【中国四国支部】 第134回金属物性研究会 「鉄系マルテンサイトの組織はどこまで力学特性と関係があるのか」
鉄鋼材料においてマルテンサイトは耐熱鋼,高強度鋼,形状記憶合金や制振材料といった実用的な面からも研究が進められております。これらの特性は無拡散・連携型変態であるマルテンサイトは特異な相変態とそれによって形成された複雑な組織の影響が強いと言われており、組織を制御し特性を向上させる試みが行われています。今回はこのような鉄系マルテンサイトの組織と特性との関係について、最新の研究について御講演をいただきます。 主 催 日本金属学会・日本鉄鋼協会 中国四国支部 共 催 島根大学,島根大学次世代たたら協創センター 日 時 2019年12月9日(月)13:00 ~ 17:00 場 所 島根大学総合理工学部3号館4階 41番教室 〒690-8504 島根県松江市西川津町1060 プログラム 13:00 開会 島根大学 森戸 茂一 13:00 ~ 13:10「島根大学次世代たたら協創センターについて」 島根大学 森戸 茂一 13:10 ~ 14:00「ラスマルテンサイト鋼の組織依存疲労き裂進展挙動」 熊本大学 峯 洋二 講演内容:階層的微視構造を成すラスマルテンサイトは高強度鋼において主要な組織である。高強度鋼の安全利用のためには、疲労き裂進展メカニズムの理解が重要であるが、き裂進展特性を支配する各構成組織要素の役割は明確にされていない。本稿では、独自に開発したマイクロ力学試験技術と金属組織学的評価手法を融合させ、マルテンサイトの疲労き裂進展メカニズムの解明に適用した研究例を紹介する。 14:00 ~ 14:10 休憩 14:10 ~ 15:00 「刃物鋼の組織について」 日立金属株式会社 福元 志保 講演内容:刃物は私たちの生活に欠かせない存在である。日常の生活で使われている刃物の多くは「白紙」、「青紙」の鋼材が使われており、鍛治職人の方々に提供されている。その鋼材は弊社のヤスキハガネの一つとして知られており、今回は長きに渡り使用されてきた代表的な刃物鋼の白紙、青紙のマルテンサイト組織について紹介する。 15:00 ~ 15:10 休憩 15:10 ~ 16:00 「マルテンサイト系耐熱鋼の高温強度に関する金相学的解釈」 九州大学 光原 昌寿 講演内容:純金属や固溶体合金の高温強度は変形機構に基づいて議論できる。一方で、析出強化や転位強化などを複合的に利用した実際の耐熱合金では、その高温強度は変形機構のみで決定されず、母相組織や強化因子の動的変化を考慮する必要が出てくる。本講演では、マルテンサイト組織を有する実用耐熱鋼の微細構造を紹介し、その組織に内包されるいくつかの強化因子、それらの有機的な相互作用、高温変形中での動的変化について解説する。また、高温強度を高めるための材料組織設計指針についても触れる。 16:00 ~ 16:10 休憩 16:10 ~ 16:40 「IF鋼ラスマルテンサイトにおける塑性変形」 島根大学 森戸 茂一 講演内容:鉄鋼材料において利用されるマルテンサイトは以前は塑性変形しないものとして取り扱われてきた。しかし、フェライト-マルテンサイト二相鋼や低炭素鋼ラスマルテンサイトなどではマルテンサイトは十分塑性変形する事が知られるようになった。本講演ではラスマルテンサイトの本来の変形機構を理解するための試みについて報告する。 16:40 ~ 17:00 総合討論 島根大学 林 泰輔 17:00 閉会参加申込 不要,ご参加時に氏名・所属を記帳していただきます。 参 加 費 無料 申込・問合先 島根大学 次世代たたら協創センター 森戸 茂一 TEL: 0852-32-6398 アクセス 詳しくは島根大学HP (https://www.shimane-u.ac.jp/)をご覧ください。E-mail: tatara@riko.shimane-u.ac.jp |