第73回白石記念講座
「攻めの操業を支えるシステムレジリエンス-環境の揺らぎへの対応力-」
(事前申込締切:2022年9月7日)

講座の視点

鉄鋼業において、 製鉄プロセスは工場内外を含めた複雑なサプライチェーンを構成しているが、複雑さ故に局所的な変動であっても、それが伝播、増幅されて全体の破綻に至るといった「安定逸脱リスク」を有している。生産計画や設備能力における余裕確保は有効な対策であるが、事業競争力観点からはそれらの最小化も同時に実現する必要がある。現在、計測制御システム部会を母体とし、レジリエンスシステム技術に関連する大学研究者および企業メンバー中心に進めている鉄鋼業におけるレジリエンスの考え方、および操業シミュレーションモデルの開発を一望することで、鉄鋼業における操業支援技術の将来像を考える一助として頂ければ幸いである。
協賛(50音順)
(公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(公社)計測自動制御学会、(一社)資源・素材学会、(一社)電気学会、(一社)特殊鋼倶楽部、(公社)土木学会、(一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(公社)日本金属学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本材料学会、(一社)日本塑性加工学会、日本中性子科学会、(一社)日本熱処理技術協会、(公社)日本分析化学会、(一社)表面技術協会、(公社)腐食防食学会、物質・材料研究機構、(一社)溶接学会
1.日時
2022年10月7日(金)9:30~16:45 受付時間 9:00~15:45
2.場所
早稲田大学 西早稲田キャンパス
63号館2階会議室(東京都新宿区大久保3-4-1)
*新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、オンライン開催へ変更する場合がございます。
変更する際は本会Webサイトにてお知らせいたします。
3.講演題目及び講演者、司会者
司会者:鳩野 逸生(神戸大学)
1) 9:30~10:30
都市重要インフラのレジリエンス

