第241・242回西山記念技術講座「最近の電気炉技術の進歩-平成30年間を振り返る-」 (事前申込締切:2020年10月7日)
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1989年に始まった平成年間において、製造業ではグローバル化、デジタル化が大きく進展し、これらにより市場が益々拡大する一方で海外製品とのコスト・品質競争も激化した。そのため日本においては高効率化による生産性向上、高品質による差別化が求められた。デジタル化に伴い製造面では工場設備の自動化が進んだ。また平成年間は、地球温暖化防止のためのCO2削減など世界的に環境対応要求が強まった時期でもある。これらの社会変化は電気炉製鋼に対しても高効率生産の追求、省力のための設備自動化、環境対応など様々な影響をもたらした。 |
1.日時・場所:
第241回 2020年10月14日(水)9:30~17:00 受付時間:9:00~15:20
大阪:CIVI研修センター新大阪東6階E605会議室
(大阪市東淀川区東中島1-19-4 新大阪NLCビル)
(大阪市東淀川区東中島1-19-4 新大阪NLCビル)
第242回 2020年10月22日(木)9:30~17:00 受付時間:9:00~15:20
東京:早稲田大学西早稲田キャンパス 55N号館1階大会議室(東京都新宿区大久保3-4-1)
2.講演題目・講演者、司会者
※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。
※こちらからダウンロード出来ます。
司会者:小林日登志(JFE条鋼(株)) 1) 9:30~10:30 電気炉製鋼法の変遷-主として平成年間を振り返る- 電気炉部会部会長、トピー工業(株) 常務執行役員 スチール事業部長 中村 毅 2) 10:30~11:20 最新電気炉製鋼設備の現状と今後の可能性電気炉部会欧州調査団 3) 12:30~13:20 電気炉製鋼を支えたビレット鋳造の高速化技術スチールプランテック(株) 連鋳エンジニアリング部 グループマネージャー 塩田 浩志 4) 13:20~14:10 最近のアーク炉設備技術の動向 大同特殊鋼(株) 機械事業部 設計部長 堀 哲 司会者:中村 毅(トピー工業(株))5) 14:30~15:20 電気炉製鋼における環境対策と今後の方向性 JFE条鋼(株) 技術部 エキスパートエンジニア 小林日登志 6) 15:20~16:10 電気炉用黒鉛電極の今後の動向SECカーボン(株) 電極ユニット 電極技術部長 吉川 功治 7) 16:10~17:00 激動する鉄スクラップ問題(株)鉄リサイクリング・リサーチ 代表取締役 林 誠一 |
3.講演内容
1)電気炉製鋼法の変遷-主として平成年間を振り返る-中村 毅
我が国の電気炉製鋼の技術は、その多くがヨーロッパ発の要素技術に端を発し鉄鋼業の振興期に、特に生産性向上とコスト削減の技術と相まって大いに発展した。生産性の向上をはじめとした電気炉操業技術の集大成は、1980年代前半から昭和末期にかけて電気炉から取鍋精錬炉(LF)への精錬分離機能に始まり、偏芯炉底出鋼方式(EBT)の普及で一応の仕上がりを得たといえる。その後平成年間は、景気拡大と不況期を繰り返す中で、直流電気炉に始まり新予熱方式電気炉や環境調和型電気炉など生産性とエネルギーコスト削減及び環境負荷低減を目的とした電気炉新技術を開花させ定着させていった。さらにこれら電気炉生産性向上の努力は、連続鋳造での高速化技術がささえたといっても過言ではない。このように電気炉新技術が萌芽発展した平成年間を振り返り、今後の方向性について提言したい。2)最新電気炉製鋼設備の現状と今後の可能性電気炉部会欧州調査団
アーク炉の能率とエネルギー原単位の継続的な改善は、酸素冨化操業や高電力操業といった革新的な操業技術の開発と共に、アーク炉本体の技術革新が大きく寄与している。いわゆる従来型のTop-Chargeアーク炉が、現在もなお改良が続けられながら導入が続いている一方、アーク炉の熱ロスの大部分を占めるガスの持ち去る熱を回収しようとする新しい形式のアーク炉の提案が繰り返し行われ、国内外に導入が進んでいる。本講演では、最新型Top-chargeアーク炉の紹介と共に、新形式のアーク炉についての最新の状況を紹介する。3)電気炉製鋼を支えたビレット鋳造の高速化技術塩田 浩志
近年の電気炉製鋼におけるビレット鋳造は、第2次オイルショック以降の省エネ推進の要求を受けた圧延との直送操業(HCR、HDR)化や、80年代後半からのLF普及による電気炉の製鋼能力の向上を受け、連続鋳造の生産性向上を推進することが急務となり、多くのユーザーで高速鋳込みが志向されることとなった。高速鋳込みを実現するにあたり、発生頻度が高まる菱形変形などの品質問題やブレークアウトを抑制するため、モールドの内面テーパや形状の最適化など特にモールド周りの技術改善が進展し、生産性向上に大きく寄与するものとなった。本講座では、モールド周りを中心に高速鋳込みの技術的変遷を振り返る。4)最近のアーク炉設備技術の動向堀 哲
