日本鉄鋼業において,プロセス自動化,製品高品質化に対して計測・制御・システム分野が果たしてきた役割は非常に大きい.しかし時代とともにその課題も変遷しつつあり,フルオートメーション化困難なプロセルの操作において,人とコンピュータが協調しながら人が持つ能力を有効に活用するという概念も生まれ,2016年2月まで3年間の制御フォーラムにおいて検討してきた.さらに近年の大きな潮流であるデータサイエンス分野は制御系設計にも質的向上をもたらす可能性があり,また単一装置の制御から群制御への役割拡大、遠隔からネットワークを介した制御系実装など,制御系の役割・実現形態も多様化してきており新たな課題も生まれている。今回,制御フォーラムの今後の方向性含めた,計4件の取組みをご紹介いただき,鉄鋼業にかかわる方々と議論できればと考えております.
1.主催: | (一社)日本鉄鋼協会 学会部門 計測・制御・システム工学部会/生産技術部門 制御技術部会 | 2.日時: | 平成28年6月15日(水) 13:00~16:30 | 3.場所: | 神戸国際会館 8階 セミナーハウス805号室 〒651-0087 神戸市中央区御幸通8-1-6 TEL: 078-230-3196(8Fセミナーハウス係) http://www.kih.co.jp/access | | |
| |
|
|
| |
|
| 4.プログラム
| 座長:浅井 徹(名古屋大学) | 13:00~13:05 | 開会の挨拶とシンポジウム趣旨説明 |
| 浅井 徹(名古屋大学) | 13:05~13:55 | 制御フォーラム「人と協調する制御系を考えるフォーラム」終了報告 |
| 浅井 徹(名古屋大学) | 2013年3月にスタートした制御フォーラム「人と協調する制御系を考えるフォーラム」が2016年2月に終了した.本講演では3年間で行われた講演や議論などの活動内容を報告する.また,フォーラム活動と並行して行われた研究会提案の議論の推移と,2015年に採択された研究会提案の紹介を行う. |
|
| 13:55~14:15 | 新制御フォーラム「データサイエンスで挑む鉄鋼プロセスのモデリングと制御」紹介 |
| 金子 修(電気通信大学) | 蓄積された大規模操業データの活用,データクレンジング,人間を含む複雑系の同定・異常検知・制御といった,データを主軸とした鉄鋼プロセスにおける諸課題に対し,疎モデリング,ネットワークデータの通信に基づくマルチエージェント系の制御,データを活用した制御など,IoT時代に相応しい「データ」をプラットフォームとする数理的な切り口で取組むことを主眼とした新制御フォーラムが2016年度にスタートする.ここでは,そのコンセプトと大まかな活動計画を紹介する. |
|
| 14:25~15:15 | マルチエージェントシステムのブロードキャスト制御
~ 確率的制御器による大規模システムの機能発現 ~ |
| 東 俊一(京都大学) | 標準的なマルチエージェントシステムの制御問題では,エージェント同士が局所的な情報交換を行う状況が想定され,群全体に大域的な目的を達成させることが考えられていた.一方,これとは異なり(エージェント同士の情報交換が無い状況で),すべてのエージェントに同一のメッセージをブロードキャストすることで,大域的目的の達成が必要とされる場合もある.このような制御は,「ブロードキャスト制御」と呼ばれ,大規模系のための次世代制御技術として近年注目が集まりつつある.本講演では,このブロードキャスト制御の実現にあたって,人為的に確率要素を含ませた制御器(確率的制御器)の利用が不可欠であることを示し,その具体的な構成法に関して解説する.また,ブロードキャスト制御の応用例も紹介する. |
|
| 15:15~16:05 | 公開鍵暗号方式を用いた制御則の秘匿化 |
| 小木曽 公尚(電気通信大学) | ネットワーク化された制御システムでは,通信路に対する盗聴対策だけでなく,様々な重要な信号が集まる制御器へのセキュリティ対策も重要である.たとえば.不正アクセス等により制御器内部の情報が外部から監視可能な状況になると,制御系の運転情報やレシピの盗窃,制御対象の特定や破壊などが可能になる.そこで本講演では,我々が提案している,公開鍵暗号方式を用いた制御則の秘匿化法を紹介し,乗法準同型性を応用した線形制御則の暗号化およびその効果について解説する. |
|
| 16:05~16:30 | 総合討論 |
|
| 5.定員: | 50名 | 6.参加費: | 会員2,000円,非会員3,000円(消費税込) *当日受付でお支払い下さい. *但し,第155回制御技術部会参加者は会員扱いとなります. | 7.参加申込: | シンポジウムへ参加される方は,事前にE-mailで氏名・会員番号(非会員の方は不要)・勤務先・所属・住所・電話番号・E-mailを明記の上,下記事務局までお申し込み下さい.なお,定員内であれば申込受付の確認の連絡は致しませんのでご了承下さい. | 8.申込期限: | 2016年6月6日(月) |
申込・問合わせ先: (一社)日本鉄鋼協会 学術企画グループ 平沢 E-mail:hirasawa@isij.or.jp TEL.03-3669-5932 |
|