東京大学 大学院工学系研究科 レジリエンス工学研究センター 教授 古田 一雄

2) 10:30~11:30
システムとレジリエンス~システムレジリエンス研究会活動報告~

神戸大学 大学院システム情報学研究科 システム科学専攻 准教授 藤井 信忠

3) 12:30~13:30
変動影響の表現を含む鉄鋼生産プロセスの物流シミュレーションモデル

(株)神戸製鋼所 デジタルイノベーション技術センター シニアプロフェッショナル 楢崎 博司

4) 13:30~14:30
ポスト・コロナ時代のレジリエンス-システミック・アプローチによるゆらぎとの共生-

京都大学 工学研究科長・工学部長・副理事・教授 椹木 哲夫

5) 14:45~15:45
社会技術システムにおける安全に対する人間のポジティブな寄与

東北大学 大学院工学研究科 技術社会システム専攻 教授 高橋 信

6) 15:45~16:45
生産システムのレジリエンスメカニズムに切り込むシリアスゲーミングアプローチ

青山学院大学 理工学部 経営システム工学科 教授 水山 元

4.講演内容
1)都市重要インフラのレジリエンス
古田 一雄
東日本大震災を契機に、日本でもライフラインなどの都市重要インフラの災害に対する備えに関心が集まるようになった。特に、想定を超える災害によって被害が発生してしまった場合の備えについては、従来のリスクに基づく安全対策に加えてレジリエンスの概念に基づく対策が必要である。本講演では、まずレジリエンスの基本的な考え方や評価の視点を説明する。都市重要インフラのレジリエンスを評価する際には、複合都市システムの異なるサブシステム間の相互依存性を考慮することが必要となる。この相互依存性のモデル化について述べ、さらにシミュレーションによって都市重要インフラのレジリエンスを評価する技術を、いくつかの評価事例を交えながら紹介する。
2)システムとレジリエンス~システムレジリエンス研究会活動報告~
藤井 信忠
2020年度から活動を開始した「攻めの操業を支えるシステムレジリエンス研究会」では,レジリエンスの概念に着目し,レジリエンスの考え方をシステム工学的立場から整理するとともに,生産・物流管理に導入することで変動耐性最大化と余裕最小化を両立する「攻めの操業」を支えるとともに,変動への対応経験を将来の操業に活用するための方法論・技術を検討している。本報告では,システムとレジリエンスの関係について,環境,人,システムの観点から整理するとともに,鉄鋼生産システムを対象とした研究会活動の現状について報告する。
3)変動影響の表現を含む鉄鋼生産プロセスの物流シミュレーションモデル
楢崎 博司
生産環境や条件の変動による生産性低下や遅延を最小化し、安定操業を継続することは重要な課題である。その一方、厳しい事業環境を背景に、変動影響を吸収する生産資源余裕の最小化も望まれており、より高精度な生産管理が必要となる。「攻めの操業を支えるシステムレジリエンス」研究会では、変動の影響を予測・検知し、アクションをとるための操業支援技術を研究している。生産計画や意思決定支援など様々な視点から議論を行っているが、それら議論のベースとすべく、変動影響の伝搬メカニズムを含めた鉄鋼生産プロセスの物流シミュレーション方法について検討している。ここでは、その内容について紹介する。
4)ポスト・コロナ時代のレジリエンス:システミック・アプローチによるゆらぎとの共生
椹木 哲夫
2011年の東日本大震災は、社会が想定外のゆらぎを受けることで潜在的な矛盾が顕在化されることを知る機会となった。一方、現在我々はコロナ渦に直面しているが、ゆらぎが突発的で終わる場合と継続的に繰返しの波として生じてくる場合とでは、それらがもたらす事業継続性等への影響波及の実態に大きな違いがあり、その対応としては「ゆらぎからの復旧」ではなく「ゆらぎとの共生」を実現できるレジリエンスが求められる。本原稿ではまず過去に実施した日本鉄鋼協会の震災復興アクションプランにおけるレジリエンス概念について振り返り、次に我々がこれから直面するポスト・コロナ時代に求められる新しいレジリエンスについて、ゆらぎとの共生を実現するためのシステミック・アプローチとして展開している研究事例を中心にまとめる。
5)社会技術システムにおける安全に対する人間のポジティブな寄与
高橋 信
鉄鋼業における巨大で複雑なシステムは、人が安全確保の主要な役割を果たす社会技術システム(Socio-technical System)として捉える必要がある。常に変動し揺らいでいるシステムを安全に効率的に運用するためには人の寄与が必須であり、人を単なるヒューマンエラーを犯す存在として捉えることは、人の安全へのポジティブな寄与を見過ごしている。本講座では、変動する環境の中で安全な操業を実現するためのレジリエンスエンジニアリングの概念の重要性に関して概説する。特に想定外事象に対するレジリエンスの寄与に関して行った実験的研究の内容を中心に紹介する。
6)生産・物流システムのレジリエンスメカニズムに切り込むシリアスゲーミングアプローチ
水山 元
製鉄所などの大型工場は複数の部分に区切られ,それらが部分毎の担当者によって分散的に運用されることが多い。その際,部分間に緩衝在庫を置いてそれらの運用はデカップリングされる。しかし昨今,生産能力の余裕や緩衝在庫の容量などが削減されていくのにともなって,ある部分で生じた変動の影響が消滅せず,予期しない形で工場全体にまで波及してしまうような事態が生じやすくなってきた。これは,異なる担当者によって運用されているシステムの部分同士が再び強くカップリングされ,工場全体がある種のシステムオブシステムズとしての様相を呈し始めたことを示している。本講座では,そうしたシステムのレジリエンスメカニズムについて検討するために,行動科学と計算科学を組み合わせて取り組んでいる講演者らの研究アプローチについて紹介したい。
5.参加申込み
[申込方法]
本会Webサイトからの事前申込のみとします。当日参加受付は行いません。
※定員になり次第、締切とします。
こちらの申込フォームに入力し、送信して下さい。
申込フォーム
[支払い方法]
①クレジットカードのオンライン決済 または、②郵便振替 のいずれかの方法で、事前の入金をお願いします。
※請求書の発行は致しません。
[締め切り]
申込、入金ともに9月7日(水)までに完了するようお願いします。
  • ※入金の確認後、開催約1週間前にテキストと領収証を送付します。
  • ※ご入金後の返金および当日不参加の場合の返金はいたしませんので、ご了承下さい。
6.参加費(税込み、テキスト付)

会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円

注) 会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。
*非会員でご参加の方で希望される方には、下記会員資格を進呈します。(入会方法は別途ご案内いたします。)

  • 一般(15,000円)で参加 2023年12月までの準会員資格
  • 学生一般(2,000円)で参加 ⇒ 2023年12月までの学生会員資格

★テキストは、講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。テキスト購入のお申込みは、本会Webサイト(出版図書案内)をご覧下さい。

問合せ先:(一社)日本鉄鋼協会 育成グループ
E-mail: educact@isij.or.jp
(会場案内)
東京会場の地図

早稲田大学西早稲田キャンパス
63号館2階会議室

(東京都新宿区大久保3-4-1)
JR線:高田馬場駅より徒歩15分
西武線:高田馬場駅より徒歩15分
地下鉄:副都心線西早稲田駅直結、東西線早稲田駅より徒歩22分

※講座案内のチラシは こちら からダウンロード出来ます。