第34回 鉄鋼研究振興助成 受給テーマ一覧(2025年度助成開始)

日本鉄鋼協会では、①大学等における鉄鋼研究活性化、②優れた学生が鉄鋼研究に魅力を感じ受給者のもとに参集すること、等を支援するため「鉄鋼研究振興助成」事業を実施している。

第34回(2025年度助成開始)は応募76件のうち、28件の採択を決定した。このうち、19件は35歳以下の若手研究者の申請案件である。なお、若手採択案件のうち、最上位の1件に石原・浅田研究助成の名称を付与した。

研究テーマ 申請分野 研究者氏名 所属/役職(申請時)
石原・浅田研究助成
製鋼スラグの熱炭素還元による電池正極材LiFePO4製造原料Fe-P合金生成
サステナブルシステム SIAHAAN Andrey Stephan 東北大学/学術研究員
水素がオーステナイト鋼の積層欠陥エネルギーに与える影響の再評価 材料の組織と特性 伊東 達矢 日本原子力研究開発機構/博士研究員
マルテンサイトラス内にみられる微細な双晶の生成則と変形挙動の解明 材料の組織と特性 上野 虎太郎 久留米工業高等専門学校/助教
応力発光・記録機能を利用した鉄鋼材料の新規計測診断技術の開発 計測・制御・システム工学 内山 智貴 東北大学/助教
SUS316L溶接部の低温靭性に及ぼす諸因子の影響解明 材料の組織と特性 浦中 祥平 東京大学/助教
窒素添加オーステナイト系ステンレス鋼中のCr-Nクラスタの原子スケール構造解析 材料の組織と特性 河原 康仁 九州大学/助教
高速測定による鉄鋼の水素・応力負荷誘起欠陥 評価・分析・解析 キアリ ルカ 千葉大学/助教
結晶塑性有限要素法によるステンレス鋼管の空引きにおける表面あれ進展抑制機構の解明 材料の組織と特性 岸本 拓磨 名古屋工業大学/助教
その場中性子回折を用いた鉄系超弾性合金におけるナノ析出の役割解明 材料の組織と特性 許 勝 東北大学/助教
極低温下における特異なセレーション変形への影響因子の解明 材料の組織と特性 古賀 紀光 金沢大学/准教授
スクラップ鉄循環プロセスを目指した脱銅フラックスの開発 高温プロセス 小林 能直 東京工業大学/教授
脱リン技術の高効率化に向けた鉄系合金中リンの熱力学データベース構築 高温プロセス 齋藤 啓次郎 東京大学/助教
ショットピーニングと熱処理による無方向性電磁鋼板の新規製造プロセスの創出 創形創質工学 佐藤 尚 名古屋工業大学/教授
原子シミュレーションによるマルテンサイト変態の核生成機構と支配因子の解明 材料の組織と特性 下川 智嗣 金沢大学/教授
実験と理論計算科学に基づいた二元系混合ガスによる水素脆化抑制効果の定量的評価 材料の組織と特性 尚 娟 九州大学/助教
高炭素鋼マルテンサイトの焼戻し挙動に及ぼす炭化物生成元素の影響 材料の組織と特性 張 咏杰 東北大学/助教
水素侵入分布計測に基づく大気腐食環境における高強度鋼への水素侵入の促進機構の解明 材料の組織と特性 菅原 優 島根大学/教授
中性子分析を応用した鉄鋼関連材料中軽元素の分析真度評価 評価・分析・解析 墨田 岳大 九州大学/助教
イオン交換法によるスラグからのレアメタルの持続可能な回収 サステナブルシステム CHEREMISINA Elizaveta 東北大学/助教
放射光その場観察にPH解析を援用した固液共存体の不均一変形のトリガーサイト特定 高温プロセス 鳴海 大翔 京都大学/助教
硫化物系介在物の電気化学特性制御による省資源型高耐食ステンレス鋼の開発 材料の組織と特性 西本 昌史 東北大学/助教
プラズマ窒化を用いたオーステナイト系ステンレス鋼の水素脆化防止処理 材料の組織と特性 半田 祥樹 津山工業高等専門学校/講師
溶融塩電解処理を用いた多孔質ステンレス鋼電極の創製と水素その場測定法の確立 材料の組織と特性 福本 倫久 秋田大学/准教授
フェライト鋼の疲労き裂発生を支配するセル組織の結晶学的特徴 材料の組織と特性 藤居 俊之 東京工業大学/教授
水平磁場印加時のガリウム合金中を上昇する気泡の終端速度と気泡挙動の実験的評価 計測・制御・システム工学 村川 英樹 神戸大学/准教授
摩擦攪拌接合した制振ダンパー合金鋼の相安定性とマルテンサイト変態挙動解析 材料の組織と特性 山下 享介 大阪大学/助教
極低温高圧水素環境下におけるオーステナイト鋼の変形・破壊メカニズム解明 材料の組織と特性 和田 健太郎 物質・材料研究機構/研究員
溶融・凝固過程の熱物性とin-situ観察に基づくFe基Laves相析出条件の確立 高温プロセス 渡邉 学 京都大学/特定助教