計測・制御・システム分野における産学若手交流セミナー開催のご案内
(締切日:2021年9月21日)

計測・制御・システム工学部会若手フォーラムは、2007年より産学交流セミナーや学生向け製鉄所見学会を企画運営して、産学連携の強化および技術系学生に対するPRを図ってきました。2021年度はシステム分野のトピックスとして「現場が鍛える最先端の機械学習・最適化技術」というテーマを設定し、セミナーを企画いたしました。最新の研究・技術動向に関して5件の講演を予定しております。今年度はコロナウイルスの影響もあり、オンラインでの開催となっておりますので、多数の方のご参加をお待ちしております。

1.主催
一般社団法人日本鉄鋼協会 学会部門 計測・制御・システム工学部会/計測制御システム分野における産学若手交流フォーラム
2.日時
2021年9月29日(水)9:30~16:30
3.講師
統計数理研究所日野英逸先生
大阪大学原聡先生
大阪大学岩崎悟先生
富士通佐々木智丈先生
横浜国立大学白川真一先生(若手フォーラム座長)
4.プログラム
9:30~9:40
開会の挨拶・自己紹介など
9:40~10:25
①「鉄鋼プロセスの概要説明・事例紹介」(企業幹事)
10:25~10:30
休憩
10:30~11:15
②「能動学習入門」(日野先生)
概要:
機械学習において予測モデルの学習に利用する教師データ(ラベル)の取得に非常にコストがかかる一方、教師なしデータの取得が容易な状況が多く存在する。適応的にラベルを付与するサンプルを選択することで限られたコストで精度の高い予測モデルを得る方法論として、能動学習がある。本講演では能動学習の基礎と適用例、最近の研究事例を紹介する。
11:15~12:00
③「機械学習における“説明”」(原先生)
概要:
深層学習モデルに代表される機械学習モデルは、その複雑な構造ゆえにモデルの推論プロセスやモデルの出力の根拠を人間が論理的ないし直感的に読み解くことができない“ブラックボックス”である。機械学習における“説明”の目的はモデルのブラックボックス性を解消すること、すなわちモデルの推論プロセスや出力の根拠を人間が理解できるようにすることである。通常の機械学習モデルでは、与えられた入力に対してモデルが計算した予測値が返ってくる。これに対し“モデルを説明する”とは、予測値の他に「予測の判断根拠となる補助情報」をユーザにフィードバックすることに相当する。深層学習モデルの利用の拡大を背景に、近年は“モデルを説明するための説明法の研究が活発に行われている。本講演では代表的な機械学習モデルの説明法として「重要特徴の提示」及び「関連データの提示」を紹介する。また、説明法研究の近年の更なる展開についても紹介する。
12:00~13:00
昼休憩
13:00~13:45
④「ネットワーク状の構造物における異常検知に向けたメトリックグラフ上の偏微分方程式モデルを用いた解析」(岩崎先生)
概要:
講演タイトルにある「メトリックグラフ上の偏微分方程式」は、ネットワーク状の構造物内部の状態変数のダイナミクスを記述する際に相性の良いモデル方程式である。講演では、地下に張り巡らされた水道管などのネットワーク状の構造物内の異常検知を目指した研究の第一ステップとして行った。メトリックグラフ上の偏微分方程式を用いた研究を紹介する。具体的には、ネットワーク状の構造物に配置した有限個のセンサーから得られた時系列データを用いて、状態変数の初期値を推定する問題を取り扱う。
講演では「ネットワーク状の構造物のどこにセンサーを配置すれば初期値を一意に推定できるか」という問に対する答えとして、制御工学における可観測性の観点からの理論的な研究結果を紹介する。また、その理論的な研究から得られた適切なセンサーの配置を用いると、確かに初期値状態を推定できることを特異値分解を用いた数値例で示す。
13:45~14:30
⑤「強化学習技術の目指すもの、そしてその現場適用に向けた取り組み」(佐々木先生)
概要:
ビデオゲームや囲碁での大きな成功をきっかけに、現在、強化学習技術の産業応用にも高い関心が集まっている。本講演ではまず制御工学の視点から強化学習技術がどのようなことを目指したものであるかを説明し、現場適用を考える上でのキーポイントを述べる。その上で、強化学習技術を現場適用する上で課題となる安全性確保に向けた研究開発について紹介する。
14:30~14:45
休憩
14:45~15:30
⑥「自動機械学習とニューラルアーキテクチャサーチ」(白川先生)
概要:
機械学習や深層学習は様々な分野においてその活用が期待されているが、これらを使用する際には、学習に関わるハイパーパラメータの調整やモデルの選択、ニューラルネットワークの構造設計など、事前に設定しなければならない項目が存在する。機械学習や深層学習の性能を高めるためには、これらの事前設定項目を適切に設定する必要があるが、そのためには専門的な知識や試行錯誤が欠かせない。このことは、新しい問題やデータセットに機械学習や深層学習を応用する際のボトルネックになる。このような事前設定に関わるプロセスを自動化し、機械学習や深層学習をより使いやすいものにしようとする技術は自動機械学習(AutoML)と呼ばれている。本講演では、自動機械学習の概要とそこで使用される最適化技術を概説するとともに、ニューラルアーキテクチャサーチと呼ばれるニューラルネットワークの構造最適化技術を解説する。
15:30~16:20
総合討論(最大17:00まで)
16:20~16:30
閉会の挨拶
5.場所
オンライン会議(Microsoft teams)
6.参加費
無料
7.参加申込
事前にE-mailで以下のフォーマットにご記入の上、下記問い合わせ先までお申し込み下さい。

氏名:
勤務先:
所属:
住所:
電話番号:
FAX番号:
E-mail:
事前質問・議論したい内容:

8.申込期限
2021年9月21日(火)
9.連絡事項
  • 本セミナーはMicrosoft teamsを用いて行いますが、ゲスト参加可能ですのでインストールの必要はございません。参加者には事前に会議案内を送付させて頂きます。
  • オンラインでの会議とはなりますが、討論会を含めて全プログラム参加可能な方のみご参加下さい。
申込・問合わせ先:
JFEスチール株式会社 スチール研究所
サイバーフィジカルシステム研究開発部 熊野徹
TEL:044-322-6220
E-Mail:ak-kumano@jfe-steel.co.jp