第235・236回西山記念技術講座「特殊鋼棒線の技術開発と今後の展望」(事前申込締切日:2018年10月10日)
講座の視点
協賛: (公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(公社)計測自動制御学会、(一社)資源・素材学会、 (50音順) (公社)自動車技術会、(公社)精密工学会、線材製品協会、(一社)電気学会、(一社)特殊鋼倶楽部、(公社)土木学会、(一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(公社)日本金属学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本材料学会、 (一社)日本自動車部品協会、(一社)日本自動車部品工業会、(一社)日本塑性加工学会、日本中性子科学会、(一社)日本ねじ工業協会、(一社)日本熱処理技術協会、(一社)日本ばね工業会、(公社)日本分析化学会、(一社)表面技術協会、(公社)腐食防食学会、物質・材料研究機構、(一社)溶接学会 1. 日時・場所: 第235回 2018年 10月17日(水) 9:00 ~ 16:50 受付時間:8:30 ~ 15:20 名古屋:ウインクあいち10階1002会議室(名古屋市中村区名駅4-4-38) 第236回 2018年 10月24日(水) 9:00 ~ 16:50 受付時間:8:30 ~ 15:20 東京:エッサム神田ホール2号館3階大会議室(2-301)(東京都千代田区内神田3-24-5) 2. 内容および講演者、司会者 ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3. 講演内容 1)棒線圧延技術の進歩と今後の展望浅川 基男 棒材・線材から加工される特殊鋼製品は自動車を主体に幅広い分野で使用され世界に誇る高級鋼棒線として進歩してきた。ここではその製品を生み出す棒線圧延の塑性加工と金属組織の関連技術に焦点を当てて,その歴史および理論・孔型設計・倒れ・表面疵・連続圧延特性・精密圧延・制御圧延など基本的な考え方について論じる。また棒線技術トピックス・海外の最新動向,および今後の展望についても俯瞰する。 2)自動車の変革期において材料に期待されること ~Game Change を起こす材料技術・生産技術~ 塩飽 紀之 自動車商品として求められるニーズは近年すさまじい勢いで変化している。様々な環境コンプライアンスの強化、お客様の望まれる商品としての魅力により、パワートレイン商品は、大きな変革期を迎えている。まさに、100年の歴史が大きく変わる変遷変革の流れを好機と捉え、ゲームチェンジャーとなる「モノヅクリ」を目指す時と考える。本講演では、パワートレイン商品を支える材料について、商品、モノヅクリ視点での期待について話をする。 3)軸受鋼の最近の進歩藤松 威史 世界的な地球環境保全の機運の高まりからCO2排出抑制に有利な風力発電の拡大や自動車の電動化といった潮流が押し寄せている。それらにともない、軸受の使用環境はこれまで以上に過酷化する方向にある。軸受鋼に対しては、これまで鋼中の非金属介在物の個数低減や小径化を基軸として軸受寿命を向上させる方策が採られてきた。しかし、鋼の高清浄度化技術が成熟した昨今においてその費用対効果には限りがある。そこで、近年、転がり疲れ原理に基づく新たな長寿命化方策の可能性に活路を求め、シミュレーションや人工欠陥を活用した実験等による疲れ過程の再検証が行われており、清浄度のみに頼らない方策が見出されつつある。本講演では、軸受鋼の概説とともに最近の研究開発動向について紹介する。 4)高炭素鋼線および高炭素鋼線用鋼材の進歩山﨑 真吾 高炭素鋼をパテンティングした線材を伸線して得られる高炭素鋼線は、鉄鋼製品の中でも最も強度が高く、橋梁用亜鉛めっき鋼線やPC鋼線のように比較的線径の太い(φ5.0~7.0mm)ものから、スチールコード用フィラメント(φ0.2~0.4mm)や、シリコンインゴット切断用のソーワイヤ(直径100µm以下)のような細いものまで、様々な用途に使用されている。一般的には炭素を0.7~0.8質量%含有する鋼材が用いられるが、高炭素化や合金成分の活用により、高強度化が進んでいる。さらに解析機器の発展により、フェライトとセメンタイトからなる微細なラメラー組織の詳細な解析が可能になり、パテンティング処理および伸線工程における組織形成に関する解析が進んでいる。本稿では、これら最近の知見を紹介し、高炭素鋼線の高強度化の現状について述べる。 5)ボルト用鋼の最近の進捗永濱 睦久 世界的に地球環境に対する関心が高まり,自動車の燃費向上やCO2排出量削減が強く望まれている。その解決策の一つとして車体重量の軽量化が挙げられ,エンジンや足回り部品のダウンサイジングに必要な締結部品“ボルト”の高強度化が熱望されている。ボルトは自動車に使用される他部品に比べて高い引張強度環境下で使用されるため,表面きず或いは鋼中非金属介在物などの欠陥による疲労強度の低下,水素感受性の増大に伴う遅れ破壊など解決しなければならない多くの技術課題がある。 本講演では,ボルト用鋼の高強度化に関する考え方と開発状況および最近の研究動向について紹介する。 6)非調質鋼の技術の変遷と最近の開発動向水野 浩行 非調質鋼は、組織制御技術により焼入焼戻し(調質)を行わなくても所定の強度が確保できるため、熱処理省略によるコスト低減、CO2排出量低減、工程簡略化による納期短縮などが可能となる。そのため、自動車や建設機械などの部品に幅広く使用されており、社会ニーズや適用部品の要求特性に応じて様々な技術開発が進められてきた。本講演では、これまでの技術開発の変遷を概説するとともに、最近の取り組み事例として、コンロッドの高強度化技術、制御鍛造技術について紹介する。 7)表面硬化処理用鋼の特徴と研究開発動向井上 圭介 自動車部品に代表される動力伝達部品の多くは、疲労強度や耐摩耗性などの機能を高める目的で、浸炭、窒化、高周波焼入れなどの表面硬化処理が適用される。最近では、処理時CO2排出抑制が可能な真空浸炭や処理歪低減が期待される浸窒焼入れなど、新しい表面硬化処理も選択できるようになりつつある。いずれの処理も鋼の表層部を硬化させるものだが、適用される材料や処理条件、その硬化機構は異なっており、各種処理のポテンシャルを最大限発揮するためにはその特徴やメカニズムの理解は欠かすことはできない。 本稿では、表面硬化処理の分類や特徴、および表面硬化処理用鋼の研究開発動向について事例を交え紹介する。 8)自動車用ばね鋼の最近の開発動向山岡 拓也 地球温暖化対策の観点から、自動車の軽量化はCO2排出量の削減、および燃費の向上に大きく貢献するため、部品、モジュールは様々な軽量化の取り組みが進められている。自動車用懸架ばねについても同様に軽量化の取り組みがなされており、アプローチの一つとして高強度ばね鋼の開発が進められている。しかしながら、材料の高強度化により耐環境特性(耐腐食疲労特性、耐遅れ破壊性)が大きく劣化することが知られており、強度と耐環境特性の両立が重要である。 本講演では自動車用ばね鋼の軽量化への取り組みと、それに伴う諸問題および解決策等の開発動向を紹介するとともに、今後の展望についても紹介する。 4. 参加申込み ①事前申込は終了いたしました。 当日領収証をお渡しします。事前申し込みは10月10日(水)までです。 事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。 ②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。 5. 参加費(税込み、テキスト付) 会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円 注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。 受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。 ★テキストは、最終講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会HPをご覧下さい。
(会場案内)
|