第237・238回西山記念技術講座「先進エネルギーマネージメントの 発展を支える耐熱鋼開発」(事前申込締切:2019年5月15日)
講座の視点
1.日時・場所: 第237回 2019年5月22日(水)9:30~17:00 受付時間:9:00~15:20 東京:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階会議室(東京都新宿区大久保3-4-1) 第238回 2019年5月29日(水)9:30~17:00 受付時間:9:00~15:20 大阪:㈱ラソンテ 3階会議室(大阪市淀川区宮原1-6-1新大阪ブリックビル3階) 2.内容および講演者、司会者 ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3.講演内容 1)耐熱鋼、耐熱合金の高温強度とクリープ変形中島 英治 鉄鋼材料を代表とする結晶性材料の高温強度やクリープ強度は外的要因である応力や温度の影響を強く受け、強度やひずみ速度の応力依存性、温度依存性から強度の発現機構、変形の律速過程が詳細に検討されてきた。本講座では高温における強度発現機構ならびに変形の律速過程の詳細について拡散、転位論などを用いて解説する。また、最後に実用環境で最も重要となる極低ひずみ速度領域の最近の研究成果を紹介し、未だ未知の変形領域のクリープ変形を紹介する。2)耐熱鋼の長時間クリープと組織変化澤田 浩太 高効率火力発電技術は、二酸化炭素排出量削減に貢献しているが、その効果を長期間維持することが重要である。そのためには、発電プラント部材で使用される耐熱鋼の長時間クリープ強度特性を良く理解した上で許容応力の策定や部材の寿命管理をする必要がある。本講座では、先進耐熱鋼の許容応力の動向、許容応力策定で必要とされる10万時間クリープ強度特性、長時間クリープ試験技術について概説した上で、長時間クリープ強度評価法の現状、長時間クリープに伴う様々な組織変化、長時間クリープ強度低下と材質劣化・損傷との関係について紹介する。3)耐熱鋼および耐熱合金における粒界の役割と粒界析出制御竹山 雅夫 丁度10年前、平成20年(2009年)の第194・195回西山記念技術講座において「CO2削減に向けた耐熱鋼高温化の最近の進展」が課題として取り上げられ、その中で著者は「耐熱材料の材料科学- 微細組織制御 –」について解説した。その後、2011年に東日本大震災があり我国のエネルギー政策は一変し、発電効率の向上に向けて、耐熱材料の高温化はより重要な課題となっている。本講演では、その高温化に向けて、耐熱鋼・耐熱合金における粒界の役割をおさらいするとともに、粒界の組織制御が高温化にとって重要であることを示す。4)発電プラント用耐熱材料の開発と課題山本 隆一 CO2排出削減の環境問題と燃料資源の節約のために、これまで火力発電プラントの高効率化が追求されてきている。1970年代に確立された566℃の超臨界プラントは40余年を経た現在では600℃級の超々臨界圧プラントまでが実用化され、700℃級USC発電技術(A-USC)の要素技術開発が完了した。また、産業用ガスタービンでは、タービン入口ガス温度1600℃級ガスタービンが既に実用化され、1700℃級ガスタービンの開発が進んでいる。これら技術を実現させるためには、それを支える材料が不可欠であり、さまざまの要求性能を満足する材料開発が進められてきた。本講座では、それら火力発電プラントに使用されている耐熱材料に焦点をあてて、要求される材料特性、使用状況及び課題について概説する。5)高効率火力発電ボイラ用耐熱鋼・耐熱合金の開発と課題仙波 潤之 火力発電は将来にわたって重要な電力源と位置づけられるが、CO2を多く排出する。特に燃料コストの点から今後も世界で広く普及すると想定される石炭火力発電は、他の化石燃料より単位発電量当たりの、CO2排出量が多いため、蒸気条件の高温高圧化による発電効率の向上が図られてきた。現状では蒸気温度600℃、圧力25MPaの超々臨界圧(USC)ボイラが普及しているが、USCボイラの実現には主として我が国で開発された高強度フェライト系およびオーステナイト系耐熱鋼が大きく貢献している。さらに近年では発電効率の飛躍的向上を目指した蒸気温度700℃級のA-USC発電プラントの開発・実用化研究が進められている。本講座ではこれら高効率火力発電ボイラ用耐熱鋼、耐熱合金開発の現状と課題について解説する。6)蒸気タービン部材用耐熱鋼・耐熱合金の開発と課題東 司 地球温暖化防止を背景として、火力発電所では二酸化炭素排出量抑制のために、発電効率向上が指向されている。高効率化を達成するためには、操業温度・圧力条件の苛酷化が必要であり、蒸気タービン部材にはより一層の耐熱温度の改善が求められる。その要求に応えるために、各種の耐熱鋼・耐熱合金が開発され、その一部は実用に供されてきた。本講演では、材料製造メーカーの観点から、タービンロータ、ケーシングに必要とされる耐熱鋼・耐熱合金成分開発、および、それらの大型製品製造技術開発の経緯と課題について述べる。また、地球温暖化防止には、再生可能エネルギーの利用が効果的であることは言うまでもないが、地熱発電所で用いられる蒸気タービン部材の開発状況についても紹介する。7)自動車高温部材用耐熱鋼、耐熱合金の開発と課題植田 茂紀 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)の排出源として自動車の排気ガスに対する規制は益々厳しくなっている。最近は電動化対応が進んでいるものの、全面的な電動化はコストアップの課題があり、内燃エンジンの使用はまだしばらくは続くと予想され、熱効率向上による規制対応の要求は依然高い。すなわち、排気ガス温度はさらなる高温化が求められており、自動車の燃焼系および排気系部品においてより一層の耐熱性に優れた材料が強く求められている。また、熱効率向上のために部品設計自体も変化してきており、その部品の製法や特性に適合させた材料も求められている。本講演ではそれら自動車高温部材の要求特性の変化および新しい耐熱材料の開発状況、今後の課題について紹介する。4.参加申込み ①事前申込は終了いたしました。 当日領収証をお渡しします。事前申し込みは5月15日(水)までです。 事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。 ②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。 5.参加費(税込み、テキスト付) 会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生一般2,000円 ★テキストは、最終講座終了後残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。受付で本会あるい は協賛団体の会員証をご提示下さい。 テキスト購入のお申込みは、本会HPをご覧下さい。
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