第242回西山記念技術講座「最近の電気炉技術の進歩-平成30年間を振り返る-」(事前申込締切:2021年10月22日)
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、オンライン開催へ変更します。
講座の視点
1989年に始まった平成年間において、製造業ではグローバル化、デジタル化が大きく進展し、これらにより市場が益々拡大する一方で海外製品とのコスト・品質競争も激化した。そのため日本においては高効率化による生産性向上、高品質による差別化、が求められた。デジタル化に伴い製造面では工場設備の自動化が進んだ。また平成年間は、地球温暖化防止のためのCO2削減など世界的に環境対応要求が強まった時期でもある。これらの社会変化は電気炉製鋼に対しても高効率生産の追求、省力のための設備自動化、環境対応など様々な影響をもたらした。
本講座では、特に平成年間にスポットを当て、電気炉製鋼法の変遷、電気炉設備動向、環境・省エネ技術、電気炉製鋼用黒鉛電極、スクラップ原料を取り巻く環境変化、海外技術動向など電気炉技術の進歩を総括する。
本講座では、特に平成年間にスポットを当て、電気炉製鋼法の変遷、電気炉設備動向、環境・省エネ技術、電気炉製鋼用黒鉛電極、スクラップ原料を取り巻く環境変化、海外技術動向など電気炉技術の進歩を総括する。
- 協賛(50音順)
- (公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(公社)計測自動制御学会、(一社)資源・素材学会、鐵鋼スラグ協会、(一社)電気学会、(一社)特殊鋼倶楽部、(公社)土木学会、(一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(公社)日本金属学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本材料学会、(一社)日本塑性加工学会、日本中性子科学会、(一社)日本鉄リサイクル工業会、(一社)日本熱処理技術協会、(公社)日本分析化学会、(一社)表面技術協会、(公社)腐食防食学会、普通鋼電炉工業会、物質・材料研究機構、(一社)溶接学会
- 1.日時
- 2021年11月12日(金)9:30~17:00
※オンライン開催のため11月12日の1回開催へ変更します。 - 2.形式
- オンライン開催(Cisco Webex Meetingsを使用)
- 3.内容および講演者、司会者
-
- ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。
- ※こちらからダウンロード出来ます。
司会者:小林日登志(JFE条鋼(株))- 1) 9:30~10:30
- 電気炉製鋼法の変遷-主として平成年間を振り返る-
電気炉部会部会長 トピー工業(株) 常務執行役員 経営企画部長 中村 毅
- 2) 10:30~11:20
- 最新電気炉製鋼設備の現状と今後の可能性
電気炉部会欧州調査団
- 3) 12:30~13:20
- 電気炉製鋼を支えたビレット鋳造の高速化技術
スチールプランテック(株) プラントエンジニアリング部 連続鋳造エンジニアリング部 技術サービスグループ グループマネージャー 塩田 浩志
- 4) 13:20~14:10
- 最近のアーク炉設備技術の動向
大同特殊鋼(株) 機械事業部 設計部長 堀 哲
司会者:中村 毅(トピー工業(株))
- 5) 14:30~15:20
- 電気炉製鋼における環境対策と今後の方向性
JFE条鋼(株) 技術部 エキスパートエンジニア 小林日登志
- 6) 15:20~16:10
- 電気炉用黒鉛電極の今後の動向
SECカーボン(株) 経営企画室 担当部長 吉川 功治
- 7) 16:10~17:00
- 激動する鉄スクラップ問題
(株)鉄リサイクリング・リサーチ 代表取締役 林 誠一
- 4.講演内容
-
-
中村 毅
