主催:(一社)日本鉄鋼協会関西支部・(公社)日本金属学会関西支部
テーマ1 「電子顕微鏡による組織観察・分析の基礎と応用」
開催日時:2019年10月3日(木)~4日(金)/ 10:00~16:30(両日とも) 開催場所:大阪府立大学中百舌鳥キャンパス B5棟 3階 3B-34号室 (堺市中区学園町1-1) (プログラム)
[10月4日(木)] | 10:00~10:55 | 【講 義】 | 走査型電子顕微鏡を用いたミクロ組織観察と元素分析の基礎 | 11:05~12:00 | 【講 義】 | 透過型電子顕微鏡の仕組みと電子線回折と結像の基礎 | 13:00~16:30 | 【実 習】 | 課題1:(EPMA) 金属材料のミクロ組織観察と定性・定量分析 | | | 課題2:(TEM) 金属・鉄鋼材料の高分解能TEM/STEM観察 | [10月5日(金)] | 10:00~12:00 | 【講 義】 | 高分解能TEM/STEM法の基礎と応用 | 13:00~16:30 | 【実 習】 | 課題1:(EPMA) 金属材料のミクロ組織観察と定性・定量分析 | | | 課題2:(TEM) 金属・鉄鋼材料の高分解能TEM/STEM観察 | | (注:実習は2班に分かれ、1日と2日で課題を入れ換えて行います) |
【内 容】
構造材料から機能材料まで材料の有する諸特性を制御する基本は、その材料の構造、組織や組成を理解することにあります。この目的を達成するために用いられるのが走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)に加えて、材料を構成する元素やその組成をナノスケールで分析できる電子線マイクロアナライザ(EPMA)です。近年のナノテクノロジーの台頭により、この 各種の電子顕微鏡の重要性はますます高まってきています。一方、これらの電子顕微鏡を使いこなし、またデータを正しく解釈するためには電子線光学や結晶回折学に基づいた基礎知識が不可欠です。本セミナーでは、これまで 電子顕微鏡を扱ったことのない研究者の方々、これから電子顕微鏡をさらに使いこなしたい研究者の方々を対象にSEM、TEM やEPMAの測定原理を解説するとともに、半導体や金属といった典型的な材料を実際に観察することによって、SEM、TEM やEPMAの特徴を理解し、材料開発の現場においてこれらの分析装置を正しく使うための基本を学ぶことを目的としています。 | 講 師:大阪府立大学 大学院工学研究科 森茂生教授、仲村龍介准教授
募集人員:12名 参加費用:会員30,000円、非会員40,000円、学生3,000円(テキスト代・消費税込み)
協賛:大阪府立大学大学院工学研究科
テーマ2 「材料系のための第一原理マテリアルデザイン入門」
開催日時:2019年10月11日(金)9:45~17:30 開催場所:(一財)大阪科学技術センター 4階 403号室 (大阪市西区靱本町1-8-4) (プログラム) 9:45~10:00 第一原理計算と計算機マテリアルデザイン (大阪大学・佐藤先生) 10:00~12:30 MedeAチュートリアル (MOLSIS社講師)
・クイックスタート ・簡単な計算例、状態密度、バンド図の作図 13:30~14:15 【実習A】 バンド計算結果の解析
・金属の凝集および磁性、ハイスループット計算 ・色々な金属の格子定数、凝集エネルギー、体積弾性率、磁性を計算して状態密度、 電子密度などとの相関を解析する。 14:20~15:05 【実習B】 不純物、合金系
・空孔、不純物の形成エネルギー、スーパーセル法 ・Fe中の空孔や炭素などを例に、実際の材料に含まれる不純物や欠陥および 不規則性の取扱法を解説する。 15:10~15:55 【実習C】表面、界面系
・表面エネルギー、分子の吸着、スラブモデル、Implicit solvation モデル ・Fe表面への水や酸素の吸着を例に、腐食や触媒反応の素過程の解析、不均一な系 の取扱法を解説する。
16:00~17:30 【自由実習】(全講師)
