日本鉄鋼業において,プロセス自動化,製品高品質化に対して計測・制御・システム分野が果たしてきた役割は非常に大きい.しかし時代とともに課題も変遷しつつあり,その中には「オペレータと自動制御系の協調」や「老朽設備管理とトラブル対応最適化」なども含まれる.前者は,フルオートメーション化困難なプロセルの操作において,人とコンピュータが協調しながら,人が持つ能力を有効に活用するというものである.また後者は,業界としての近年の生産設備老朽化によるトラブル頻度の増加が背景にある.今回,前者の前提条件となる人間の判断・行動のモデリングの面から2件,後者のトラブル対応の数理的効率化の面から1件の取組みをご紹介いただき,鉄鋼業にかかわる方々と議論できればと考えております.
4.プログラム |
| 座長:浅井徹(大阪大), |
| 13:00~13:05 | 開会の挨拶とシンポジウム趣旨説明 |
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| 浅井徹(大阪大) |
| 13:05~14:15 | ハイブリッドシステムを用いた人間行動モデル同定と制御システム設計への応用 |
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| 早川 聡一郎(三重大学) |
| 人間の行動を,離散的な判断と連続的な動作を組み合わせて構成されるハイブリッドシステム表現を用いて,人間行動のモデル化や行動解析を行う手法について解説する.また,その人間行動モデルを人間-機械協調型ロボットシステムを対象として,可変インピーダンス制御システムのインピーダンスパラメータの個人適応設計への応用と,それをベースとして,作業者の操作のばらつきに対応して適切な支援を行うことができる可変インピーダンス制御システムの構築を行った事例について紹介を行う. |
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| 14:15~15:25 | データ駆動型制御によるヒステリシス特性の補償とモデリング |
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| 金子 修(金沢大学) |
| ヒステリシス特性はアクチュエータに多くみられる非線形特性である.ここで,空気圧人工筋肉などは工学のみならず,福祉などヒューマンインターフェースを核とする分野でも多く活用されているが,その一番の特徴はヒステリシス特性である.またこのような特性はモデリングが難しく,得られた振舞(データ)を直接用いることで適切な制御特性が得られると実用上有益である.そこで,講演者の開発したデータを直接用いた制御器調整法FRITを,このような対象に適用することで,所望の制御性能が得られることについて述べる.また,このクラスのシステムに対して,同じく講演者がここ数年取り組んでいる制御とモデルの同時更新についても述べ,ヒステリシス特性に対する制御性能とモデルの精度を同時に更新可能である点について述べ,人間のフィードバック誤差学習との関わりについても現時点の試みについて触れる. |
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| 15:40~16:50 | 不確かな環境におけるマルチエージェントのスケジューリング |
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| 田崎 勇一(名古屋大学) |
| 本講演では,複数のエージェントによる災害時の救援作業や物資搬送の実現を目指し,移動コストなどに不確かさが含まれる環境モデル上でのエージェント群のスケジューリング問題について論じる.従来のロバスト制御のように不確かさを所与のものとするのではなく,エージェントの積極的な観測行動によって不確かさを低減することにより,群全体の総作業量の増加が期待できることについてシミュレーション事例を用いて示す. |
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| 16:50~17:00 | 総合討論 |
5.定 員: | 150名 | 6.参加費: | 会員2,000円,非会員3,000円(参加費,消費税込) *当日受付でお支払い下さい. *但し,第152回制御技術部会参加者は会員扱いとなります. | 7.参加申込: | シンポジウムへ参加される方は,事前にFAXあるいはE-MAILで氏名・会員番号(非会員の方は不要)・勤務先・所属・住所・電話番号・FAX番号・E-mailを明記の上,下記事務局までお申し込み下さい.なお,定員内であれば申込受付の確認の連絡は致しませんのでご了承下さい. | 8.申込期限: | 2014年10月24日(金) |
申込・問合わせ先: (一社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局学術企画グループ 平沢 TEL.03-3669-5932 FAX.03-3669-5934 E-mail:hirasawa@isij.or.jp |
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