第223・224回西山記念技術講座開催のご案内 「表面処理鋼板の技術展開」
講座の視点
1. 日時・場所: 第223回 2015年10月14日(水)9:30~16:40 受付時間:8:45~15:50 東京:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階(大会議室)(東京都新宿区大久保3-4-1) 第224回 2015年10月21日(水)9:30~16:40 受付時間:8:45~15:55 大阪:(株)ラソンテ 3階会議室(大阪市淀川区宮原1-6-1新大阪ブリックビル3階) 2. プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3. 参加申込み: ①事前申込は終了いたしました。 事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。 ②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。 4. 参加費(税込、テキスト付): 会員8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生非会員2,000円 注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。 受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。 ※当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording. ★テキストは、最終講座終了後(2015年10月28日以降)残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 [(株)OCS連絡先]TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp
(会場案内)
[講演概要] 5. 講演内容: 1) 自動車用表面処理鋼板の開発動向(池松 陽一) 自動車用鋼板は、自動車用材料の長寿命化とりわけ車体防錆強化へのニーズの高まりにより熱延、冷延鋼板から表面処理鋼板へと切り替えられてきた。特に1970年代から1980年代にかけては欧米での防錆強化要請を背景に様々な開発が進められ、耐食性に加え、加工性、溶接性、塗装性を考慮した表面処理鋼板が生み出されてきた。最近は、車体の軽量化や衝突安全性向上を目的に980MPa以上といった高張力鋼を母材とする表面処理鋼板の開発が進められている。本講座ではこれまでの自動車用表面処理鋼板の開発の流れとともに最近の開発動向について紹介する。 2) 家電用表面処理鋼板の進歩(吉見 直人) 家電用表面処理鋼板には、主に内装部品を用途とする高機能化成処理鋼板と、外装部品を用途とするプレコート鋼板がある。社会動向やニーズの変化に対応して、多機能の表面特性を有し、環境に優しい家電用表面処理鋼板が開発されてきた。これまで、高機能クロメートフリー表面処理鋼板が開発・商品化され、さらに表面機能を高めた鋼板の開発も行われている。また、クロメートフリー皮膜の防錆機構の解明も進歩してきた。これらの技術の進歩と発展を概説する。 3) 建材用表面処理鋼板の開発動向(奥 学) 建材用途では、高耐食で長寿命という観点から、従来の亜鉛めっき鋼板に代わって溶融Zn-Alめっき鋼板および溶融Zn-Al-Mgめっき鋼板の使用が急速に拡大している。建材用塗装鋼板では、遮熱性と耐汚染性に優れた鋼板の生産量が増大しており、さらなる機能性や意匠性付与のための新しい塗装技術の開発も行われている。また、建築分野でのクロムフリー化の流れを睨み、クロムを含まない化成処理鋼板や塗装鋼板の開発も進んでいる。本講演では、これらの建材用表面処理鋼板における最近の開発動向と今後の展開について述べる。 4) 容器用表面処理鋼板の最近の進歩(田屋 慎一) 19世紀初頭にフランスでぶりきを用いた缶詰の技法が発明されたことがきっかけとなり,表面処理鋼板の食品および飲料容器分野への利用が始まり既に200年以上経過している。このような容器用表面処理鋼板は、ぶりきに始まり、世界に先駆けてわが国で実用化されたECCS(Electrolytic Chromium/Chromium oxide Coated Steel)、 ECCSにPETをコーティングしたラミネート鋼板など容器の形態に合わせて様々な容器用材料が発展してきた。ここでは、これらの容器用表面処理に加えて最新の表面処理鋼板ついてその概要と特長について紹介する。 5) 溶融亜鉛めっき基礎研究の新展開(山口 周) Fe-Zn系金属間化合物(IMC)は合金化溶融亜鉛めっき(GA)被膜を構成し,現在最大の工業生量を有する最も重要なIMCと言えるが、その基礎的物性に関する信頼できる研究は意外に少ない。この複雑な組織と構造を有する合金化溶融亜鉛めっき(GA)被膜に関するコンソーシアム研究が進められ、これまでの常識を覆す新しい実験事実とこれを理解するための新概念などの大きな成果が得られており、その学理は急速に展開している。非常に強固なFe-Zn結合に基づくFe-Zn12正二十面体クラスタを主要な構成要素とするクラスタ型金属間化合物としての様々な特徴が諸物性を支配しており、様々な技術的課題に潜む本質的な問題点が明らかになってきた。本講演では、この最新の基礎研究から得られた新しい概念について概観するとともに、今後の展望について述べる。 6) 表面処理鋼板のトライボ特性(王 志剛) 表面処理鋼板は自動車車体、家電製品等に広く使用されており、そのプレス成形性は重要な課題として研究なされてきた。表面処理によるトライボ特性の変化は鋼板のプレス成形性に大きな影響を与え、成形性の劣化等の問題を惹き起こしている。本講座では、表面処理鋼板のトライボ特性評価法、摩擦特性及び潤滑機構、表面処理鋼板に適した潤滑剤と工具材料、摩擦特性と成形性との関係について紹介する。また、最近使われるようになったホットスタンピングの事例も紹介する。 7) 表面処理鋼板の腐食解析(水素脆性を中心に)(坂入 正敏) 表面処理鋼板を含めた鉄鋼材料において腐食の問題は避けることができない。更に、省エネルギー、環境保護、安全の観点から様々な分野において高強度鉄鋼材料の利用が切望されている。一方、高強度鉄鋼材料の使用に際しては、特に腐食反応により発生する水素による水素脆性(遅れ破壊)の問題を解決する必要があるため、界面に着目した水素脆性の研究が行われている。本講座では、電気化学的手法を用いる表面処理鋼板の腐食解析と腐食により発生する水素の測定について紹介する。また、水素脆化を抑制するための水素侵入が困難な鋼材表面(水素不働態表面)構築を目指して行われている最新の研究についても紹介する。 |