第239・240回西山記念技術講座「資源・環境・エネルギー問題から見た製銑技術の進歩と今後の展開」(事前申込締切:2019年10月4日)
講座の視点
第239回 2019年10月10日(木)9:30~17:00 受付時間:9:00~15:10 東京:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階会議室(東京都新宿区大久保3-4-1) 第240回 2019年11月6日(水)9:30~17:00 受付時間:9:00~15:10 大阪:㈱ラソンテ 3階会議室(大阪市淀川区宮原1-6-1新大阪ブリックビル3階) 2.内容および講演者、司会者 ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3.講演内容 1)鉄鋼原料需給の現状と今後の課題有友 晴彦 鉄鋼生産を支える、鉄鉱石、原料炭を中心とする鉄鋼原料需給は、中国経済の成長の鈍化、中国政府の過剰生産設備淘汰への取組み、コモディティ化の加速といった、さまざまな要因を背景に大きく取り巻く環境が変わってきている。これに加えて、供給側でも、優良資源が徐々に枯渇していく中、今後の品位動向に懸念が出てきている。このように、中長期的に所要原料を安定的に確保していく上で、いろいろな課題が見えてきている状況を整理して、今そして今後何をしなければいけないのかといった点を考察する。2)資源対応型・低炭素消費を目指した鉄鉱石焼結プロセスの進歩と今後の展開松村 勝 自溶性焼結鉱は高炉原料としての強度確保と被還元性改善の両立を目指したもので、1950年台の実用化以降、現在まで高炉の主要鉄源を担っている。しかし、近年、世界的規模での鉄鋼需要が急増する中で、その鉄源となる高品位鉄鉱石の供給不足が顕著になっている。そのため、新たに選鉱処理を必要とする低品位鉄鉱床の開発に移行せねばならない状況にあり、選鉱後の微粉原料使用技術が求められる。一方、炭酸ガス問題により、焼結原料における固体カーボン原料からの転換、および高炉操業における還元材比のさらなる低減を可能とする高品質な焼結鉱が強く求められている。本講座では、上記課題解決のため、資源利用拡大と低炭素を目指す焼結技術、特に最近10年間に開発・実用化された技術およびそれを支える基盤研究に焦点を当て概説する。3)コークス製造技術の最近の動向と今後の展開深田喜代志 この10数年間は、世界的な鉄鋼需要の拡大にともなう良質な石炭の価格高騰、国内コークス炉の老朽化進行、CO2排出量削減要求など、コークス分野を取り巻く情勢は大きく変化してきた。この厳しい状況に対応すべく、石炭資源の対応力強化、コークス炉の延命、高品質コークス製造、新コークス製造プロセスなどの技術開発が行われ、基礎技術から要素技術までのレベルアップと同時に実機化も実現してきた。本講演では、この10数年間のコークス製造技術の開発動向を総括するとともに、今後の課題と将来の展望を述べる。4)近年における高炉プロセス技術の進歩と今後の課題野澤健太郎 高炉操業は、移動充填層内での相変化、熱交換、反応交換をともなう4相(気・固・液・粉)が介在する複雑な炉内現象を擬定常的に制御・維持することで成立している。先人の努力の結果、我が国の高炉プロセスは、原料・コークス・事前処理鉱の適正品質が確保され、一貫製鉄所でのマスプロダクションを前提にした場合においては、エネルギー効率と経済合理性の面で既に理想的に追求され成熟しているとも言える。一方、その複雑さ故に、近年においても高炉内部現象の解明、その現象把握を受けた更なる機能強化への取組みが実施されてきたことも事実である。本講座では、高炉プロセスに関わる技術の系譜を極力客観的なデータを用いて明らかにするとともに、最近10数年間で特徴的に先鋭化が図られた技術を紹介する。5)製銑プロセスの新たな取り組み(国プロを中心として) 佐藤 道貴 地球温暖化問題を背景に、鉄鋼業はこれまで自主行動計画の中で、省エネ・CO2削減技術の開発に精力的に取り組んできた。しかしながら、パリ協定に掲げられた国の長期目標の達成に鉄鋼業が大きく貢献していくためには、さらに一段高い省エネ・CO2削減技術の確立が必要である。特に製銑工程は製鉄所からのCO2排出量の約7割を占めるため、新たな原理や発想に基づく新原料や新プロセスの開発が強く求められている。このような背景のもと、近年、高炉の還元材比の抜本的な低下に結びつく研究開発が国の支援を受けて強力に推進されている。本講座では、この中から主要な技術(高炉用塊成鉱-ハイブリッド結合鉱石-、フェロコークス、COURSE50、酸素高炉等)を取り上げ、それら技術のコンセプト、開発状況、ならびに将来構想や期待効果について概説する。6)製銑プロセスへのDEMの適用の試み加納 純也 鉄鋼業において、原料である鉄鉱石や石炭は粉粒体であり、安定的かつ高効率な操業を行うためには、混合、造粒、充填などのプロセスにおける粉粒体の力学的な挙動を理解し、予測、制御することが必要である。そのため、コンピュータシミュレーション法の一つである離散要素法(Distinct Element Method: DEM)が製銑プロセスに適用されるようになってきた。DEMは粒子一つ一つを追跡し、粉粒体全体の挙動をシミュレーションする方法であり、粉体混合、粉砕、充填、造粒などに適用されている。操業規模の大きな製銑プロセスの解析には、計算粒子の粗粒化やパラメータの設定などの工夫が必要であり、ここではDEMを製銑プロセスに適用した際の解析事例を報告し、現状での課題や今後の展望、シミュレーションの活用の仕方について述べる。7)製銑分野の技術の進歩と取り巻く環境変化に応じた将来プロセス像齋藤 公児 製銑分野の技術進歩は、コークス、焼結、高炉という各プロセスの技術の発展だけでなく、それらを成し遂げるための異分野技術の進歩、資源環境に応じた新たな視点からの開発やCO2に代表される環境負荷に関わる技術の進歩等の総合的な進歩である。本講演では各プロセスを中心とした技術進歩を受けて全体総括をするとともに、世界規模での製銑が置かれている環境(いわゆる環境問題だけでなく様々な因子、特にSDGs的な視点も含めて)の変化も含めた議論をし、今後のあるべき製銑プロセスの将来像までを網羅できるような内容を紹介したい。4.参加申込み ①事前申込みは終了いたしました。 当日領収証をお渡しします。事前申し込みは10月4日(金)までです。 事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。 ②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。 5.参加費(税込み、テキスト付) 会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円 ★テキストは、最終講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。受付で本会あるい は協賛団体の会員証をご提示下さい。 テキスト購入のお申込みは、本会HPをご覧下さい。
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