鉄鋼工学セミナー「専科」
【6】「材質制御専科」受講のご案内
日時: | 2024年11月28日(木)13:00~29日(金)13:00 |
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会場: | 日本鉄鋼協会 第1・2会議室 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3-2-10 鉄鋼会館5階 TEL. 03-3669-5933 |
講師: | 高橋 学(九州大学教授) |
幹事: | 吉岡真平(JFEスチール:本コースの円滑な運営のための世話役) |
募集定員: | 10~20名 ※定員オーバーの場合や参加資格を満たさない場合はお断りすることがあります。 |
参加資格: | 国内に鉄鋼生産設備を有し、生産割合分担金等の維持会費を納めている法人に属する日本鉄鋼協会個人正会員 ※上記以外については、応募状況も踏まえ、鉄鋼工学セミナーWGによる承認が得られた場合、参加可能 |
費用(税込): | 受講料 26,000円 意見交換会参加費 5,000円 ※受講料は事前カード決済になります。申込締切後、事務局より決済に関するご連絡を差し上げますので、支払い期日までにお手続き下さい。領収証は当日お渡しします。 ※意見交換会参加費用は、当日現金支払でお願い致します。領収書を発行いたします。 ※会場までの交通手段および宿泊は各自でご手配下さい。 |
申込締切日: | 2024年10月25日(金)期日厳守 ※キャンセルは2024年11月18日(月)までにお願いいたします。 |
申込方法: | 申込みは終了いたしました。 |
その他: | 平服でご参加ください。 |
講義の概略:
鉄鋼材料は様々な市場で利用され、我々の生活を支えている。第2次世界大戦後急激な需要の伸びに呼応して生産量を伸ばした鉄鋼業であるが、オイルショックを起点としてその生産量はほぼ横ばい状況である。しかしながら、製造される製品自体は大きな進化を遂げ、国内の各種製造業の国際競争力強化に貢献している。新しい、高機能な鉄鋼材料の開発と実用化、これこそが「材質制御」そのものである。鉄鋼材料へ要求される特性は利用される市場環境によって大きく異なる。本専科では、特に自動車用薄鋼板を念頭に置きながら、強度と塑性変形能に焦点を当て、主に低合金鋼のミクロ組織制御と材質制御技術について、最近の進歩も含めて説明したい。基礎的な内容は当然のことながらすべての鉄鋼材料に適用可能である。目的の性質上、計算によって定量化を試みる必要がある。受講者にはExcel等が利用可能なPCの準備をお願いしたい。可能でない場合は関数計算機を持参いただきたい。
<講義目次>
- 応力-ひずみ曲線と支配要因
応力-ひずみ曲線は材料の機械的性質を表す最も基本的な特性である。応力-ひずみ曲線から理解できる材料の特性(材質)とその支配因子を把握し、ミクロ組織制御の重要性を理解する。この中で、材料の強化方法についても理解を進める。また、複合組織鋼における応力-ひずみ曲線の表現方法についても解説する。 - 実際の製造工程で行われる材質制御
実際の鉄鋼製品は製銑・製鋼工程から熱延・冷延・熱処理工程と非常に足の長い工程で製造される。各種工程は、商品価値を決定する目的でその詳細が設計されているが、材質制御の観点でも重要な役割を果たしている。ここでは材質制御の観点からみた製造工程の特徴を理解したい。 - 熱力学と結晶学
相変態や析出現象は熱力学的な法則に則っていると理解されている。ここでは、最小限度の熱力学の知識を用いて、どのようにミクロ組織形成過程を理解することができるかを解説すると共に、実務でも利用可能な結晶学の超基礎的な理解を試みる。 - 熱間加工によるミクロ組織制御
殆んど全ての鉄鋼材料は熱間加工工程を通過する。本質的には、熱間加工は所望の形状を達成するための工程ではあるが、同時に、「鍛錬」を行う工程とも理解できる。この熱間加工工程でのミクロ組織変化について、従来知見と最近の新しいアプローチについて説明したい。 - 相変態によるミクロ組織制御
鉄鋼材料の最大の特徴は、比較的低温での結晶構造の変化と炭素の役割である。この特徴は鉄鋼材料における相変態挙動と強く関連している。鉄鋼材料の主たる相変態生成物である、フェライト、パーライト、ベイナイト及びマルテンサイトの生成挙動について、その機構の理解と定量的な予測方法について解説する。また、簡単な仮定に基づいた、平衡温度や界面移動速度の計算を実際に行ってもらう。 - 析出物による材質制御
析出現象は、アルミなどの相変態を利用できない合金において特徴的に進歩した技術ではあるが、鉄鋼材料においても、様々な特性を向上させるために非常に重要な役割を演じている。ここでは、比較的単純な過飽和固溶体からの析出現象を対象として、その制御技術の基本的な理解を進めたい。 - ミクロ組織制御の妙技
これまで述べた各種ミクロ組織制御が社会に受け入れられた例を述べて、その妙技についていくつかの例を説明したい。
プログラム概略:
【11/28(木)】
13:00 | 集合 |
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13:10-18:00 | 講義 |
18:30-20:30 | 意見交換会 |
【11/29(金)】
9:00-13:00 | 講義 集合写真撮影、アンケート収集後、解散 |
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JFEスチール(株) スチール研究所 薄板研究部 主任研究員 吉岡真平
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