資源リサイクルの優等生と評される鉄鋼材料の循環サイクルにおいて、電気炉(アーク炉)製鋼は静脈系の最終工程、すなわち鉄スクラップを製品に再生するまさしく心臓部にあたる。1899年にポール・エルー(P. H'eroult)によってアーク炉が発明され、1916年に我が国で初めて製造された時から、電気炉製鋼はめざましい進化の足跡を刻み始めた。本講演では、まず初めにアーク炉設備の黎明期、その後の我が国における発展の歩みから、現在の国内外におけるアーク炉の普及状況に至るまでの歴史を紹介する。そして、アーク炉および主要の付帯設備の概要を機械設備・電気設備に大別して解説し、最後に、アーク炉を取り巻く最近の特徴技術を社会情勢を交えて紹介する。5)電気炉製鋼における環境対策と今後の方向性 小林日登志
鉄鋼材料に関する資源循環の中核を担ってきた電気炉製鋼法は、経済活動を反映した鉄スクラップの備蓄とそのリサイクルの持続的かつ効率的な循環を展開するものとして継続している。その活動を支えまた維持するための環境技術の重要性は、ますます重要なものとなってきている。「人の健康被害の防止と生活環境の保全」を達成するために、各種公害規制法並びにダイオキシン類特別措置法などの種々の環境法が制定され、電気炉環境技術はその要求を満足させるべく進歩を遂げてきた。また、電気炉は全国の各地域に所在し、高温溶融処理を行うための設備と高度な技術力を有しており、更なる資源循環サイクルを構築することは意義の大きいことと言える。本講座では、主要な環境法の要求とそれに対応する電気炉技術の進歩及び更なる資源循環に焦点を当て概説する。6)電気炉用黒鉛電極の今後の動向吉川 功治
電気炉用黒鉛電極需要は、⽣産性の向上や省エネ対応など、電気炉設備の改良および技術⾰新などによる消費原単位低下の一方、中国をはじめとした世界的な電気炉設備の増加により、中⻑期的には増加が⾒込まれる。又、黒鉛電極の原料となるニードルコークスは電池向け需要の増加などにより需給バランスに変化が⽣じている。本講演では、電気炉設備等の改良に⾒られる技術改善の移り変わりに合わせた電気炉用黒鉛電極の対応と共に、世界的な黒鉛電極の⽣産状況の動向と今後の⽅向性について紹介する。7)激動する鉄スクラップ問題林 誠一
鉄鋼循環にあたって鉄スクラップが重要なファクターである。平成約30年間を振り返ると、消費は多様化しグローバル化が進展する需要の激動があった。供給量は今後、加工くずの発生量減少を老廃くずの発生量増加が補い、ほぼ現状横ばいで推移すると推計されるが、品位面では薄物や付随不純物の多い老廃スクラップが主体となることが予想される。一方、世界全体の流通量は約1億トン、使用率は30%を超え、粗鋼を生産するにあたって鉄スクラップは銑鉄に次いで主要な鉄源となっている。しかし、発生と使用には地域差があり、需給や価格変動要因の背景となっている。また、鉄スクラップ使用量が世界の約40%を占める中国の輸入規制や需給バランスなどの動向も無視できない。このような状況を踏まえ、本講演では中間処理の今以上の高度化など、国内で発生する鉄源としていかに有効に使用していくかなど鉄鋼業の大きな課題について概説する。4.参加申込み
①事前申込は本会ホームページからのクレジットカード決済のみでの支払いとなります。
申し込みは9月から開始です。
当日領収証をお渡しします。事前申し込みは10月7日(水)までです。
事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。
②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。
申し込みは9月から開始です。
当日領収証をお渡しします。事前申し込みは10月7日(水)までです。
事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。
②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。
5.参加費(税込み、テキスト付)
会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円
注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。
★テキストは、最終講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。
テキスト購入のお申込みは、本会HPをご覧下さい。
問合せ先:(一社)日本鉄鋼協会 育成グループ TEL: 03-3669-5933 FAX: 03-3669-5934 E-mail: educact@isij.or.jp |
(会場案内)大阪会場 10/14(水) | 東京会場 10/22(木) |
CIVI研修センター新大阪東 6階E605会議室 | 早稲田大学 西早稲田キャンパス |
(大阪市東淀川区東中島1-19-4 新大阪NLCビル7階) | 55N号館1階大会議室 (東京都新宿区大久保3-4-1) |
JR線:「新大阪」駅下車 東口から50m | JR線:高田馬場駅より徒歩15分 |
地下鉄:地下鉄御堂筋線「新大阪」駅から徒歩5分 | 西武線:高田馬場駅より徒歩15分 |
地下鉄:副都心線西早稲田駅直結、 | |
東西線早稲田駅より徒歩22分 | |
http://www.waseda.jp/top/access/nishiwaseda-campus |