1. スピントロニクス材料のデザイン 2. ファンデルワールス相互作用の重要性 3. 不純物の拡散現象(Fe中の炭素、酸素) 4. 合金の相図(クラスター展開とCPA法) 5. 種々の第一原理計算ソフトの紹介 6. 講師との個別研究相談、先端研究事例の紹介など
【内 容】
原子・分子および固体の電子状態を量子力学に基づき計算する第一原理計算は、密度汎関数法の発展や計算機の性能向上に伴って、理論家だけでなく実験家にとっても研究を進めるためのツールとして身近なものとなってきています。さらに最近ではデータ・情報科学との分野融合により、新機能材料デザインのための新しい研究手法としての発展も期待されているところです。本セミナーでは、第一原理計算に基づく計算機マテリアルデザインを材料科学の研究に応用してみたいと考えている研究者・学生を対象とし、第一原理計算ソフトウェアの基本的な使用法の講習を行います。ソフトウェアとしては、VASPをベースとする材料設計支援統合システムMedeA(materials design 社)を使用します。第一原理計算により得られた状態密度やバンド図の解析方法、不純物・不規則のある系や表界面など不均一系のシミュレーションをどのように実施すれば良いのか、など実際的な観点からの演習をハンズオン形式で行います。講習会の最後には自由実習の時間を設け、発展的な演習課題や計算機マテリアルデザインに関する先端研究事例の紹介、講師との研究相談などを希望に応じて行います。 |
講 師:大阪大学工学研究科 佐藤和則准教授、濱田幾太郎准教授 大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター 福島鉄也特任准教授 北海道大学大学院工学研究院 國貞雄治助教 株式会社モルシス 千葉 貢治マテリアルサイエンス部長
募集人員:20名 参加費用:会員35,000円、非会員45,000円、学生8,000円(テキスト代・消費税込み)
テーマ3 「技術者のための鉄鋼材料入門」
開催日時:2019年11月22日(金)9:30~17:30 開催場所:(一財)大阪科学技術センター 4階 405号室 (大阪市西区靱本町1-8-4) (プログラム) 9:45~11:30【講 義】 鉄鋼材料基礎 〜鉄鋼材料の魅力とその科学 (京都大学・辻先生) 12:45~14:45【講 義】 鉄鋼材料の力学特性 〜変形の基礎と高強度鋼 (千葉工業大学・寺田先生)15:00~17:00【講 義】 鉄鋼の熱処理と相変態 〜拡散変態とマルテンサイト変態 (京都大学・柴田先生) 17:00~17:30【質疑・応答】 【内 容】
現代社会を構成する基盤として、金属を中心とする構造材料は極めて重要です。そして社会および科学技術の高度化と安全性向上のため、構造材料の力学特性に対する要求はますます厳しくなっています。構造用金属材料の中で鉄鋼材料は圧倒的な使用量を占めますが、その魅力は、極めて幅広い力学特性(強度、延性、靭性など)を実現できる点にあります。鉄鋼材料においては種々の相変態や再結晶などの固相反応によってナノ・ミクロ組織が様々に変化し、それに伴って力学特性を自在に制御することができるのです。本セミナーは、鉄鋼の熱処理、組織と力学特性に興味があるが大学の材料工学(金属工学)系学科での系統的な講義を受けていない企業の若手・中堅研究者および学部学生・大学院生のほか、学生時代に講義を受けたが再度学習したい方々を対象とし、鉄鋼材料への理解を深めていただくことを意図した基礎講座です。「(1)鉄と鋼の基礎とその魅力」から説き起こし、「(2)金属結晶の変形と鉄鋼の力学特性」を講義したのち、幅広い力学特性を生じる元となる「(3)加工・熱処理に伴う鉄鋼材料の様々な相変態」を解説します。 |
講 師:京都大学工学研究科 辻伸泰教授、柴田曉伸准教授 千葉工業大学工学部 寺田大将准教授 募集人員:55名 参加費用:会員20,000円、非会員30,000円、学生2,000円(テキスト代・消費税込み)
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