材料の組織と特性部会「水素脆化の基本要因と特性評価」研究会主催 最終報告会「水素脆化の基本要因と特性評価研究会」開催案内
本研究会は2015年度に発足し、各種金属組織(焼戻しマルテンサイト鋼、TRIP鋼、超微細粒鋼、ステンレス鋼、純鉄など)、各強度レベル(降伏強さ200-2000MPa級)、様々な負荷モード(一定歪み、一定応力、繰り返し応力)などの各種要因を対象とし、特に潜伏期を含めた水素脆化の進行過程において材料内で生じる現象を新たな実験・解析手法および計算科学を用いて、原子スケールからの理解に取り組んで参りました。本最終報告会では、本研究会で得られた3年間に及ぶ活動成果を主体としながら、今後の展開を見据えた総括的な討論も実施する予定です。水素脆化に及ぼす組織、強度、負荷モードなどの基本要因とその特性評価に関わる最先端の研究成果を共有化し、理解を深め、水素社会の到来に伴って科学的および工学的な重要度が益々増加している水素脆化研究に残された課題、更には今後の新しい展開について、皆様と議論していきたいと思います。 1.主催:(一社)日本鉄鋼協会 2.協賛:(公社)自動車技術会、(公社)石油学会、(一社)表面技術協会、(公社)腐食防食学会、(一社)日本機械学会、(一社)日本鋼構造協会、(公社)日本材料学会、(一社)日本塑性加工学会、日本ばね学会、(公社)電気化学会 3.日時:2018年9月6日(木)10:00-17:00、 9月7日(金)9:30-17:004.場所:上智大学四谷キャンパス 6号館4階6-410教室 5.プログラム: 第1日(9月6日) 9:30- 受付 10:00-10:10 開会の辞、研究会の全体概要 第1部 新たな実験・解析手法を用いた水素脆化研究最前線 【座長:瀬沼武秀(岡大)】 10:10-10:40 焼戻しマルテンサイト鋼における水素脆性割れ発生起点と破面の結晶学的特徴 ○高井健一、鈴木啓史、土信田知樹、萩原行人(上智大)、黒川亜美(上智大院、現:ブリヂストン)、安川昂志(上智大院、現:古河電工) 10:40-11:10 変態誘起水素脱離の検出:TRIP鋼の例 ○小山元道(九大)、高井健一(上智大)、北條智彦(東北大)、秋山英二(東北大)、津﨑兼彰(九大) 11:10-11:40 水素中微小曲げ試験による水素脆化評価 ○富松宏太、千田徹志、網野岳文、小此木真、大村朋彦(新日鐵住金) 11:40-12:10 高圧水素ガス中におけるBCC鋼の疲労き裂進展加速メカニズム ○小川祐平(九大),Domas Birenis(オスロ大),高桑脩(九大),山辺純一郎 (福岡大),松永久生(九大) 【昼食】 【座長:松本龍介(京大)】 13:00-13:30 陽電子消滅分光法を用いた鉄鋼材料中の原子空孔に捕獲される水素の定量評価 ○佐藤紘一、近藤耀平、駒崎慎一(鹿児島大学)、徐虬(京大原子炉) 13:30-14:00 純鉄中の水素ひずみ誘起空孔の形成・消滅挙動と力学特性との関係 ○高井健一、鈴木啓史(上智大)、池田亜梨紗(上智大院、現:新日鉄住金)、松本優也(上智大院、現:トヨタ自動車) 基調講演 14:00-14:30 空孔の増殖・成長による破壊メカニズム 〇南雲道彦(早大) 【休憩】 第2部 計算科学を用いた水素脆化研究最前線 【座長:武富紳也(佐賀大)】 14:50-15:20 純鉄における空孔クラスターの形成・解離と脆化との関係 ○松本龍介(京大)、佐野千畝(京大院)、武富紳也(佐賀大) 15:20-15:50 水素ひずみ誘起空孔を含む焼戻しマルテンサイト鋼の水素昇温脱離曲線のシミュレーションの試み ○海老原健一(JAEA)、斎藤圭(上智大、現:日産自動車)、高井健一(上智大)15:50-16:20 高圧水素ガスに曝露された鋼材中への水素侵入に関する実験およびシミュレーションによる研究 ○長尾彰英(JFEスチール)、甲賀淳一郎(高度情報科学技術研究機構、現:アスムス)、髙木周作(JFEスチール)、小野裕己(RIST)、石川信行(JFEスチール)、手島正吾(高度情報科学技術研究機構)16:20-16:50 粒界水素脆性における原子間凝集エネルギー低下 ○山口正剛(原子力機構) 16:50-17:00 総合討論1 第2日(9月7日) 9:00- 9:30 受付 第3部 各種材料の水素脆化メカニズムに関する研究最前線 【座長:秋山英二(東北大)】 9:30-10:00 破壊形態が異なる焼戻しマルテンサイト鋼の水素起因破壊強さの水素量・引張速度・温度依存性比較 ○高井健一、鈴木啓史(上智大)、小川吉平(上智大院、現:東京ガス)、松本優(上智大院)、竹内陽祐、渡辺正満(NTT)、岡村司、岩永健吾(ネツレン)10:00-10:30 マルテンサイト鋼の水素脆性破壊におよぼす応力・ひずみ・水素集積の影響 ○柴田曉伸(京大) 10:30-11:00 マルテンサイト変態に伴う水素脆性機構 ○横山賢一(九工大) 11:00-11:30 γ系ステンレス鋼の加工誘起ε変態と水素脆化 ○秦野正治(新日鐵住金ステンレス)、久保田佳基、森茂生(大阪府立大) 11:30-12:00 燃料電池自動車関連の高圧水素貯蔵における材料利用 ○横川清志(産総研) 【昼食】 【座長:大村朋彦(新日鐵住金)】 13:00-13:30陽電子からみたオーステナイト系ステンレス鋼の水素脆化因子 ○秦野正治、松本和久(新日鐵住金ステンレス)、小松あかり(千葉大院工、現:トヨタ自動車)、藤浪真紀(千葉大院工) 13:30-14:00 SUH660の水素及び大気雰囲気での低ひずみ速度引張試験特性 ○福永明彦(JXTGエネルギー) 14:00-14:30 純鉄におけるキャビティ挙動と転位組織への水素の効果: TEM による研究 ○荒河一渡、蔭山彰良(島根大院総合理工)、松本優也(上智大院、現:トヨタ自動車)、高井健一(上智大) 【休憩】 第4部 耐水素脆化に関する新たな知見最前線 【座長:長尾彰英(JFEスチール)】 14:50-15:20 巨大ひずみ加工による純Feの結晶粒微細化挙動に及ぼす水素の影響 ○戸高義一、足立望、佐藤宏和(豊橋技科大) 15:20-15:50 TRIP型ベイニティックフェライト鋼の耐水素脆化特性に及ぼすひずみ速度の影響 ○北條智彦(東北大)、鵜飼優子(住化分析センター)、秋山英二(東北大) 15:50-16:20 ショットピーニング処理を施した焼戻しマルテンサイト鋼の水素脆化挙動に及ぼす水素添加方法の影響 ○河盛誠、漆原亘 (神鋼)16:20-16:50 マルテンサイト鋼の耐遅れ破壊性に及ぼす添加元素の影響 ○瀬沼武秀(岡大) 16:50-17:00 総合討論2 6.参加費:無料(資料は当日会場で配布、事前申し込み不要、会場に直接にお越し下さい)
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