現在,鉄鋼プロセス制御の分野では,蓄積された大規模操業データの活用,データクレンジング,人間を含む複雑系の同定・異常検知・制御といった「データ」を主軸とした取組みが注目を集めています.また,鉄鋼プロセス自体が大規模であるが故に,各計測データをネットワークを介して有機的に取り扱うことも求められています.今年度から活動を開始した制御フォーラム「データサイエンスで挑む鉄鋼プロセスのモデリングと制御」では,鉄鋼プロセスにおけるデータ活用において,データの本質的情報や疎構造に着目したスパースモデリング,ネットワークデータの通信に基づくマルチエージェント系の制御と解析,データを直接活用した制御器の設計・更新,機械学習などに基づく特性解析や動特性のモデリングなど,IoT時代の制御に相応しい「データ」をプラットフォームとする数理的な切り口で取組むことを主眼としています. 第1回公開フォーラムでは,最先端技術「圧縮センシングとスパースモデリング」の研究において,第一線でご活躍されている先生方をお招きし,基礎から応用事例までわかりやすく解説いただきます.通信分野,省エネルギー制御,システム同定など具体的対象に対する応用の考え方をご紹介いただくことで,鉄鋼業での今後の活用に向けた一助にしていただければと考えております.多くの皆様のご参加をお待ちしております.
1.主 催: | 日本鉄鋼協会 計測・制御・システム工学部会 制御フォーラム | 2.協 賛: | 調整中 | 3.日 時: | 2017年1月23日(月)13:00~16:00 | 4.場 所: | 新日鐵住金(株) 尼崎研究開発センター1号館3F大会議室 (〒660-0891 兵庫県尼崎市扶桑町1-8、
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5.プログラム |
| 13:00~13:10 | フォーラム紹介 |
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| 座長・主査 金子修(電通大) |
| 13:10~14:00 | 圧縮センシングの基礎とその通信応用 |
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| 林和則(京都大) |
| 圧縮センシングは,スパースな未知ベクトルをその見かけの次元よりも少ない線形観測から再構成するための理論的な枠組みである.圧縮センシングが誕生してからおよそ10年が経過し,様々な分野のシステムへの応用が本格的に検討されつつある.本講演では,圧縮センシングの基本的な考え方と通信分野の問題への応用事例について解説する. |
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| 14:00~14:50 | 動的スパースモデリングによる省エネルギー制御 |
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| 永原正章(北九州市立大) |
| 圧縮センシングのアイデアを動的システムに拡張したものを動的スパースモデリングと呼ぶ.動的スパースモデリングは,講演者らによって近年,世界に先駆けて提唱された新しい制御手法である.動的スパースモデリングで議論されるスパースな制御とは,制御目標や制約を達成すると同時に,なるべくアクチュエータを動かさないという制御である.アクチュエータを休止させる時間を最大化することにより,その時間区間で燃料消費やCO2排出,騒音などが抑えられ,まさに省エネルギーのための制御であると言える.本講演では,この新しい制御手法について,基礎からわかりやすく解説する. |
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| 14:50~15:00 | 休憩 |
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| 15:00~15:50 | 行列ランク最小化による信号修復とシステム同定への応用 |
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| 小西克巳(工学院大) |
| 圧縮センシングを実現する手法の一つに行列ランク最小化と呼ばれる方法がある.行列を設計変数としたときに,その行列ランクが最小となるような行列を求める方法である.本発表では,行列ランク最小化について説明し,システムの一部の信号が観測できないときに,観測できなかった信号を修復する信号修復手法について紹介する.さらに,これらの手法を応用し,僅かな観測信号からシステムのモデル化を行うシステム同定手法について紹介する. |
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| 15:50~16:00 | 総合討論 |
6.定 員: | 40名 | 7.参 加 費 : | 無料 | 8.参加申込: | 事前にE-MAIL で氏名・勤務先・連絡先 を明記の上,下記参加申込み先までお申し込み下さい. | 9.申込期限: | 2017年1月13日(金) |
申込・問合わせ先:
新日鐵住金(株) 技術開発本部 プロセス研究所 鋼管プロセス研究部 岸真友
TEL. 06-7670-8639 E-mail: kishi.sa9.masatomo@jp.nssmc.com |
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