大規模なプラントを安全に運転するために、様々な異常診断手法が開発されて実プラントへ応用されている。各診断手法は適用範囲や精度などの特性が異なっているため、複数の診断手法を組み合わせて総合的な診断結果を得ることにより、診断システム全体の適用範囲の拡大や精度向上が期待される。 本研究では異なる異常診断手法をコンピュータ化したエージェントベースの異常診断システムにおける診断結果の統合手法を検討している。ここでは、各々の診断エージェントは、診断結果とともに診断結果の正しさに対する自己評価値である確信度を出力する。そして、統合診断エージェントは診断エージェントの診断結果に対してあらかじめ学習しておいた信頼度を用いて診断結果を統合する。本手法の応用性に関して、診断エージェントは確率的に診断結果を与える前提の下で診断性能や確信度の与え方の特性を変化させ、総合診断結果の精度向上と診断エージェントの組み合わせに関する知見を得た。 |