計測・制御・システム工学部会シンポジウム(制御技術部会共催)「データ駆動制御―基礎・応用・新展開―」開催案内(申込締切日:2019年5月31日)
現在,鉄鋼プロセス制御の分野では,蓄積された大規模操業データの活用,データクレンジング,人間を含む複雑系の同定・異常検知・制御といった「データ」を主軸とした取組みが注目を集めています.平成28年度から3年間活動した制御フォーラム「データサイエンスで挑む鉄鋼プロセスのモデリングと制御」では,鉄鋼プロセスにおけるデータ活用において,データの本質的情報に着目したスパースモデリング,マルチエージェント系の制御,データを直接活用した制御器の設計・更新,機械学習に基づく特性解析など,IoT時代の制御に相応しい「データ」をプラットフォームとする数理的切り口で取り組んできました. 本シンポジウムでは,制御フォーラムの取組みの中で,データを直接用いることで制御器の設計や更新を行うアプローチ「データ駆動制御」にスポットを当て,その基礎,実システムを中心とした応用事例,そして,リアルタイム化,外乱抑制,データベース型制御などの現在展開中の新しい内容までわかりやすく解説します.鉄鋼業での今後の活用に向けた一助にしていただければと考えております.多くの皆様のご参加をお待ちしております. 1.主 催:(一社)日本鉄鋼協会 学会部門 計測・制御・システム工学部会/生産技術部門 制御技術部会 2.日 時:2019年6月18日(火)13:30~17:00 3.会 場:鹿島セントラルホテル 住所 〒314-0144 茨城県神栖市大野原4丁目7-11 TEL.0299-95-5511 FAX.0299-92-3556 4.プログラム 座長:金子 修(電通大) ① 13:30~13:35 開会の挨拶とシンポジウム趣旨説明 金子 修(電通大) ② 13:35~14:35 『データを直接用いた予測と制御―データ駆動予測とERIT』 制御器の効果を確認するには実際に装置を動かすしかないが,予期する効果が得られない場合や,予期しない過度な入力が発生し故障や事故につながることもある.ここでは,そのような事態を事前に把握するために,制御器の実装前に,制御系の応答をデータのみから事前予測する新しい考え方―データ駆動予測―について述べる.さらに,その応用としての新しい制御器更新法Estimated Response Iterative Tuning (ERIT)を中心として,演者のグループで最近開発した様々な方法を紹介する.そして冷間圧延プロセス等を中心としたいくつかの例を通して,その有効性も述べる.金子 修(電通大) ③ 14:35~15:35 『データ駆動制御を用いた制御性能改善 -標準的な制御系設計法との関係性について-』 増田士朗(首都大学東京) データ駆動制御では,データを用いて制御器パラメータを調整する.これに対し,標準的な制御系設計では,システム同定によって得られたシステムモデルを用いて,モデルベースト制御系設計を行なう.両者には,設計手順に明らかな違いがあるので,データ駆動制御による新規な制御性能改善が期待できるが,その違いを生じさせる理由や背景は必ずしも明確ではない.本講演では,これまで講演者が進めてきたプレフィルタ設計や外乱抑制問題に関する研究を紹介するとともに,上記の論点に着目し,データ駆動制御と標準的な制御系設計手法との関係性や相違点,今後期待される展開などについて述べる. 15:35~15:45 休憩 ④ 15:45~16:45 『データベース駆動型制御系の設計とその応用』 脇谷 伸(広島大) 非線形性を有する制御対象に対して有効な手法として,データベース駆動型PID制御がある.本手法では,過去の操業データとPIDゲインで構成されるデータセットをデータベースに蓄積し,これらのデータセットに基づいて現在の制御対象の状態に適したPIDゲインを算出する.本発表では,デ―タベース駆動型PID制御器の動作原理を説明する.さらに,閉ループデータから直接的に制御パラメータを算出可能なFictitious Reference Iterative Tuning (FRIT)を併用したデータベースのオフライン学習法についても紹介する.⑤ 16:45~17:00 総合討論 5.定 員:120名 6.参加費(消費税込):会員2,000円,非会員3,000円 *当日受付でお支払い下さい.第161回制御技術部会大会参加者は会員扱いとなります. 7.参加申込: シンポジウムへ参加される方は,事前にE-mailで氏名・会員番号(非会員の方は不要)・勤務先・所属・住所・電話番号・E-mailを明記の上,下記までお申し込み下さい. 8.申込期限:2019年5月31日(金)なお,定員内であれば申込受付の確認の連絡は致しませんのでご了承下さい.
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