創形創質工学部会 冷却フォーラム
第2回講演会「ROT冷却研究の進展」のご案内
日時:2023年3月15日(水)13:00~17:00
2023年3月16日(木)9:00~12:00
場所:3月15日 九州大学・伊都キャンパス、河野教授研究室見学
3月16日 佐賀大学、光武教授研究室見学
講師:芝浦工大 准教授 遠藤理恵、玉川大 名誉教授 大久保英敏、九州大 教授 河野正道、佐賀大 教授 光武雄一
内容:冷却フォーラムは、2011-2012年、2017-2019年に行われた熱延ROT冷却研究会を母体として、「鋼材の冷却技術に関する諸現象の研究を行うとともに,最先端の研究活動を通じて,企業協会員の技術力向上を図りつつ,課題抽出も行い.鉄鋼プロセスの冷却技術の一層の向上を図る」ために設立されました。
ROT冷却研究の進展として、今回、この間の研究成果を研究の立ち上げからその成果まで、研究会に参加された先生方にお一人ずつまとめてご講演いただくことで、鉄鋼協会の鋼材冷却に携わる技術者の知識の向上に寄与したいと考えています。
第二回は、芝浦工大/遠藤先生、玉川大/大久保先生、九大/河野先生、佐賀大/光武先生に以下の題目でご講演いただき、合わせて研究室を訪問し、試験装置など見せていただきます。
- プログラム:
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- 13:00-13:50
- 「酸化スケールの熱伝導率と熱抵抗の評価」
芝浦工大/遠藤理恵
3月15日
熱間圧延工程では、鋼の高温酸化により鋼表面には酸化膜(酸化スケール)が生成する。酸化スケールは、鋼よりも熱伝導率が小さいため鋼の冷却において熱抵抗となる。本講演では、酸化スケールの熱伝導率の評価手法と酸化スケールの構造も含めた熱抵抗評価手法について紹介する。
- 14:00~14:50
- 「遷移沸騰域の高温化による高精度冷却制御の可能性」
玉川大/大久保英敏
金属材料の熱処理では、冷却速度の向上とともに冷却の制御性を向上させることも重要である。講演では、金属表面に空隙率の大きい表面被覆層を付加することにより、被冷却材を遷移沸騰域から冷却する沸騰冷却熱伝達特性および遷移沸騰域における時間的・空間的固液接触割合について検討した結果を報告する。
- 15:00-15:50
- 「表面性状および雰囲気圧力が急冷開始点に及ぼす影響」
九大/河野正道
鋼板製造プロセスにおける冷却制御性を向上させるには急冷開始点をいかに制御するかが重要な課題となるが、急冷開始点は流量などスプレーの条件に加えて被冷却対象の表面性状にも大きく左右される。本講では試料表面に生成した酸化皮膜が急冷開始点に及ぼす影響に加えて、スプレー冷却を行う際の雰囲気圧力が急冷開始点に及ぼす影響も併せて報告する。
- 16:00-16:30
- 河野研究室見学
- 16:30-17:00
- 全体討論、移動
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- 8:20
- 佐賀大に移動
- 9:00-10:30
- 「非定常冷却評価のための温度計測と逆問題解析手法」
佐賀大/光武先生 - 10:45-11:15
- 光武教授研究室見学
- 11:20-12:00
- 質疑、全体討論
- 12:00-
- 解散
3月16日
高温鋼材の非定常沸騰冷却能力の評価には、冷却中の高温物体内部の測定温度履歴に基づく非定常熱伝導解析が必要となる。Laplace変換を用いた解析的解法に基づく鉄鋼材料固有の変物性、推定精度を保証する最適な測温位置配置などについて述べた後、回転円筒試験片を用いた移動冷却系の温度計測法とその解析評価結果について説明する。
交流会:3月15日夜、場所を変えて、先生方との交流と議論を深めて下さい。
バスにて古湯温泉会場に移動
佐賀・古湯温泉 旅館大和屋
参加費用:交流会費10,000円(バス代、交流会実費)、宿泊費12,000円
(なお、費用は参加人数により一部変更の可能誌あり)
申込期限:2月24日(金)17:00
申込時記載事項:氏名、所属、鉄鋼協会会員番号(会員でなくても会員会社所属の方は参加可能)
フォーラム幹事 芹澤良洋(日本製鉄・プロセス研究所)
E-mail:serizawa.sb5.yoshihiro@jp.nipponasteel.com