「中性子線を利用した鉄鋼組織解析―さらなる挑戦―」~研究会I「小型中性子源による鉄鋼組織解析法」最終報告シンポジウム~
評価・分析・解析部会 研究会I「小型中性子源による鉄鋼組織解析法」は2013年のFS研究会をその出発点として2014-2016年度の3年間、北海道大学小型中性子源HUNS, 理研小型中性子源RANS, 京都大学原子炉実験所KURの3か所を拠点とし、鉄鋼4社ならびに中性子鉄鋼研究者により、小型中性子源が、どこまで「鉄鋼材料開発の日常利用」として活用できるか、という視点を中心として活動を展開してきた。中性子小角散乱手法による析出物、介在物の形状ならびに定量評価、中性子イメージング法による塗膜下鋼材内部腐食と関係する水の動き可視化評価、中性子回折法による変形前後での集合組織評価ならびに残留オーステナイト相分率の定量評価、などがメイン課題として取り組んできた。さらに小型線源と大型施設の相互利用、また、小型線源から発したニーズに立脚する中性子線による評価法をもとにした小型から大型施設利用への発展、などがある。 さらには、鉄鋼材料を傷めず、その場で即バルク観察できる中性子線による鉄鋼組織評価と、研磨等の材料準備を経て観察するX線、電子線を利用した従来評価法結果との比較への挑戦も、本研究会のみならず、他プロジェクトとの協力により踏み込むことが可能となった。 小型中性子源による小角散乱手法では大型装置と同等の結果を数時間で得られることが示され、さらに、複相鋼板などのオーステナイト相分率は数時間計測により2%未満の精度が得られている。この研究会の実績をさらに多くのニーズに応えられる形に発展させるための、挑戦を本シンポジウムでは議論したい。 1.日時: 2017年3月16日(木) 9:30~16:50 2.場所: 首都大学東京 南大沢キャンパス 6号館4階401教室 (日本鉄鋼協会第173回春季講演大会第17会場) 3.プログラム: 09:30~10:10 「小型中性子源RANSの挑戦」 大竹淑恵(理研) 10:10~10:50 「腐食とさらなる挑戦」中山武典(神鋼) 10:50~11:30 「北大中性子源の成果と挑戦」大沼正人(北大) 11:30~12:00 「小型中性子線源小角散乱を用いた鋼中微細析出物評価」仲道治郎(JFE)・名越正泰(JFE)・大沼正人(北大) 13:30~14:10 「京大原子炉をベースとした挑戦」大場洋次郎(京大)・杉山正明(京大) 14:10~14:50 「萌芽ワーキンググループの成果と挑戦 〜小型中性子源における回折計の構築〜」鈴木裕士(原子力機構)・戸高義一(豊橋技科大)・池田義雅(理研) 14:50~15:30 「塗膜下腐食と水の動きの定量化への挑戦」竹谷 篤(理研) 15:30~15:40 休憩15:40~16:20 「鉄鋼の組織と特性研究における中性子線計測利用の挑戦課題 -小型・大型中性子源と種々な計測方法-」 友田 陽(物材機構) 16:20~16:40 「「鉄鋼のミクロ組織要素と特性の量子線解析」研究会への新たな展開」佐藤成男(茨城大) 16:40~16:50 「まとめ討論 ―小型中性子源、大型施設 手元利用と詳細解析への挑戦」4.参加費: 無料 ※資料(講演概要)は当日会場で配布,事前申込み不要。 ※シンポジウムのみに参加する場合,鉄鋼協会受付にお立ち寄りいただく必要はありませんので, 直接シンポジウム会場へお越し下さい。 5.問い合わせ先: 大竹淑恵(理化学研究所) E-mail: yotake@riken.jp |