茨城県中性子利用促進研究会 平成27年度集合組織分科会(申込締切日:2016年12月14日)
主催:茨城県中性子利用促進研究会 共催:中性子産業利用推進協議会 (一財)総合科学研究機構(CROSS東海) 日本鉄鋼協会研究会I「小型中性子源による鉄鋼組織解析法」 「鉄関連材料のヘテロ構造・組織の解析研究」フォーラム 「材料の微視的集合組織の解析と制御」自主フォーラム 協賛:J-PARC/MLF利用者懇談会 日時:平成27年12月15日(火)13:00-17:00 場所:研究社英語センター大会議室 (最終頁の<会場へのアクセス>をご参照ください) 〒162-0825 新宿区神楽坂1-2 TEL03-3269-4331 http://www.kenkyusha.co.jp/modules/11_meetingroom/index.php?content_id=1 テーマ:中性子による集合組織研究の現状と展望 -iMATERIAにおける集合組織解析への展開- 趣旨: 自動車の軽量化を牽引する高張力鋼板開発を始めとして金属材料の高性能化には,高精度な組織配向制御が重要であり,これら集合組織の迅速かつ高精度な測定手法が益々必要となっている.こうした必要性に応えるべく,茨城県材料構造解析装置「iMATERIA」では,中性子回折による集合組織解析を重点課題に取り上げ,金属材料中の相分率や集合組織の測定を迅速かつ簡便にできる手法を開発中である.また,これらの測定技術を広く産業界でご利用いただくため,平成26年度から茨城県中性子産業促進研究会に集合組織分科会を立ち上げた.今回はその第1回として,集合組織測定の重要性,および放射光などの量子ビームによる集合組織研究における中性子の特長を説明するとともに,iMATERIAにおける集合組織解析の現状を紹介する. プログラム 13:00-13:05 開会挨拶 分科会代表 佐藤成男(茨城大) 13:05-13:20 iMATERIAの産業利用の状況 林眞琴(茨城県) iMATERIAにおける産業利用課題の統計データと利用成果を紹介する. <チュートリアル> 13:20-14:00 集合組織の制御の重要性とその解析技術 井上博史(大阪府立大) 結晶方位は材料特性に影響を及ぼす重要な因子であり,多結晶材料ではその統計的分布を表す集合組織が材料の異方性を決定する.例えば,集合組織と板材成形性の間に相関があり,優れた成形性を有する金属板の製造には集合組織の制御が不可欠である.本講演では,集合組織制御によりアルミニウム合金板の深絞り性を向上させた例を紹介するとともに,材料特性予測・評価のための結晶方位分布関数(ODF)による集合組織解析について述べる.ODF解析法として級数展開法を中心に説明する. 14:00-14:40 iMATERIAによる集合組織解析および相分率測定技術の現状 小貫祐介(茨城大) iMATERIAの装置グループは,鉄鋼・非鉄製造業界においてニーズのある集合組織測定手法の開発を行ってきた.多数の検出器を広い散乱角に有し,かつ,飛行時間法による分光が可能なiMATERIAでは,効率的な観測点と解析条件の設定によって,鉄鋼材料では10分程度で従来法に匹敵する定量的な集合組織の測定が可能になった.この結果,集合組織による回折強度の変化を考慮した相分率決定も行えるようになった.本講演では,集合組織解析および相分率測定技術の現状を紹介する. <量子ビームによる集合組織研究> 14:40-15:10 中性子による集合組織解析とiMATERIAへの期待 富田俊郎(日鉄住金テクノロジー) 鉄鋼における集合組織解析は,主に深絞り用鋼板の開発に代表される鋼材の加工性の向上,並びに,電磁鋼板の開発に代表される磁気特性の向上を目的とした研究分野で用いられ,それらの製品の特性の向上と共に発展してきたと言える.この半世紀で鉄鋼材料も軟鋼からハイテン,電磁用鋼でも更なる電気機器高効率化への大きな動きが見られる.本講演では,鉄鋼材料の将来の研究における集合組織解析の位置付けと,そこから見たiMATERIAによるパルス中性子回折への期待について述べる. 15:10-15:25 休憩 15:25-15:55 フェライト鋼のひずみ時効硬化における異方性について 鈴木徹也(茨城大) ひずみ時効硬化は鉄鋼材料の強度を高める利点があるとともに,均一伸びの減少など材料特性に好ましくない影響を与える場合がある.そのため,実用的な使用条件に応じ,製造時のプロセス設計が重要となる.また,低炭素鋼では予ひずみ方向と時効硬化後の力学的特性に相関があることが知られている.本講演では上記のひずみ時効硬化の予ひずみ方向異方性の機構を考えるために,フェライト単相鋼について中性子回折を用いて結晶方位群ごとの変形挙動の差異を調べた結果を紹介する. 15:55-16:25 小型中性子源を用いた中性子回折測定による鉄集合組織の観察 池田義雅(理研) 理研では,手元で役に立つ中性子源を目指して小型加速器中性子源システムRANS:Riken Accelerator-driven compact Neutron Sourceを開発し,2013年より稼働を開始した.現在ものづくり現場での利用といった実用化を目指して,いくつかの測定システムを開発中である.当初は小型線源の統計や精度では回折測定は困難と思われ,イメージングの実験が主であったが,2014年夏より回折を用いた金属の組織観察の試みも開始し,一定の成功を収めている.ここではRANSで捉えた引っ張り圧縮変形による鉄の集合組織変化や,作成された極点図,複相鋼のFCC/BCC比の測定等を紹介する, 16:25-16:55 集合組織に対する転位の不均一形成 佐藤成男(茨城大) 金属材料の集合組織形成に伴う組織形成では集合組織成分ごとに転位が不均一に形成する場合がある.その不均一性評価への取り組みとして,次の解析事例を紹介する.1)極点図測定における回折ピークをもとにしたシングルラインプロファイル解析,2)集合組織成分に着目した2ピークラインプロファイル解析,3)CMWP法による結晶粒方位ごとの転位密度解析.また,iMATERIAでのラインプロファイル解析の確立を目指しており,その解析例も報告する. 16:55-17:00 閉会挨拶(今後の予定など) 峯村哲郎(茨城県) 交流会:17:15~19:15 近くの地ビールダイニング「ラ・カシェット」(下記<交流会場のご案内>をご参照ください)にて交流会を開催します.参加費は2,000円です.講演者と参加者のざっくばらんな意見の交換の場になります.是非ご参加ください.参加希望者は事前に登録してください.当日も受け付けます.会費は当日いただきます.なお,事前に登録されて当日キャンセルされた場合には会費を申し受けます. <参加申込み> 茨城県中性子利用促進研究会事務局 田中志穂 E-mail:tanaka@ibaraki-neutrons.jp TEL:029-352-3301 (1)名前,(2)所属,(3)連絡先(電話番号,E-mailaddress),(4)交流会への参加の有無(領収書を発行します)をご記入の上,メールにてお申込みください.取りまとめの都合上,できるだけ12月14日(月)までにご連絡をお願いいたします. <会場へのアクセス> 研究社英語センター 所在地:〒162-0825 東京都新宿区神楽坂1-2 TEL:03-3269-4331 JR総武線飯田橋駅西口徒歩約3分 東京メトロ南北線・有楽町線飯田橋駅B2a,B3出口徒歩約7分
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