材料の組織と特性部会 「鉄鋼材料への腐食誘起水素侵入」研究会 「大気暴露中の腐食誘起水素侵入に対する理解に向けてⅢ」シンポジウム 開催案内
省資源・省エネルギー社会の構築の観点から高強度鉄鋼材料の実用化が活発に取り組まれています.しかし,実用上の問題点である水素脆化の発生が強く懸念されており,その克服が社会から強く要望されています.そのために,近年数々の関連研究会・フォーラムが設立・開催され,「侵入した水素に対して耐水素脆性を示す鉄鋼材料の開発」の観点を中心に研究成果が急速に蓄積されてきました.一方,「耐水素侵入性」の観点から水素脆化を克服することも重要であることが認識され,近年,鋼材への水素侵入に関する基礎的知見が蓄積されてきました,このような背景から.高強度鉄鋼材料の実用上重要な「大気暴露中の腐食誘起水素侵入」に対する理解に焦点を当て,局在化水素の検出技術を深化させるとともに,水素侵入機構を「環境因子」「材料表面因子」の観点から構築することにより,耐水素侵入性高強度鉄鋼材料の設計指針を追求することを目的として,環境・エネルギー・社会工学部会との共同体制で本研究会が2018年に設立されました. 今回のシンポジウムでは,前回に引き続き,本研究会に参画している研究者の,これまでに行われてきた研究成果の一部を話題に活発な議論を行い,「腐食誘起水素侵入」へのさらなる理解を深めたいと思っております. 1. 日時:2020年3月18日(水)13:00-17:00 2. 場所:東京工業大学 大岡山キャンパス 本館地階H103(第179回春季講演大会第12会場) 3. プログラム: 13:00 開会の挨拶 研究会主査 春名 匠(関西大学) 13:05 大気腐食G-1 さび層を形成させた鉄の水素侵入に及ぼす相対湿度とMgCl2付着塩量の影響 春名 匠(関西大学) 13:20 大気腐食G-2 液滴下における鋼板の腐食反応にともなう水素吸収におよぼすアニオンの影響 多田英司(東京工業大学) 13:35 環境G-1 張出し試験片の水素脆化によるき裂の発生と進展 秋山英二(東北大学) 13:50 環境G-2 相対湿度が乾湿繰り返し環境における鋼の水素透過に及ぼす影響 坂入正敏(北海道大学) 14:05 休憩 14:20 環境G-3 金属への水素侵入メカニズムに関する電気化学インピーダンス法による評価 板垣昌幸(東京理科大学) 14:35 環境G-4 量子計算手法を用いた水素透過機構研究 五十嵐誉廣(日本原子力研究開発機構) 14:50 材料表面G-1 フォトリソグラフィーにより作製した鉄鋼材料微小表面とその水素透過挙動 伏見公志(北海道大学) 15:05 材料表面G-2 純Feにおける水素の拡散に及ぼす格子欠陥の影響 戸髙義一(豊橋技術科学大学) 15:20 材料表面G-3 水素侵入挙動に及ぼす材料強度の影響 森本美奈子(JFEスチール) 15:35 休憩 15:50 検出技術G-1 透過水素量の定量化における表面電位測定の適用 片山英樹(NIMS) 16:05 検出技術G-2 半導体化学センサを用いた水素透過観察にむけた測定系の検討 宮本浩一郎(東北大学) 16:20 検出技術G-3 腐食過程において鋼材へ侵入した水素のWO3薄膜を用いた検出 菅原 優(東北大学) 16:35 総合討論 17:00 閉会の挨拶 研究会主査 春名 匠(関西大学)
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