ベイナイト・マルテンサイト鋼の破壊靭性に及ぼすミクロ組織因子については古くから知見が蓄積されているものの、有効結晶粒径による実験データの整理から理解はあまり深まっていない。また、Martensite-Austenite Constituentによる靭性低下もよく知られた現象であるが、その理由は不明のままである。 本研究会では、へき開破壊のミクロ現象を見直すとともに、破壊力学によるマクロ的視点と融合することにより、靭性に対する考え方を再構築することを試みて共同研究を実施した。本シンポジウムでは、本研究会の活動成果を公表するとともに当該研究分野の議論を行います。破壊・靭性研究において新たな視点が発展する場となることを期待しています。
1. 日時:2015年9月16日(水) 13:00~17:00
2. 場所:第170回秋季講演大会 第16会場 (九州大学伊都キャンパス センター2号館4階2403教室)
3. プログラム: 13:00-13:15 | 高強度鋼の破壊靭性研究会活動について:◯粟飯原周二(東京大学) | 13:15-13:40 | ベイナイト鋼の有効結晶粒と組織の関係:◯森戸茂一・大庭卓也・林泰輔・Pham Hoang Anh(島根大学) | 13:40-14:05 | MAを含むベイナイト鋼中を伝播する脆性亀裂の3D観察結果に基づく破面単位の一考察:前田健吾・◯足立吉隆(鹿児島大学) | 14:05-14:30 | 脆性亀裂を誘発する微小割れの発生の観察:◯勝田順一(長崎大学) | 14:30-14:55 | ベイナイト/MA組織鋼におけるマイクロ引張挙動の結晶塑性解析:○郭光植・眞山剛・峯洋二・高島和希(熊本大学) | 14:55-15:10 | 休憩 | 15:10-15:35 | ベイナイト鋼におけるへき開破壊破面下部組織の観察:〇田川哲哉・高山直樹・伊木聡(JFEスチール)、今村駿吾(名古屋大学(現コマツ)) | 15:35-16:00 | 加工誘起変態を考慮した結晶塑性FE解析による局所応力評価:◯堤 成一郎・Riccardo Fincato(大阪大学),寺田賢二郎(東北大学) | 16:00-16:25 | 微視機構に基いたベイナイト鋼の脆性破壊発生モデル:◯川田樹(東京大学) | 16:25-16:50 | ベイナイト鋼のへき開破壊モデリングと破壊靭性の材料組織依存性予測:○大畑充・南二三吉(大阪大学),ト シヨウ(大阪大学(現 日立造船)) | 16:45-17:00 | 総括 |
4. 参加費:無料 ※講演概要集配布予定 ※シンポジウムのみに参加する場合、鉄鋼協会受付にお立ち寄りいただく必要はありませんので、直接シンポジウム会場へお越しください。
問い合わせ先:東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 川畑友弥
電子メール:kawabata@fract.t.u-tokyo.ac.jp 電話:03-5841-6517 |
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