- 我が国の電気炉製鋼の技術は、その多くがヨーロッパ発の要素技術に端を発し鉄鋼業の振興期に、特に生産性向上とコスト削減の技術と相まって大いに発展した。生産性の向上をはじめとした電気炉操業技術の集大成は、1980年代前半から昭和末期にかけて電気炉から取鍋精錬炉(LF)への精錬分離機能に始まり、偏芯炉底出鋼方式(EBT)の普及で一応の仕上がりを得たといえる。その後平成年間は、景気拡大と不況期を繰り返す中で、直流電気炉に始まり新予熱方式電気炉や環境調和型電気炉など生産性とエネルギーコスト削減及び環境負荷低減を目的とした電気炉新技術を開花させ定着させていった。さらにこれら電気炉生産性向上の努力は、連続鋳造での高速化技術がささえたといっても過言ではない。このように電気炉新技術が萌芽発展した平成年間を振り返り、今後の方向性について提言したい。
-
2)最新電気炉製鋼設備の現状と今後の可能性電気炉部会欧州調査団
- アーク炉の能率とエネルギー原単位の継続的な改善は、酸素冨化操業や高電力操業といった革新的な操業技術の開発と共に、アーク炉本体の技術革新が大きく寄与している。いわゆる従来型のTop-Chargeアーク炉が、現在もなお改良が続けられながら導入が続いている一方、アーク炉の熱ロスの大部分を占めるガスの持ち去る熱を回収しようとする新しい形式のアーク炉の提案が繰り返し行われ、国内外に導入が進んでいる。本講演では、最新型Top-chargeアーク炉の紹介と共に、新形式のアーク炉についての最新の状況を紹介する。
-
3)電気炉製鋼を支えたビレット鋳造の高速化技術塩田 浩志
- 近年の電気炉製鋼におけるビレット鋳造は、第2次オイルショック以降の省エネ推進の要求を受けた圧延との直送操業(HCR、HDR)化や、80年代後半からのLF普及による電気炉の製鋼能力の向上を受け、連続鋳造の生産性向上を推進することが急務となり、多くのユーザーで高速鋳込みが志向されることとなった。高速鋳込みを実現するにあたり、発生頻度が高まる菱形変形などの品質問題やブレークアウトを抑制するため、モールドの内面テーパや形状の最適化など特にモールド周りの技術改善が進展し、生産性向上に大きく寄与するものとなった。本講座では、モールド周りを中心に高速鋳込みの技術的変遷を振り返る。
-
4)最近のアーク炉設備技術の動向堀 哲
- 資源リサイクルの優等生と評される鉄鋼材料の循環サイクルにおいて、電気炉(アーク炉)製鋼は静脈系の最終工程、すなわち鉄スクラップを製品に再生するまさしく心臓部にあたる。1899年にポール・エルー(P. H'eroult)によってアーク炉が発明され、1916年に我が国で初めて製造された時から、電気炉製鋼はめざましい進化の足跡を刻み始めた。本講演では、まず初めにアーク炉設備の黎明期、その後の我が国における発展の歩みから、現在の国内外におけるアーク炉の普及状況に至るまでの歴史を紹介する。そして、アーク炉および主要の付帯設備の概要を機械設備・電気設備に大別して解説し、最後に、アーク炉を取り巻く最近の特徴技術を社会情勢を交えて紹介する。
-
5)電気炉製鋼における環境対策と今後の方向性小林日登志
- 鉄鋼材料に関する資源循環の中核を担ってきた電気炉製鋼法は、経済活動を反映した鉄スクラップの備蓄とそのリサイクルの持続的かつ効率的な循環を展開するものとして継続している。その活動を支えまた維持するための環境技術の重要性は、ますます重要なものとなってきている。「人の健康被害の防止と生活環境の保全」を達成するために、各種公害規制法並びにダイオキシン類特別措置法などの種々の環境法が制定され、電気炉環境技術はその要求を満足させるべく進歩を遂げてきた。また、電気炉は全国の各地域に所在し、高温溶融処理を行うための設備と高度な技術力を有しており、更なる資源循環サイクルを構築することは意義の大きいことと言える。本講座では、主要な環境法の要求とそれに対応する電気炉技術の進歩及び更なる資源循環に焦点を当て概説する。
-
6)電気炉用黒鉛電極の今後の動向吉川 功治
- 電気炉用黒鉛電極需要は、⽣産性の向上や省エネ対応など、電気炉設備の改良および技術⾰新などによる消費原単位低下の一方、中国をはじめとした世界的な電気炉設備の増加により、中⻑期的には増加が⾒込まれる。又、黒鉛電極の原料となるニードルコークスは電池向け需要の増加などにより需給バランスに変化が⽣じている。
本講演では、電気炉設備等の改良に⾒られる技術改善の移り変わりに合わせた電気炉用黒鉛電極の対応と共に、世界的な黒鉛電極の⽣産状況の動向と今後の⽅向性について紹介する。
