鉄鋼プレゼンス委員会 歴史を変える転換技術研究フォーラム「第40回 歴史を変える転換技術研究会」開催のお知らせ
製鉄技術に計測と制御がどのように影響してきたのかについて研究します。多数の方々にご参加頂き活発な討論をお願い申し上げます。(前回から参加費制となりました(1,000円)) テーマ:鉄鋼業の革新に貢献した計測と制御技術(その2) 1.日時:2017年7月24日(月)13:00~17:00 2.場所:(一社)日本鉄鋼協会 第1+2会議室:鉄鋼会館5階 (中央区日本橋茅場町 3-2-10) 3.講演スケジュール: 13:00-13:15 はじめに、講師紹介 座長 13:15-14:45 「高炉操業の炉内解明と炉内制御技術の進展の転換期」 松崎 眞六氏(新日鐵住金株式会社 プロセス研究所 製銑研究部) 14:45-15:00 質疑応答 15:00-16:30 「高級鋼の高能率生産を実現した和歌山新製鋼工場のプロセスとその制御」 戸﨑 泰之氏(元住友金属工業 副社長) 16:30-17:00 全体討論 4.内容: 松崎眞六氏:高炉操業の自動制御は長い間、高炉技術者の夢であるが、まだ叶わぬ夢である。 しかしながら、長年高炉の自動制御に向けて、炉内の温度やガス成分を測定するための様々な検出端の開発、高炉操業に関わるデータベースの整備、エキスパートシステムなどの制御システムの開発が行われてきた。 また制御の根幹となる高炉炉内の可視化についても、高炉の吹き止め時に実高炉の解体調査が行われ、加えて様々な数学モデルの開発が行われてきた。その大きな契機となったのは高度経済成長とオイルショックであった。高度経済成長期には当時の最先端の計算機技術を駆使し、設備や作業の自動化を進め、オイルショック時にはオイルから石炭への羽口吹き込み還元材の転換と、コスト削減のためのコークス比の低減のため、検出端や制御技術の開発、炉内解明を進めてきた。 報告者もその後に高炉操業の自動化のための開発の一端を担ってきたが冒頭に述べたようにまだ十分には進んでいない。過去の事例も踏まえながら、高炉の炉内の可視化、制御技術ついてその進展について概説する。 戸﨑泰之氏:高炉一貫メーカー、電炉メーカーを問わず鋼の成分と品質(特に内質)の大本は製鋼プロセスで決定される。1960年代から70年代に掛けて我が国では大型臨界製鉄所が連続して建設され、並行して鋳造プロセスの連続鋳造化に邁進した。 更に拡販対策として鋼の高品質化対策を実行し、国際的な競争力を強化した。その結果、中国が飛躍的に生産能力を高めた今日でも品質面での国際競争力を有している。その基盤をなしているのは製鋼プロセスの機能分化である。 すなわち今日、高炉一貫メーカーで標準となっている「溶銑予備処理(脱硫、脱珪、脱りん)- 脱炭転炉-取鍋精錬(真空処理、清浄化)」プロセスである。 その実現に際しては当初既存の工場に新機能設備を段階的に付加したため、工場内の物流が複雑化するなどの難点も露見した。 そこで住友金属工業㈱和歌山製鉄所では理想的な設備配置の新しい製鋼工場を建設し、 1999年に稼働した。この製鋼工場では、高純度高清浄度の高級鋼を世界最速の能率で生産出来、収益向上に貢献している。 勿論コンピューターによるプロセス制御もフルに活用しプロセスの安定化、生産性の向上をはかっている。本報告では新製鋼工場建設の背景、思想及び工場の概要とその効果を紹介し、プロセス制御については特に進歩の著しい連続鋳造を含め付言する。 明記の上、下記宛お申込み下さい。当日参加も受け付けます。
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