材料工学教育研究集会・男女共同参画シンポジウム
「男女共同参画の現在―組織にできることは何か―」
男女共同参画の実現が21世紀の日本社会の最重要課題と位置づけられ、1999年6月に「男女共同参画社会基本法」が公布・施行され、2000年12月には「男女共同参画基本計画」が閣議決定されてから、様々な分野で男女共同参画活動が行われるようになった。学会内での活動もめざましく、2002年には科学・技術系学協会で男女共同参画学協会連絡会を結成し、シンポジウムやアンケート調査等を行うことにより、政府に働きかける等大きな役割を果たしている。さらに、科学技術振興調整費に「女性研究者支援モデル育成」が盛り込まれるようになって2年経ち、現在、大学、独法研究所20機関で様々な取り組みを行っている。
日本鉄鋼協会、日本金属学会では、2007年3月に男女共同参画合同委員会を設置し、学会期間中の託児室合同設置、合同HPや育児・男女共同参画等の情報交換するためのメーリングリストの開設を行ってきた。男女共同参画活動をとにかく始める、という開始期はそろそろ終わり、組織ができることは何かを意識しながら活動を充実させていく時期に移行しつつある。そこで、春期大会において、活発な活動を展開している企業、独法研究機関から講師をお招きし、組織に何ができるかについて議論する。
共 催:
全国大学材料関係教室協議会、日本鉄鋼協会・日本金属学会男女共同参画合同委員会、材料連合協議会日 時:
2008年3月28日(金)13:00~15:20会 場:
武蔵工業大学世田谷キャンパス3号館2階321教室(金属学会C会場)プログラム:
プログラム: 司会:黒田光太郎(名大、全材協会長、男女共同参画合同委員会委員長) | |
13:00~13:05 | 開会の挨拶 |
碓井建夫(阪大、全材協副会長) | |
13:05~13:50 | 「女性技術者育成の取り組み―施策とコミュニティー」 |
板倉真由美(日本IBM 東京基礎研究所 インフォメーション&インタラクション部長) | |
13:50~14:35 | 「女性研究者の育成における独法研究所の役割(仮題)」 |
澤田美智子(産業技術総合研究所 男女共同参画室室長) | |
5分休憩 | |
14:40~14:55 | 「男女共同参画連絡会活動報告および連絡会アンケート結果の報告」 |
田中龍彦(東京理大、男女共同参画合同委員会副委員長) | |
14:55~15:15 | 総合討論 |
15:15~15:20 | 閉会の挨拶 |
吉田豊信(東大、全材協副会長) |
講演内容紹介
「女性技術者育成の取り組み―施策とコミュニティー」板倉真由美(日本IBM 東京基礎研究所 インフォメーション&インタラクション部長)
日本アイ・ビー・エムでは、「組織活性化の鍵」として企業内多様化に取り組んでおり、中でも女性社員の活用に力をいれている。1990年代後半からは女性社員比率の向上、女性管理職の比率の向上といった数値目標を掲げ、社長および取締役らが積極的に支援する体制で臨み、それによってeワーク制度、短時間勤務制度などの人事制度が充実し、女性社員の高い離職率も改善した。さらに2005年より技術系女性社員を育成するコミュニティであるCOSMOSが発足し、女性技術者自らが育成・支援に関わっている。具体的には、女性技術者のビジョン策定、メンタリング推進、役員とのラウンドテーブル、ネットワーク作りなどによって女性技術リーダーを充実していくことをコミュニティメンバーが推進している。 それらの長期的かつ積極的な取り組みの結果として、昨年日本アイ・ビー・エム社内の男女技術者に実施したアンケートによると、ほとんどの質問に対して男女による回答の差が無く、女性技術者の存在についての違和感や差別感も無く、男女同様に仕事ができる環境であることがわかった。 日本アイ・ビー・エムにとっては男女問わず高い能力を発揮して成果につなげることが重要であり、今後も制度とコミュニティの2つの側面から女性技術者を支援し育成していく方針である。「女性研究者の育成における独法研究所の役割」
澤田美智子(産業技術総合研究所 男女共同参画室室長)
「男女共同参画連絡会活動報告および連絡会アンケート結果の報告」
田中龍彦(東京理大、男女共同参画合同委員会副委員長)