第217・218回西山記念技術講座開催のご案内 「日本の鉄鋼の発展を支えてきた製銑・製鋼技術」
講座の視点
1. 期日・場所: 第217回 2014年 6月06日(金)9:30~17:10 受付時間:8:45~16:00 東京:東京工業大学 東工大蔵前会館1階くらまえホール(目黒区大岡山2-12-1) 第218回 2014年 6月16日(月)9:30~17:10 受付時間:8:45~16:00 大阪:(株)ラソンテ 3階会議室(大阪市淀川区宮原1-6-1新大阪ブリックビル3階) 2. プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3. 参加申込み: ①事前申込は本会ホームページからのクレジットカード決済のみでの支払いとなります。 当日領収証をお渡しします。事前申し込みは5月29日(木)までです。 事前申込の受付は終了いたしました。 事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。講座終了後、テキストをお送りします。 ②当日申込は従来通り現金のみの対応となります。 4. 参加費(テキスト付): 会員(含協賛団体個人会員)8,000円(税抜価格7,407円)、一般 15,000円(税抜価格13,889円)、 学生会員 1,000円(税抜価格926円)、学生非会員 2,000円(税抜価格1,852円) ※会員割引は個人の会員のみ有効です。本会あるいは協賛団体の会員であることを申請して下さい。 ※会員資格による参加を希望の方は、あらかじめ入会手続きを済まされますよう、お願い申し上げます。 ※当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording. ★テキストは、最終講座終了後(2014年6月23日以降)残部がある場合、鉄鋼協会会員価格、一般価格で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 [(株)OCS連絡先]TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp
(会場案内)
[講演概要] 1)低コークス比、低炭素化を基本とする高炉操業の進化-理論、操業、設備技術の進歩と寄与- (武田 幹治) 日本の鉄鋼業は、高度成長期には臨海製鉄所の建設により量的拡大を達成してきたが、高炉操業においては、大型化、高圧化、高温送風、重油吹き込みによる還元材比下限、出銑比上限への挑戦が行われてきた。その後、石油危機を契機として重油吹き込みからのエネルギー転換、低Si操業、微粉炭多量吹き込み操業、安価低品位原料使用拡大、地球環境問題対応の低炭素化操業など資源、経済、社会環境の変化に対応して、競争力を確保してきた。これらの高炉操業の変革を可能にするため、原料品質評価、微粉炭吹き込み、低Si化、装入物分布制御、高炉計測に関する理論の構築と実機化のための操業、設備技術開発に取り組んできた。本報告では、高炉での技術開発を振り返るとともに、ブレークスルーするための理論、技術とその高炉操業への寄与を総括することにより、今後の技術開発の方向性を展望する。 2)ブラックボックスから見える高炉へ-高炉シミュレーションモデルの発展と寄与-(有山 達郎) 高炉は非常に長い歴史を持つ完成度の高いプロセスである。しかし、温度領域は常温から2000℃を超え、固気液の3相が共存し、反応、伝熱、流動などの諸現象から成る複雑で不均一な反応器である。それ故、安定操業のために、高炉内の様々な情報を集め、適切な操業設計、解析を行うことが求められてきた。しかし、高炉内部を知る計測情報は非常に限定されている。よって、高炉数式モデルの研究開発、利用が重視され、高炉内現象の予測、解析、操業設計のために活用され、大きな成果を挙げ、鉄鋼技術の発展に貢献してきた。