2020年秋季(第180回)
第180回討論会テーマ
討論会の原稿枚数は、A4判4枚以内で作成願います。 ここにおける提案者は、講演大会において当該セッションの座長および副座長に指名されますので、ご了承下さい。 ■討論会テーマ 1. 高温プロセス分野「今後の資源・環境問題解決に資する鉄鉱石処理プロセス」 提案者: 前田敬之(九大)、松村 勝(日本製鉄)、樋口隆英(JFE)、宮川一也(神鋼)、弘中 論(日本製鉄)、村上太一(東北大) 粉原料を積極的に用いCO2排出量が削減可能な焼結プロセスの提案を目指し、造粒強化およびその機構解明、コークス以外の凝結材の有効利用、微粉造粒物の配置を考慮したプロセス現象の理解および焼結反応の効率化につながる基礎研究を、「資源環境調和型焼結技術創成」研究会において進めてきた。 本討論会では、研究会の成果と共に、資源の低品位化・微粉化に対応する原料処理技術や環境対応技術について幅広く討議する。 2. サステナブルシステム分野「インフラ構造物の経年劣化に対する維持管理」 提案者: 坂入正敏(北大) 現在の社会状況から、高経年化した社会インフラの戦略的な維持管理や補修・更新が求められている。これまでに、“インフラ構造物の劣化と寿命”をテーマとしてインフラ構造物の現状をはじめ、腐食や疲労による劣化損傷に関してシンポジウムを開催してきた。 本討論会では、腐食や劣化解析に基づく鋼構造物の維持管理に関する講演を広く募集する。 3. 計測・制御・システム工学分野「攻めの操業を支えるシステムレジリエンスの最新動向」 提案者: 藤井信忠(神戸大)、楢崎博司(神鋼) 製鉄業の複雑なサプライチェーンにおいて、余裕最小化と変動耐性最大化を両立する「攻めの操業」を実現するために、安定余裕評価、破綻リスク予測技術と、状況悪化時でもシステム全体動作の健全性を最大限維持するためのシステムレジリエンス操業技術を開発することが求められている。 本討論会では、レジリエンスのシステムモデルを構築するとともに、自動化ではなく、安定逸脱過程における人間の介入判断を支援することを目的として発足した研究会の最新動向を共有すると共に、関連するトピックについて討論する。 4. 計測・制御・システム工学/創形創質工学分野「高能率・安定圧延を実現する人とシステムのシェアードコントロール」 提案者: 北村 章(大和大)、岸 真友(日本製鉄) 製鉄所プラントの自動化を推進するには、人とシステムが協調したシェアードコントロールへの期待は大きい。 本討論会では、2018年度から3年間活動した「高能率・安定圧延を実現する人とシステムのシェアードコントロール」研究会の成果について報告を行い、今後の方向性を展望する。 5. 創形創質工学分野「延性破壊~原理・要因・影響と制御」 提案者: 柿本英樹(神鋼)、小森和武(大同大) 延性破壊は塑性加工中に発生する代表的な欠陥であり、連続体近似に基づく延性破壊条件の提示と塑性加工プロセス設計への適用について、研究が行われてきた。 本討論会では、延性破壊の原理や要因に遡り、加工プロセスのおよぼす影響や延性破壊の制御、抑制についても取り上げ、議論する。 6. 材料の組織と特性分野「鋼の不均一変形と加工硬化」 提案者: 土山聡宏(九大)、北條智彦(東北大) 多結晶組織を有する金属材料は、塑性変形時にすべり変形が不連続となる結晶粒界の近傍で応力やひずみの集中を生じるなど、不均一な変形挙動を示すことが知られている。とくに基地中に、マルテンサイト、ベイナイト、残留オーステナイト、析出物など第二相組織を含む複相鋼の場合には、母相と第二相間での応力・ひずみ分配により変形の不均一性がますます顕著となり、これが材料の降伏、加工硬化、破壊の挙動に大きく影響を及ぼしている。したがって、鉄鋼材料の特性をさらに高めていくための組織制御指針を得るには、組織と不均一変形挙動の関係を明らかにし、それが特性へ及ぼす影響を定量的に評価していくことが不可欠である。 本討論会では、とくに引張変形初期の不均一変形組織と加工硬化挙動の関係に着目し、実験的な解析手法による変形組織と力学特性の評価や計算工学的手法による不均一変形挙動の予測や機構解明に関する研究成果の現状をレビューする。 7. 評価・分析・解析分野「鉄鋼分析における「不確かさ」とは」 提案者: 田中亮平(京大)、鈴木 茂(東北大) 測定における不確かさの表記方法は複数存在し、評価の対象に応じて適切な方法を選択する必要がある。鉄鋼分析における不確かさはどのような方法に基づき評価すべきなのか、具体的な方法論や実際の評価事例に関する講演を募集し討論を行う。また、鉄鋼の標準化など、不確かさ評価や分析試料の精度管理に関する講演などを広く募集する。 |