材料の組織と特性部会 「微生物腐食の解明と診断・抑止技術の構築」研究会最終報告会シンポジウム 開催案内
微生物腐食とは環境中の微生物の直接/間接的な作用により、材料を使用する環境が十分に温和な場合でも腐食が大規模かつ急速に誘導される現象である。その発生は①金属表面への微生物の付着②バイオフィルム形成③バイオフィルム近傍/直下での腐食発生という過程に従うとされ、局所的な腐食環境が金属-生物界面に形成される可能性が示唆されている。しかし、原因となる微生物の種類・作用および腐食機構などについては未解明の部分が極めて多く、腐食事象を微生物腐食と判定する基準も明確に確立されていない。2020年に設立された「微生物腐食の解明と診断・抑止技術の構築」研究会では、微生物腐食のダイナミクスを実証解明し、金属-微生物の相互作用解明に寄与する材料学的諸因子に関わる学理の充実に取り組んできた。
今回のシンポジウムを研究会の最終成果報告会として位置付け、これまでの成果と新しい知見を紹介し、これからの微生物腐食研究を展望する。大学や企業の垣根を越えた情報交換、技術討論を期待したい。
日時: | 2024年9月19日(木)12:50~17:00 |
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場所: | 大阪大学 豊中キャンパス 全学教育推進機構 講義C棟C206(第188回秋季講演大会 会場12) 〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1 大阪モノレール 柴原阪大前駅下車 徒歩約7~15分 |
資料: | 配布資料あり |
参加費: | 無料 |
申込方法: |
完全事前登録制 【講演大会に参加される方】 講演大会概要集「材料とプロセス」を年間予約された方、あるいは前期または後期(当日)申込される方は、シンポジウムへの参加登録手続きは不要です。 【シンポジウムのみに参加される方】 協会Webページ 「6. 併催イベント(学生ポスターセッションの聴講、併催シンポジウム)のみ参加申込み」から参加登録手続きをしてください。(申込期間:2024年8月23日(金)~9月20日(金)14:00まで) |
プログラム:
12:50-13:20 | 趣旨説明、活動・成果の概要 研究会主査 宮野泰征(秋田大) |
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座長 平井信充(鈴鹿高専) | |
13:20-13:45 | 「淡水系工業用水環境での浸漬試験における微生物群集構造解析の総括的考察」 〇若井 暁(海洋研)、砂場敏行(INPEX)、宮野泰征(秋田大) |
13:45-14:10 | 「海洋細菌の形成するバイオフィルムが起因となる微生物腐食」 〇尾花 望(筑波大)、宮野泰征(秋田大)、野村暢彦(筑波大) |
14:10-14:20 | 休憩 |
座長 若井暁(海洋研) | |
14:30-14:55 | 「固体鉄を電子源とする微生物が引き起こす腐食の解析」 〇平野伸一(電中研) |
14:55-15:20 | 「石油備蓄基地や天然ガス回収施設から分離・培養された新種の硝酸還元菌よる金属鉄腐食」 〇飯野隆夫(理研) |
15:20-15:45 | 「チオ硫酸イオンを含有する寒天膜を付着させたSUS304鋼の腐食挙動」 〇春名 匠(関西大) |
15:45-15:55 | 休憩 |
座長 江口健一郎(JFE) | |
15:55-16:20 | 「SICMとCLSMによる水中バイオフィルム同一箇所観察」 〇平井信充(鈴鹿高専)、 三輪有平(鈴鹿高専)、 服部俊太(静岡大)、 岩田太(静岡大) |
16:20-16:45 | 「ステンレス鋼溶接部の微生物腐食機構解明のネクストステージを展望する」 〇宮野泰征(秋田大)、若井 暁(海洋研)、砂場敏行(INPEX)、水上裕貴(INPEX)、鴇田 駿(東北大)、尾花 望(筑波大)、野村暢彦(筑波大) |
座長 宮野泰征(秋田大)、若井 暁(海洋研) | |
16:45-17:00 | 総合討論 |
問合せ先:
秋田大学大学院理工学研究科 宮野泰征
〒010-8502 秋田市手形学園町1-1
E-Mail:y.miyano@gipc.akita-u.ac.jp