第221・222回西山記念技術講座開催のご案内 「鋼板圧延技術の系譜(圧延品質に影響を与える周辺技術)」
講座の視点
1. 日時・場所: 第221回 2015年6月10日(水)9:30~16:45 受付時間:8:45~15:45 大阪:(株)ラソンテ 3階会議室(大阪市淀川区宮原1-6-1新大阪ブリックビル3階) 第222回 2015年6月17日(水)9:30~16:45 受付時間:8:45~15:45 東京:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階(大会議室)(東京都新宿区大久保3-4-1) 2. プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3. 参加申込み: ①事前申込は終了いたしました。 当日領収証をお渡しします。事前申し込みは5月29日(金)までです。 事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。 ②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。 4. 参加費(税込、テキスト付): 会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生非会員2,000円 注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。 受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。 ※当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording. ★テキストは、最終講座終了後(2015年6月24日以降)残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 [(株)OCS連絡先]TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp
(会場案内)
[講演概要] 5. 講演内容: 1)「板圧延におけるロールバイト内の変形と界面現象」(宇都宮 裕) 圧延中におけるロールと被加工材の界面の現象については未だ不明な点が多く、数値解析では表面酸化皮膜(スケール)や潤滑剤の存在は無視されて、代わりに摩擦係数や熱伝達率が経験的に仮定されることが多い。製品競争力を高めるためには、圧延材の表面性状や内部組織ならびに力学特性の予測技術を開発するとともに、表面欠陥等を防止し操業を安定化させる技術の確立が期待される。そのためには、ロールバイト中の表面起伏やスケールの変形、潤滑剤の流動、ロールとの界面を介した熱移動等を解明し、モデル化することが望まれる。本講演では、潤滑剤とスケールの挙動を中心に従来の研究成果を整理して紹介し、今後の研究と技術開発を展望する。 2)「圧延油と関連設備の変遷および潤滑制御技術の展望」(岡本 隆彦) 冷間圧延は1938年に本格的なレバースミルが、同じく1940年に最初のタンデムミルが稼働して約75年になる。その間、圧延機、圧延素材や後工程の変化、表面性状や作業環境への要求度アップに伴い、冷間圧延油とその関連設備はめざましい進歩を遂げている。冷間圧延油は当初、パーム油一辺倒だったが合成エステルの出現により必要性能に応じた設計が可能になった。一方、熱間タンデムミルも冷延と同じく1940年に稼働したが、熱間圧延油が使用されるようになったのは1960年台後半からである。冷延と同様、圧延素材やロール材質の進歩に伴い、熱間圧延油や給油装置は大きな進歩を遂げている。本講ではこれらの圧延油と関連設備の変遷および圧延油適用による潤滑制御技術の現状と展望にふれる。 3)「熱間薄板圧延用ロール開発の変遷と今後」(小田 望) 熱間薄板圧延用ロールの開発状況については、平成5年の「ロール技術の最近の動向と展望」(日立金属 若松工場 佐野義一)により一度纏められているが、その中で新しいロールとして紹介されたハイスロールは、現在世界中で広く使われ、圧延製品の品質及び生産性向上に大きく貢献している。本講座ではそのハイスロールを中心に、熱間薄板圧延用ロールのその後の開発材質、構造について紹介し、その特徴と課題について考察する。また、圧延事故の影響でハイス化が困難な仕上げ後段用ロールには現在もグレンロールが使用されているが、その改善状況、今後の開発傾向についても紹介する。 4)「冷延薄板圧延用ロール開発の変遷と今後」(武田 貴宏) バブル経済の崩壊に伴い、国内の鉄鋼生産は大量生産プロセスから高効率・高付加価値技術へと舵を切った。それに伴い、鋼板の硬質化、高強度化あるいは表面品質向上の観点から、冷間圧延用ロールに更なる高性能化が求められている。1990年代はロール材質の転換期ともいえる時代であり、圧延制御・潤滑油の飛躍的な技術進歩とともに、冷間圧延用ロールにおいては、従来のCr系鍛鋼からハイスロールへの転換が図られたが、研削難の為、本格的な導入には至らなかった。昨今、国内鉄鋼業においては、高付加価値、難加工性鋼板の代表である超ハイテンの安定生産が喫緊の課題であり、圧延安定性に優れたハイスロールが再び脚光を浴びている。本講演ではこれまでの冷間圧延用ロールの技術開発の歴史と要求特性および今後のロール開発の展望について報告する。 5)「スケール制御技術開発の変遷と今後」(岡田 光) 鋼材の熱間圧延は、800~1200℃といった高温で行われるため、加熱あるいは圧延中、表面に酸化皮膜(スケール)が生成する。スケールは表面疵の原因となるだけでなく、トライボロジ特性(潤滑・ロール摩耗)や熱伝導にも影響することが知られている。そのため、圧延品質の造り込みには熱間圧延工程におけるスケールの状態を把握し、それを制御することが重要である。本講座では、鋼材の酸化スケールの生成メカニズム、合金元素の影響、熱間変形特性、およびデスケーリング特性について解説する。 6)「冷却技術開発の変遷と今後」(中田 直樹) 鋼材の冷却は、材質の造り込みに不可欠な技術として古くから重要視されてきた。熱間圧延プロセスでは、従来から水冷が多用されており、製品の高強度化・高品質化、生産の高能率化などの要求が高まるとともに、高冷却速度、冷却の高精度化を実現する技術の開発が続けられてきた。これまでの研究は、冷却水量や冷却水の供給方式などに着目した冷却設備設計に関わるものが主体であったが、近年は、冷却媒体の挙動や鋼材表面性状の影響など、研究の対象が広がりつつあり、水冷時の沸騰現象をミクロ的に解明する研究も進められている。本講座では、薄板の熱延ランアウト冷却、厚板の加速冷却など、熱間圧延プロセスにおける水冷技術を中心に技術開発の変遷を紹介する。さらに、近年の研究開発の動向と今後の展望についても解説する。 |