特に、近年、計算機の発達と共に高炉内をビジュアルに再現することも可能になり、高炉は今やブラックボックスではなく、見える高炉に変わってきた。本講演では数式モデル開発の歴史、特に最近の新しい離散的手法によるシミュレーションモデル開発の状況を概括する。 3)我国における入荷鉄鉱石資源の変遷と焼結鉱製造技術の進歩(肥田 行博、野坂 庸二) 資源小国日本の資源戦略として長期契約、共同購買体制、融資買鉱(鉱山開発)等によって鉄鋼業第三次合理化計画への鉄鉱石供給体制が確立された1970年代は、西豪州、伯・鉄四角地帯、印度からの高品質赤鉄鉱石を基本とする焼結鉱が高度成長期の高炉プロセスを支えた。しかし、第二次石油危機後の1980年代は一転し、長期契約の見直し、ひいては鉱石選択技術が必要となった。これを契機に、鉄鉱石の性状評価技術、更には鉱石性状を活かす焼結技術が急速に進歩し、設備の進展と一体となってその後の激しい経済的環境変化、豪州鉄鉱石の劣質化等の資源変化に柔軟に対応できてきた。本講座では、1980年以降の鉱石変化に対応する焼結技術開発の変遷について総括的に述べ、これからの焼結研究の方向に寄与すべく今後の鉄鉱石資源動向に言及する。 4)コークス炉における非微粘結炭多量使用への挑戦(野村 誠治) 資源に乏しい我が国のコークス製造技術部門では、乾燥や成型等のコークス用石炭事前処理技術を世界に先んじて開発・実機化し、安価劣質原料である非微粘結炭の多量使用を実現して、高炉法による銑鉄製造プロセスを支えてきた。近年の急激な鉄鋼生産増に伴い、コークス製造原料として世界で主に使用されてきた良質原料炭(強粘結炭)の価格が高騰し、非微粘結炭増使用技術への期待はさらに高まっている。本講座では、我が国のコークス製造プロセスの技術的優位性を支える非微粘結炭多量使用技術の開発および導入経緯について、概要を述べる。 5)ガス撹拌とスラッグ精錬を活用する取鍋精錬法(LF法)の開発-還元精錬をアーク炉から取鍋へ- (矢島 忠正) 1901年「官営 製鉄所」が操業を開始した当時、欧州では電気製鋼法(アーク炉、誘導炉)が相次いで工業化された。その直後から製鋼理論と鉄鋼材料学の進歩と共に欧米を始め日本でもこの化学的に中性な電気を熱源とする製鋼法を平炉、転炉熔鋼の仕上精錬炉(脱リン、脱硫、脱酸、成分調整等)として活用する所謂複合精錬法が誕生したのは当然の帰結であった。 第一次、第二次大戦を経て1950年当初よりより厳しい鋼材品質規格に対応して取鍋を精錬容器とする真空脱ガス法(脱酸、脱水素等)が相次いで開発され、1960年代初期には更に撹拌、加熱機能を賦与した取鍋精錬炉が工業化された。連続鋳造法の普及は取鍋精錬炉の普及に拍車をかけた。本論文は1971年に当時の日本特殊鋼で工業化された真空脱ガス、還元(スラグ)精錬、加熱、撹拌機能を備えた取鍋精錬(LF)法の開発経緯を報告する。 6)我が国における複合転炉の開発,発展の歴史と今後の展望(岸本 康夫) 上吹き転炉は欧米で開発された後、日本において最適化が進められ、平炉を席捲した。その後底吹き転炉が技術導入された後、日本を中心に上吹き転炉の複合転炉化が進められた。現在は日本で開発された複合転炉が世界標準技術となっている。本講座では、底吹き転炉の導入およびその後の複合転炉開発について、技術開発・発展の経緯をまとめると共に、今後転炉に期待されるシーズ技術や将来のプロセス展望について述べる。 7)我が国における鋼の連続鋳造プロセスの開花と未来へのシーズ(川本 正幸) 我が国における鋼の連続鋳造技術は、輸入された時点では連続鋳造機、連続鋳造技術ともに、完成されたものではなく、「未完成のまま輸入された連続鋳造技術が、我が国の連続鋳造技術者の努力によって完成された」と言っても過言ではない。本報告では、欧米から導入された連続鋳造技術が、先輩方の努力で、日本においてどのように発展してきたかを、各要素技術別に、レビューする。更に、最新の凝固プロセス研究のシーズについて紹介する。 |