高温材料はエネルギー産業において重要な構造材料です。また、高温材料は航空機などの輸送機器にも多く使われています。この材料の耐熱温度が上がるほどエネルギー効率は上がりますが、靭性が足りなかったり欠陥があったりするとボイラーやエンジンが破壊し大事故につながります。そのためこのような高温材料には靭性に優れる金属がよく使われています。今回はこのような高温用金属材料の基本から最近の利用のされ方まで幅広く御講演をいただきます。
主催 | 日本金属学会・日本鉄鋼協会 中国四国支部 | 共催 | 島根県, 島根大学 たたらナノプロジェクトセンター | 日時 | 2017年10月20日(金)13:00~17:00 | 場所 | くにびきメッセ 401会議室 〒690-0826 島根県松江市学園南1-2-1 |
プログラム
13:00~13:05 | 開会の挨拶 島根大学 森戸 茂一 | 座長 島根大学 森戸 茂一 | 13:05~13:15 | 「特殊鋼産業クラスター高度化推進事業について」
島根県商工労働部産業振興課 産業クラスター育成スタッフ 調整監 中澤 信善 | 13:15~14:05 | 「金属における格子欠陥の高温挙動の透過型電子顕微鏡法による研究」
島根大学 荒河 一渡 講演内容: | 本講演では、格子欠陥の高温挙動の抽出の例として、タングステンにおける原子空孔の異常挙動の透過型電子顕微鏡法による研究について紹介する。また、格子欠陥の高温挙動を利用した金属材料の高性能化の取り組みとして、「高エネルギー転位」による鉄の新たな強化機構開拓の試みについて紹介する。 |
| 14:05~14:55 | 「高窒素フェライト綱の創製と高温強度」
九州大学 中島 英治 講演内容: | 窒化物を微細分散させることを主な目的とした高窒素フェライト綱を加圧ESR、高圧溶解、一方向凝固で作成し、実用耐熱鋼を凌駕する合金設計を行い、クリープ特性を評価した。その結果、開発した高窒素鋼が現在開発されているフェライト綱の高温強度よりも、はるかに優れていることが明らかとなった。本講演では高窒素フェライト綱の耐酸化特性についても述べる。 |
| 14:55~15:10 | 休憩 | 座長 島根大学 大庭 卓也 | 15:10~16:00 | 「航空機に使われる耐熱Ti合金の開発史と最近の研究」
物質・材料研究機構 御手洗 容子 講演内容: | Ti合金は軽量で高強度、優れた耐熱性から航空機のランディングギアやエンジン圧縮機のディスクやブレードとして使われている。エンジンに使われているTi合金を中心に、その開発史を紹介するとともに、NIMSで行なっている耐熱Ti合金研究の紹介や、NIMSが参加しているSIP「革新的構造材料」プロジェクトでのTi合金の研究についても紹介する。 |
| 16:00~16:50 | 「航空機エンジン用TiAl合金と三次元積層造形」
大阪大学 安田 弘行 講演内容: | 近年、航空機エンジン用の耐熱材料として研究開発が加速しているTiAl合金と、その新しい製造法として注目されている三次元積層造形、いわゆる3Dプリンタについて概説する。 |
| 16:50~17:00 | 閉会の挨拶 島根大学 大庭 卓也 |
参加申込 | 氏名・所属・連絡先(E-mail アドレス)を明記のうえ、9月28日迄にE-mailで下記の申込先へお申込下さい。 | 参加費 | 無料 ※下記の工場見学会に参加される場合は、島根県の旅費規程に基づき交通費及び宿泊費が支給されます。(概ね10名程度) ※希望者多数の場合は、次の優先順となりますのでご了承ください。 ①島根県からの推薦がある者 ②中国地方(島根県を除く)に所在する大学等に所属する者
記 ○特殊鋼関連企業工場見学会 ・日時:平成29年10月21日(土)8:30 ~ 12:30 ・日程:7:50 松江駅発(送迎バス) 8:30 ~ 12:30 工場見学 【見学先】 ・株式会社日立メタルプレシジョン ※世界シェア30%を誇るターボチャージャー用タービンホイール等、ロスト ワックス精密鋳造品やMIMは様々な分野で利用 ・株式会社キグチテクニクス(航空機参入を目指す「SUSANOO」の代表企業) ※金属全般の各種試験を行う専門企業として、国際認証(Nadcap等)や 世界的企業(ゼネラル・エレクトリック等)の認定を取得 ・秦精工株式会社(「SUSANOO」参画企業) ※長年培われた特殊鋼加工の技術を武器に、三菱重工業等の航空機産業のリー ディングカンパニーとの取引を開始 12:30 見学先工場発(送迎バス) 13:10 松江駅着
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| 申込・問合先 | 島根大学大学院 総合理工学研究科 森戸 茂一 TEL:0852-32-6398 E-mail:tatara@riko.shimane-u.ac.jp | アクセス | くにびきメッセHP(http://www.kunibikimesse.jp/)をご覧ください。 |
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