第70回白石記念講座 「AI(人工知能)、ビッグデータが拓く 鉄鋼の未来を考える」
講座の視点
協賛: (公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(公社)計測自動制御学会、(一社)資源・素材学会、 (50音順) (一社)システム制御情報学会、(一社)情報処理学会、(一社)人工知能学会、(一社)電気学会、(一社)電子情報通信学会、(公社)土木学会、(一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(公社)日本金属学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本材料学会、(一社)日本塑性加工学会、日本中性子科学会、(一社)日本熱処理技術協会、(公社)日本分析化学会、(一社)表面技術協会、(公社)腐食防食学会、物質・材料研究機構、(一社)溶接学会 1. 日時・場所 2018年11月26日(月) 9:30~16:30 受付時間 9:00~15:30 早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階会議室(東京都新宿区大久保3-4-1) 2. 講演題目・講演者,司会者 ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
※3),4)の講演時間を変更しました。 3. 講演内容 1)人工知能技術の発展と展望麻生 英樹 人工知能技術は、1950年代から研究が続けられてきたが、2000年代になって、インターネット上の検索、推薦、SNS 等のサービスを通じて収集された大規模データに、深層学習を始めとする統計的な機械学習技術を適用することで高度化し、様々な形で実用化され、社会の知的インフラ技術の一つとなった。さらに近年は、IoT やロボット技術とも結びついて、実世界でのものづくりやサービスへと社会実装の場を拡げつつある。本講座では、まず、人工知能技術の研究の歴史と現在の到達点について概説し、次に、現在重要になっている「実世界に埋め込まれる人工知能」の課題や基盤技術について最近の研究開発事例を紹介し、最後に、今後の方向性についても考察したい。 2)AIを活用した材料開発における我が国の取り組み~NIMSを例として~出村 雅彦 AIを活用した材料開発手法刷新への取り組みが世界的に活発化している。囲碁や画像認識、医療診断等で伝えられるAIの可能性に期待する一方で、複雑な材料の課題にどこまで適用できるのか疑問といったあたりが、現状の認識と思われる。確かに、材料の性能を支配する因子の組み合わせは無限と思えるほど広大で、これに比して材料データは不十分であり、また、質の評価を含め、材料データを集める方法論も未だ試行錯誤の段階である。本講演では、当該分野の世界的な動向を俯瞰しつつ、我が国における取り組みとその中で現在得られつつあるいくつかの先行的な事例を紹介し、材料専門家の閃きを引き出し、直感を磨く、そういうAI活用の可能性について議論したい。 3)材料開発ツールとしてのマテリアルズインテグレーション榎 学 構造材料開発においてはそれらの性能評価のために多くの時間が必要となり、開発速度を律速する原因となっている。したがって、組織や性能の予測がある程度の精度で可能となることは材料開発において非常に意義がある。これまで個々の特性や性能に関しては、理論的な考察に基づく理論式や、多くの実験結果から得られた経験則が提案されている。一方、近年のコンピューティングの飛躍的な発達により、種々のマルチスケールでの計算手法を組み合わせることが可能となってきている。構造材料の組織と時間依存の性能の予測を、理論や経験則、数値計算、データベース構築、データ駆動型アプローチなどの融合により可能とするマテリアルズインテグレーション(MI)システムについて概説する。 4)人とAIの協調による新たな社会価値の実現に向けて広明 敏彦 NECは半世紀にわたってAI技術「NEC the WISE」に取り組み、現在はIoT技術との融合により、様々な業種のお客様と共にビジネス変革の可能性を追求している。人を超える繊細さとスピードで様々な兆しを捉える自動認識、大規模で複雑なシステムのホワイトボックス型自動最適化など、世界No.1/Only oneのAI技術で実現するデジタルトランスフォーメーションの可能性を事例と共に紹介しながら、皆様と共に鉄鋼業の生産プロセスイノベーションなどへの応用可能性を探る。 5)超成熟社会に向けたクルマの知能化井上 秀雄 日本は、超成熟社会を迎え,多くの課題を抱えている。自動車産業においても,高齢社会,交通渋滞,交通事故などの課題を解決し,豊かな活力ある社会を築いていくことが重要である。又,ICT,ITSなどの技術発展も目覚しく,自動車にも,情報通信技術、エレクトロニクス技術はなくてはならないものになっている。このような背景をもとに,単なる自動運転ではなく,安全の進化の観点から,クルマの知能化の方向性に言及する。特に「情報モデルと物理モデルを融合したリスク予測」「人とクルマの関係に革新を齎すShared Control」等の運転知能技術について,そのプロジェクトと技術内容を示す。 6)適応的エリアセンシング手法を用いた知能化設備異常診断玉置 久 国内製鉄所の老朽化進行に対して、基盤インフラ設備は極めて数多くかつ広域にわたって存在するため、部分的なモニタリングと人に依存した判断だけでは設備の安定稼働を支えるに十分ではなく、メンテナンス不足に起因したトラブルは根絶できていないのが現状である。このような背景のもと、計測・制御・システム工学部会で推進中の研究会「適応的エリアセンシング手法を用いた知能化設備異常診断」では、製鉄所の安定稼働・レジリエンス向上を目指し、高度なセンシング画像をベースとした大量データをもとに、人が見つけるのが困難な異常部位・異常状態の診断システムをテーマに研究開発を進めている。本講演では、この研究会の狙いと進捗・成果を中心に活動内容を紹介する。 4. 事前申込み:不要 5. 参加費(税込,テキスト付) 会員8,000円,一般15,000円,学生会員1,000円,学生一般2,000円 注)会員割引は個人の会員のみ有効です. 協賛団体の個人会員,学生会員も含みます.受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい. ★テキストは,講座終了後残部がある場合,鉄鋼協会会員価格,一般価格で販売いたします. テキスト購入のお申込みは,本会HPをご覧下さい.
(会場案内)
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