高温プロセス部会「多相融体の流動理解のためのスラグみえる化研究会」中間報告会
シンポジウム開催案内

鉄鋼精錬プロセスにおいて、副生されるスラグは基本的に均一な融体ではなく、未滓化のCaOや炭材などの固体、溶銑とスラグの反応により生成したCOガス等の気体、またフォーミングスラグによって巻き込まれた溶銑などの液体が、複雑に混在した高温流体を形成しており、これらが密接に関わる問題が散見される。例えば、溶銑予備処理プロセスおいて生成するフォーミングスラグによって生じる無視できない量の粒鉄ロス、鋼材品質確保のため過剰に投入された精錬剤に起因する未滓化CaO、また排出されたスラグの高付加価値化を目指したフォーミングスラグの高密度化、などこれらの問題は、高温のスラグマトリックス中における第二相の挙動を把握できてない為に生じていると考えられる。これに対して、本研究会では新しい手法による高温実験と機械学習を含む計算科学を両輪として、マルチフェーズスラグの流動および物質移動現象をみえる化し、上記の改題解決に資する研究プラットフォームを形成することを試みております。

本シンポジウムでは2019年に発足しました「多相融体の流動理解のためのスラグみえる化」研究会の中間報告として、上記の観点からマルチフェーズスラグの流動および物質移動現象を議論します。

1.日時:
2021年3月19日(金)10:00-15:10
2.開催方法・会場:
オンライン開催(Cisco Webex Meetingを使用)
シンポジウム会場2
3.プログラム:
10:00-10:05
趣旨説明
齊藤敬高(九大)
10:05-10:25
酸化鉄含有スラグ溶融還元に伴う発生気泡を内包した急冷試料の観察
〇江口大雅、大野光一郎、前田敬之、国友和也(九大)
10:25-10:45
固液共存スラグの流動挙動に及ぼす界面電荷の影響
原大吾、中島邦彦、〇齊藤敬高(九大)
10:45-11:05
高温スラグの粘性予測~機械学習によるアプローチ~
〇西郷浩人(九大)
11:20-11:40
粒子法を用いた多相流体のシミュレーション
〇樋口善彦(産技短大)
11:40-12:00
日本製鉄におけるフォーミング現象に関する研究開発
〇松澤玲洋(日本製鉄)
13:30-13:50
電気炉スラグフォーミング状態の音による検知方法の検討
〇小林哲也(山特)
13:50-14:10
落球法による懸濁液のみかけ粘度測定
李尉(東北大、中国東北大)、高旭(東北大、中国中南大)、〇植田滋(東北大)
14:10-14:30
溶融スラグのフォーミングのその場観察の試み
内真人、〇中本将嗣、田中敏宏(阪大)
14:30-14:50
界面活性剤溶液の泡の安定性と破泡に関する研究
〇脇本辰郎、徳永稜、加藤健司(大阪市立大)
14:50-15:10
総合討論 司会:植田滋(東北大)
4.参加費:
無料
5.参加申込:
2月上旬開設予定のシンポジウム参加申込ページより参加登録を行ってください。(当日受付不可)
問合わせ先:
九州大学大学院工学研究院材料工学部門 齊藤敬高
E-mail: saito.noritaka.655@m.kyushu-u.ac.jp