日本鉄鋼業では,産業界として早い段階から製造プロセス自動化に取り組み,特に定常状態の制御で成果を上げてきた.しかしながら,種々の理由により,未だ人が判断・操作しなければならない工程も多く残っている.国際競争が激化する中,また,オペレータの技能継承が問題となる中,人の判断・操作を単にフルオートメーション化することだけを目指すのではなく,人とコンピュータが協調しながら,人が持つ能力を有効に活用するという観点も重要になってきている. 今回,人と機械の協調による知識獲得支援に始まり,ビークル分野および鉄鋼製造プロセスにおける教育訓練シミュレータの事例をご紹介いただき,機械が人の判断・操作能力を引き出す,人と協調する制御系のひとつの形を議論してみたい.
5.プログラム |
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| 司会:浅井徹(大阪大),
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| 14:00~14:05 | 開会の挨拶とフォーラム趣旨説明 |
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| 浅井 徹(大阪大) |
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| 14:05~14:55 | 暗黙知の支援で人と機械の協調で出来ること |
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| 國藤 進(北陸先端科学技術大学院大学) |
| 知識経営の分野では暗黙知を暗黙知のまま伝承することを共同化と呼ぶ.知識経営分野や知識獲得支援システムのサーベイを通じ,人と機械の協調システムで出来ることを提案する.気づき支援システムや知識共同化支援システムの研究をとおして得られた若干の知見を紹介する. |
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| 15:00~15:50 | 教育訓練システムとしてのシミュレータ |
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| 布田 浩二(三菱プレシジョン) |
| シミュレータには,被験者(パイロット,運転士,運転手)の手順習得,基本操作及び応用操作訓練,緊急事態対処訓練,危機体験等を目的とした教育訓練用シミュレータと,装置/機器/システムの開発,道路交通流解析などの研究開発を目的とした研究用シミュレータがある. いずれのシミュレータでも,外界(環境条件,線路,道路,気象状態等)及び対象機材(飛行機のコックピット,運転室,運転席の機器,装置)の動作を模擬し,被訓練者に一定の状況を与え,被験者の応答(操作)を挙動,運動,計器にフィードバックして被験者に提示するというヒューマン・イン・ザ・ループを構成している. 本講演では,シミュレータの製品事例を紹介するとともに,教育訓練システムとしての特徴や技術について紹介する. |
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| 15:55~16:45 | 鋳込作業訓練シミュレータの開発 |
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| 北田 宏(新日鐵住金) |
| 製鋼工場における連続鋳造機はほとんどの操作が自動化されているが,溶鋼が凝固を開始する鋳型付近では溶鋼注入および鋳片引抜きに関わる異常現象が発生しやすく,適切に対処しなければ大きなトラブルという課題がある.異常発生時には操業オペレータが速やかに事象を特定し,適切な手動操作で沈静化することが必要だが,それには経験と操作の熟練が必要である. 昨今は鋳造中に手動操作練習の機会がほぼなくなったため,特に若手の操作訓練を目的とする鋳込作業訓練シミュレータを開発した.開発においては物理的モデルにより鋳型内溶鋼や異常現象の特徴的挙動の表現を工夫した.本講演では,当シミュレータの機能や,導入時の訓練結果から得られたオペレータ熟練度による手動操作の違いの解析結果について説明する. |
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| 16:45~17:00 | 総合討論 |
6.定 員: | 40名 |
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| 7.参加費: | 無料 |
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| 8.参加申込: | 事前にFAXあるいはE-MAILで氏名・勤務先・所属・住所・電話番号・FAX番号・E-mailを明記の上,下記参加申込み先までお申し込み下さい. |
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| 9.申込期限: | 2014年2月2日(日) |
申込・問合わせ先:
JFEスチール(株) スチール研究所 計測制御研究部 津田 和呂
TEL. 044-322-6268 FAX. 044-322-6518 E-mail: k-tsuda@jfe-steel.co.jp |
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