-
7)激動する鉄スクラップ問題林 誠一
- 平成30年を振り返ると、供給は高度成長期に投入された鋼構造物がくず化時期を迎え、潤沢な発生量の販路を海外に求める動きがあった。消費は多様化しグローバル化が進展した。品位面では薄物や付帯不純物の多い老廃スクラップが主体となってきている。一方、世界に転じると、粗鋼を生産するにあたって鉄スクラップの使用率は30%を超えるが、発生と使用に地域差があり、流通量は1億トンを超え価格変動要因の背景ともなっている。また、粗鋼生産シェアが世界の50%を超える中国では21年1月スクラップ輸入が解禁となり、今後の需給動向は無視できない。そして最近ではCO2削減にスクラップ多消費化がクローズアップしてきた。取り巻くさまざまな環境変化の中で、高まるスクラップの役割と問題点について概説する。
-
- 5.参加申込み
-
- [申込方法]
- 事前申込みは終了いたしました。
オンライン講座のため、本会ホームページからの事前申込のみとします。当日参加受付は行いません。
- [支払い方法]
- ①クレジットカードのオンライン決済 または、②郵便振替のいずれかの方法で、事前の入金をお願いします。
- [締め切り]
- 申込、入金ともに10月22日(金)までに完了するようお願いします。
- ※開催約1週間前にメールにてログインに必要な情報(接続先URL、ミーティング番号、パスワード等)をお送りします。
- ※入金の確認後、開催約1週間前にテキストと領収証を送付します。
- ※ご入金後の返金および当日不参加の場合の返金はいたしませんので、ご了承下さい。
- 6.受講の注意点
-
1)受講方法
- 本講座は、Web会議システムCisco Webex Meetingsを使用して行います。
- Webex Meeting使用に関する利用環境は受講される方に整えて頂くことを前提にしておりますので、受講申し込みの前に使用可能かご確認をお願いいたします。
- 事前接続テストは開催日の1週間前に予定しています。
- 企業内LAN から接続する場合、セキュリティ設定の影響で、Web 会議に入れない等の事象が発生しています。事前接続テストで、事前にWeb 会議に入れることを確認してください。上記の場合、企業内LANの担当者にご相談下さい。
●受講マニュアル
聴講者マニュアル
Webex Meetingでの表示名変更方法2)受講環境
- ハウリング防止のため、イヤホン、ヘッドフォン、外付けマイクの使用を推奨します。
3)受講の注意点
- 受信画像や発表資料の撮影・録画(画面キャプチャを含む)、録音、保存、再配布は禁止します。
- 受講に必要なID、パスワード、接続先URL等は、参加申込された方のみ有効です。
不特定多数を含む第三者に公開することはお止め下さい。不適切な接続が判明した場合、主催者側で切断する等の対応を取らせていただきます。 - 参加申込されていない方の聴講は固くお断りします。一つの画面を複数人で聴講する場合も聴講する全員が参加申込して下さい。
- 参加申込している人に聴講させた参加申込者がいることが判明した場合、当会の規定等に即した対応を検討する場合があります。
- Web会議システムへの接続にあたっては(所属、氏名)を入力していただきます。
(所属、氏名)は受講者相互に公開されます。正しく入力されない場合には、参加申込の確認が取れないことから主催者側で切断する等の対応を取らせていただきます。 - オンライン受講に際して万が一トラブル等が生じた場合、日本鉄鋼協会は参加費の返却その他の責任を負いません。
- 7.参加費(税込み、テキスト付)
- 会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円
注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。
★テキストは、講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。テキスト購入のお申込みは、本会HPをご覧下さい。問合せ先:(一社)日本鉄鋼協会 育成グループ
E-mail: educact@isij.or.jp