第219・220回西山記念技術講座開催のご案内 「材料設計を先導する物理解析技術・計算科学-活用事例と今後への期待-」
講座の視点
1. 日時・場所: 第219回 2014年11月18日(火)9:30~17:00 受付時間:8:45~16:00 大阪:(株)ラソンテ 3階会議室(大阪市淀川区宮原1-6-1新大阪ブリックビル3階) 第220回 2014年11月25日(火)9:30~17:00 受付時間:8:45~16:00 東京:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階(大会議室)(東京都新宿区大久保3-4-1) 2. プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3. 参加申込み: ②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。 4. 参加費(テキスト付): 会員 8,000円(税抜価格7,407円)、一般 15,000円(税抜価格13,889円)、 学生会員 1,000円(税抜価格926円)、学生非会員 2,000円(税抜価格1,852円) 注)会員割引は個人の会員のみ有効です。協賛団体の個人会員、学生会員も含みます。 受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。 ※当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording. ★テキストは、最終講座終了後(2014年12月2日以降)残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 [(株)OCS連絡先]TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp
(会場案内)
[講演概要] 1)「微細組織・サブナノ構造解析技術の進歩と鉄鋼材料設計」(佐藤 馨) 微細組織解析法の進歩と、それらが鉄鋼材料開発に果たしてきた事例を報告する。透過電子顕微鏡は、多様な回折コントラストを駆使した金属組織の直接観察を可能にした。電子光学系と分析機能の進歩は、今日サブÅ観察とサブナノメートル分析を実現した。走査電子顕微鏡でも多様な像情報が活用され、分析・方位解析機能も強化された。FIBとの複合化で3次元組織解析が進められている。また、アトムプローブ電界イオン顕微鏡は、3次元解析の強化とレーザ補助による対象試料の拡大で、原子レベル分析の切り札となってきた。これらの技術は、析出物、界面構造・偏析、元素分配などの基本理解を深め、高性能鉄鋼材料の設計を先導している。更に高度な組織設計に必須な、軽元素の測定、分析感度向上、化学状態分析の展望についても述べる。 2)「第一原理計算の鉄鋼材料への適用」(澤田 英明) 近年の材料開発においては、材料創成、解析評価、計算科学の連携が欠かせなくなってきている。鉄鋼材料もその流れの中にあり、計算科学が活用される場面が増えている。鉄鋼材料の特性は様々な欠陥に支配されており、鉄鋼材料の特性発現メカニズム解明や新規材料開発のためには欠陥について詳細に調べることが重要である。本講座では、鋼中の溶質原子、粒界、析出物といった欠陥に関して、第一原理計算と呼ばれる電子論からのアプローチによって、どのような情報が得られ、どういった課題解決に活用されているか、また、将来的にどのような活用が期待されるか、などについて概説する。 3)「先端結晶方位解析による集合組織・特性評価と材質設計」(潮田 浩作) 鋼材の高付加価値化と製造技術の高度化による低コスト化のニーズは国際競争力が高まる中,従来以上に高まっている。本講座では、これらを基礎から支える結晶方位解析技術と集合組織・特性評価技術および材質設計技術について、以下のような項目に焦点を当て紹介する。1) 最先端結晶方位解析手法について、特にEBSD技術を中心に紹介する。それと合わせて、計算材料科学の進歩を材料設計の観点から述べる。2) 鉄鋼材料の製造プロセスにおける凝固、加工・再結晶、粒成長、変態現象における優先結晶方位の発達について議論する。3) 鉄鋼材料の特性や品質と結晶方位との関係について事例を紹介する。4) 上記1)~3)において、鉄鋼材料開発者の立場から本分野の技術課題を述べるとともに、物理解析技術や計算材料科学への期待と展望を述べる。 4)「量子ビーム解析を活用した複相組織制御と力学特性発現の解明」(友田 陽) 複合組織制御によって強度と延(靭)性の良好なバランスが得られている。力学特性を端的明瞭に表すのは応力ーひずみ曲線であり、ミクロ組織との関係を理解するには,マイクロメカニックスモデルが有効である。そこで重要となる構成相や結晶粒の方位に依存する内部応力(相応力と粒応力)は量子ビーム回折によって測定でき、モデルの実証・改善に役立てることができるようになった。また、優れた特性を示す複合組織の形成過程も中性子小角散乱と広角(Bragg)回折によってバルク平均状況として追跡できることを説明する。 5)「3D/4D画像を用いた材料評価と組織制御」(戸田 裕之) シンクロトロン放射光トモグラフィーによる3D/4D画像は、非常にInformation-richである。歪みや局所き裂進展駆動力、化学成分などの3D/4Dマッピング、結晶組織4D可視化などにより、これまで2Dで行われていた。材料評価を3D/4Dへ拡張することができる。近年、鉄鋼材料における高分解能3D/4Dイメージングや各種応用技術の適用も可能になった。これらにより、ミクロ組織最適設計や複雑現象の解明にダイナミックかつ最短距離でアプローチできる。鉄鋼材料の疲労や延性破壊などで、従来の力学的解釈から逸脱する現実材料の不均一、不規則で確率的な挙動を解明し、新しいミクロ構造設計の指針が得られると期待する。 6)「フェーズフィールド法が先導する材料組織設計」(小山 敏幸) 従来、材料に関連する種々の部材開発期間は20年程度の長期にわたるのが通常とされてきた。しかし近年、大規模材料データベースと大量の実験データ、および最新の各分野における計算材料科学・工学の手法を縦横無尽に結びつけることにより、材料開発の圧倒的スピードアップ実現を模索する動きが活発化している。特にフェーズフィールド法に基づく材料組織シミュレーションと各種のイメージベース材料特性計算を結びつける試みが様々な分野で進められている。以上のような背景の下、本講演では、材料開発における基礎・応用の効果的連携の観点から、フェーズフィールド法に軸足を置いた材料組織設計に関する最近の多様な発展について、基礎から応用にわたり解説する。 7)「高度表面・界面解析による鉄鋼材料の表面設計」(名越 正泰) 耐食性をはじめとする様々なニーズに対応して、鉄鋼材料の表面処理技術や皮膜形成技術が精力的に研究・開発されてきた。その表面や皮膜、あるいは界面の構造および状態を微視的に把握するために、最先端の電子顕微鏡技術や表面分析技術が活用され、近年では放射光技術やその場解析技術の適用も増えている。より高い機能を有する鉄鋼表面や皮膜を設計していくためには、これらの真の姿を明らかにし特性発現の本質を理解することが益々重要になる。このことを鑑みて、本講座では表面や皮膜の設計・制御の観点から表面の分析・解析事例を整理し報告する。 |