiko.58h@osaka-u.ac.jp