白石記念講座特別シンポジウム開催のご案内 「日本のものづくり力」-世界屈指の企業に聞く-(申込締切日:2013年7月31日)
主 催:一般社団法人日本鉄鋼協会 育成委員会技術講座WG 共 催:地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター 協 賛:(50音順) (公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(公社)計測自動制御学会、(一社)資源・素材学会、(一財)素形材センター、全国中小企業団体中央会、(一社) 電気学会、(一社)特殊鋼倶楽部、(公社)土木学会、 (一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(公社)日本金属学会、日本金属熱処理工業会、(一社)日本建築学会、 (公社)日本材料学会、日本材料試験技術協会、(一社)日本塑性加工学会、日本中性子科学会、(一社)日本鋳造協会、(公社)日本鋳造工学会、日本鋳鍛鋼 会、(一社)日本鉄鋼連盟、(一社)日本熱処理技術協会、(公社)日本分析化学会、 (一社)表面技術協会、(公社)腐食防食学会、(独)物質・材料研究機構、(一社)溶接学会 講座の視点
1) 開催日時:2013年8月28日(水) 9:00~17:15 受付時間 8:30~16:20 2) 開催場所:地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター イノベーションハブ(本部 中2階) (〒135-0064 東京都江東区青海 2-4-10)(会場案内) 当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording. 3) プログラム: ※ 講演の概要はタイトルをクリックするとみることができます。 こちらからダウンロード出来ます。
4) 参加申込み:「事前登録」は終了しました 5) 参加費(税込み、テキスト付): 会員(含協賛団体個人会員) 8,000円、一般 15,000円、 学生会員 1,000円、学生非会員 2,000円 ※ 会員割引は個人の会員のみ有効です。 6) 配付資料:受付で本会会員証あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。 なお、講演企業の社員の方は受付にお申し出下さい。会員割引となります。 ※ 当日入会手続きは中止いたしました。会員資格による参加をご希望の方は、あらかじめ 入会手続きを済まされますよう、お願いいたします。 シンポジウム概要等は当日参加の方のみ配布いたします。 なお、「ふぇらむ」掲載の「日本のものづくり力」17編をまとめた特集号を作成し当日参加者に配布いたします、残部がでましたら、頒布いたします。
【講演概要】 1)基調講演「ものづくりの羅針盤」(渡邉政嘉) 日本としての国益を守りながら、ものづくりの強さを引き続き維持できるかどうかが問われている。ものづくりという言葉は、日本の伝統に根ざす言葉である。しかしながら国の政策において「ものづくり」を法律上正面から取り上げて振興を始めたのは比較的最近のことである。 本講座では、ものづくりを実践するすべての方々が将来のものづくりの課題や方向性について政府の支援策がどのように行われているか等また、ものづくりに関する様々な話題を、政策、技術、経営、人材等の観点から概説する。 2)「世界標準を作る技-硬さ基準片」:硬さばらつきゼロの追求(山本 卓) 現場に不可欠な「モノサシ」でありながら、硬さ値そのものには目盛がない。したがって硬さ試験は、正しい「力」で圧子を金属に押込み、できたくぼみの「大きさ」を正しく測ることが基本で、硬さの本当の標準は力と長さにより構成されている。この事実は忘れてはならいものの、硬さを安心して使うためには、硬さ基準片というモノによる試験機の間接検証が欠かせない。そのための基準片としての究極の目標が「硬さばらつきゼロの追求」である。ここでは、硬さに関する合意形成の象徴とも言うべき基準片について、日本における関係者の努力と、高精度化に向けての動向を紹介する。 3)「大物を形づくる-フルモールド鋳造法」:ITを基軸としたフルモールド鋳造法(木村寿利) 自動車プレス金型や工作・産業機械用鋳物の製造法として、生産性とリードタイムの著しい革新を遂げたフルモールド鋳造法(FMC法)。この鋳造法は、従来の木型法と比べITとの相性が良く、現代の3D技術を活用する事で様々な分野で鋳造技術革新を遂げている。本講座では、KIMURAのFMC法の紹介とFMC法にDMP(ダイレクト・モールディング・プロセスの略で3D積層造形システム)を融合した新しいハイブリッド鋳造法の開発事例を紹介する。 4)「鋼に魂を入れる-塩浴熱処理」(上島秀美) 塩浴(ソルトバス)熱処理はその優れた性能から、高性能な特性を要求される工具・金型・部品などに利用されている。弊社は中でも管理の難しい、1200℃近辺と高い本加熱温度の高速度工具鋼(ハイス鋼)を中心とした熱処理を得意としている。これらの高い品質は、社内の優秀な技能者と技術者の「細やかな心づかい」で成り立っている。今後もその優れた品質を維持・進歩させるためには後進の育成を中心とした「ひとづくり」が重要である。 