第166回秋季講演大会中に、評価・分析・解析部会の部会集会にて特別講演会を開催いたします。部会関係者の方々お誘い合せの上、多数ご出席くださいますようご案内いたします。
1. 日時: | 2013年9月18日(水) 13:00〜14:00 (内 講演は50分程度) |
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| 2. 場所: | 第166回秋季講演大会 第17会場(総合教育講義棟 5階 D4教室) |
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| 3. 特別講演会
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| 1) 講師: 井村 久則 教授(金沢大学 自然科学研究科) |
| 2) 講演概要: 「不足当量分析法の新展開」 |
| 不足当量分析法(substoichiometry)は,試料中の目的元素の全量と反応するのに必要な量(当量)よりも少ない量の試薬を用いて,目的元素の一部分を分離し,その測定のみによって定量する方法である。初めは,放射性同位体希釈や放射化分析などの放射性同位体を利用する分析法として提案され,発展してきた。一方,演者らは,目的元素の不足当量分離法と同位体希釈質量分析法(IDMS)を組み合わせることによって,より簡便な操作で校正や補正も一切不要の不足当量同位体希釈質量分析法(SIDMS)を開発した。これは安定同位体を利用した最初の不足当量分析法であり,検量線も比較標準も必要としない絶対定量法である。これまでに,河川水や藻類中の鉄,底質中の銅などの定量に適用し,精度と正確さに優れた分析法であることを明らかにしてきた。 |
| 不足当量分析法においては,目的元素あるいは目的化合物の不足当量分離がキーステップとなっており,通常は,溶媒抽出やイオン交換などの化学分離法が用いられる。同位体測定法として,質量分析のほか1H NMRや多核NMRを用いることができ,さらに,NMRでは化学分離を要しない不足当量シグナル分離を用いた不足当量同位体希釈NMR分析法(SIDNMR)を開発した。本講演では,ホウ素の不足当量抽出とICP-MSによるSIDMSのほか,リチウムの不足当量錯形成と7Li NMRによるSIDNMRなどの最近の話題を紹介する。 |
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| 4. 参加費: | 無料 |
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| 5. 事前申込: | 不要 |
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