5)「強靭な表面を作る-高周波熱処理」(渡邊弘子) 高周波焼入は、鉄鋼材の熱処理として、多くの方達に知られながら、その方式に関しては、何にでも適応できるが精度が不確かである、と言う見方か、逆に対象ワークが変わったら同じ設備をどう利用したら良いかさえわかりにくい、扱いにくいものである、との両極端の見られ方をしていると言えるのではなか。しかし、実際に高周波熱処理設備を作っている弊社としては、精度に関しても、短時間加熱であるが故の特長を活かしてミクロンオーダーの追求が出来るし、汎用性に関しても、現在の多周波対応のインバータを利用することと、きちんとした設備設計により、一部の部品と加熱時間などを変更するだけで、かなりの対応が出来る熱処理であると考えている。幾つかの高周波熱処理の方案と今後の展望を紹介しながら、高周波熱処理に関する悪いイメージを払拭させたいと思う。 6)「ファッションを編み出す-メリヤス針」:鉄はまだまだ終わらない(メリヤス針から鉄を眺める) (谷口能人) メリヤス針用の特殊鋼材料は、剪断、スエージング、切削、曲げ、熱処理等の多様なプロセスを経て製品となる。更には、製品となった以降の過酷な使用条件に耐えることが求められる。数千本のセットで使われることから、その均一性は極めて重要で、鉄鋼材料の二次加工メーカーとして対応出来る領域はむろんあるが、熔解-製鋼―熱間圧延材料からの一貫した管理が不可欠だ。市場の規模からすれば、決して大きなインパクトを持つとは言えないが、未知の領域が広がり、シナジーは大きく、取り組むべき魅力に満ちている。 7)「手作業にこだわる-伝統と革新のめっき」(石川英孝) 日本の基幹産業を底支えする「めっき」。日常の身の回りにはめっき部品が使用される製品がたくさんある。改めて「めっき」の必要性が過去から未来に向けてどう変化していくかを考えてみた。キーワードは「省資源」。限りある資源に対し「めっき」が貢献できることは何か。そして、その「めっき」を操る技能者について、「機械と人」の差は何か(伝統と革新)、当社はなぜ手作業に拘るのか、技能者の育成に力を入れるのかを、ものづくりの魅力とともに既説したい。 8)「圧延ロールが甦る-CPC技術」(坂田太志) 鉄鋼製品の製造を支える重要な工程である圧延プロセスにおいて、特に仕上圧延機ワークロールの胴部外層材には、耐摩耗性と靭性に優れる高速度工具鋼(以下、ハイス)が広く採用されており、当社では独自開発したCPC技術によりこのハイス系複合ロールを製造してきた。本講座では、鋼板 仕上圧延機のハイス系複合ロール製造において、コスト低減と環境負荷低減を実現した使用済みワークロールの再生技術について紹介すると共に、脈々と受け継がれる「甦らせる」技術について概説する。 9)「高精度に仕上げる-CNC研削盤」:高精度に仕上げるCNC研削盤(岩崎年男) 高精度に研削作業を行うには、正確に動く機械と機械の動きを製品(ハード)に正確に転写する技術(ソフト)が必要であり、それはユーザーとメーカーの協働作業により実現できる。そんななか、弊社がユーザーの協力を得て開発したサファイヤ等の難削材の平面検索盤をご紹介し、「高精度CNC研削」の要件について述べるとともに、弊社が置かれている状況から、日本の工作機械業界の将来の危惧についてお話する。 10)「くさびの原理から思いついた緩まないナットの開発」:オンリーワン商品開発の秘訣(若林克彦) 日本古来の建築構造に使用されている楔(くさび)の原理を応用した「ハードロックナット」は、「安全は威力!」をキャッチフレーズに世界でも類を見ない緩まないナットとして新幹線やスカイツリーを始め、国内外の数々の安全が重視される業界で採用され、数々の経験や検証を重ね培った技術ノウハウで開発以来無事故の実績を誇っている。昨今、国内産業は韓国や中国に価格競争で負け、中でも特に中小企業は厳しい立場にたたされている。この争いの世界「レッドオーシャン」から競争のない世界「ブルーオーシャン」へ移行していく方法を、自身の経験を通してわかりやすく解説する。 11)ミニ総括「今、日本のものづくり力に学ぶ」(細谷佳弘) 日本のものづくり力の源泉は何処にあるのか。17回にわたる繊細記事から浮き彫りになったのは、それが決して机上で考えた技術ではなく、徹底した現場主義によって築かれた揺るぎ無い確信(核心)技術のように思える。それらは、勘コツによる匠の技能の域を脱し、高い競争力を有する独自技術にまで昇華されている。ミニ総括では、本講座でご講演頂く9社以外の取材会社の独創技術も紹介しながら、日本の素材企業群が世界のトップランナーとして走り続けるための処方箋を探ってみたい。 12)基調講演(総括)「プロダクトイノベーションで世界に勝つものづくり」(片岡正俊) 昨今、デジタルTVの不振に代表されるように、日本のものづくり技術の衰退を懸念する声が多い。しかしながら、精密加工や微細金型等、ものづくりの基盤技術とその潜在能力は高く評価されている。むしろ課題は、マーケットニーズに合った製品を企画、製造していく、いわゆるプロダクトイノベーション技術の向上にある。都産技研ではこうした開発型企業のプロダクトイノベーション支援機能を強化している。本講座では、ものづくり企業のおかれている状況、プロダクトイノベーションの進め方、そのための都産技研の支援機能、さらには開発事例について概説する。 【会場案内】 (地独)東京都立産業技術研究センター イノベーションハブ(本部 中2階) (〒135-0064 東京都江東区青海2-4-10 TEL 03-5530-2111(代表))
|