第215・216回西山記念技術講座開催のご案内「省資源型金属材料開発の基礎・応用と今後の展望」
講座の視点
1. 期日・場所: 第215回 2013年12月13日(金) 9:30~17:00 受付時間 8:45~16:00 新大阪 (株)ラソンテ 3階会議室(大阪市淀川区宮原1-6-1 新大阪ブリックビル3階) 第216回 2013年12月20日(金) 9:30~17:00 受付時間 8:45~16:00 東 京 早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階(大会議室)(東京都新宿区大久保3-4-1) 2. プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 ※こちらからダウンロード出来ます。
3. 申込み:ホームページからのクレジットカード決済で事前に参加費のお支払いが可能となります。 お申し込み期間は10月上旬から12月5日(木)までです。今回のカード決済は試行です。 ※事前申込は終了いたしました 当日受付は、従来通り現金のみの対応となります。(事前申込不要) 事前申込された方が当日不参加の場合、返金はいたしません。 講座終了後、テキストをお送りします。 4. 参加費(税込み、テキスト付): 会員(含協賛団体個人会員)8,000円、一般15,000円、学生会員1,000円、学生非会員2,000円 ※会員割引は個人の会員のみ有効です。受付で本会あるいは協賛学協会の会員証をご提示下さい。 ※当日入会手続きは中止いたしました。会員資格による参加を希望の方は、あらかじめ入会手続きを済まされますよう、お願い申し上げます。 *当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording. ★テキストは、最終講座終了後(2013年12月26日以降)残部がある場合、鉄鋼協会会員8,000円、一般15,000円で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 (株)OCS 連絡先:TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp 〒108-8701 東京都港区芝浦2-9-13
(会場案内)
[講演概要] 1)【基調講演】希少金属の現状と対策(原田 幸明) 21世紀に入って資源問題は新しい局面に突入した。20世紀後半は欧米の成熟した需要を背景に日本の鉄鋼業を中心とする資源のグローバリゼーションの時代であったが、今世紀にはいるや新興国の経済成長を背景に「世界の工場」が席巻し新たな資源需要を喚起するとともに、世界経済のなかでの資源の金融商品化も進行し、資源の安定供給に対するリスクが著しく増大し、特に市場規模の小さい希少金属においてその影響が顕著に表れるようになっている。今や、資源は右肩上がりに供給されるものではなく、その制約を配慮した製品設計、材料設計が求められている。先進諸国はレアメタル、クリティカルメタルと呼ばれるこれら希少金属に戦略的研究開発プロジェクトをもって対応し、日本の希少金属・元素戦略はその先頭に立っており、その到達点と将来展望、さらにはそこから導き出される持続可能な資源利用とモノづくりの方向について述べる。 2)金属材料の省資源型材料開発(?)ステンレス鋼の省資源型材料開発(梶村 治彦) Cr添加により耐食性を有するステンレス鋼が発明されて100年になる。その間、産業の発展とともに高性能化が指向され、多くの種類のステンレス鋼が開発されてきた。ステンレス鋼はCr、Ni、Moなど希少金属として定義されている元素を多く使う金属材料であるが、近年の材料価格の高騰、国家的な資源戦略などを背景として、希少金属を削減した省資源型ステンレス鋼の開発が望まれている。本講座ではステンレス鋼の材料特性に焦点をあてながら、省資源型材料開発の現状と将来展望について述べる。 3)金属材料の省資源型材料開発(?)耐熱鋼・耐熱合金の省資源型材料開発(長島 友孝) 高温で特に強度が求められる使用環境では、フェライト系と比較して高温での強度低下の小さいオーステナイト系の耐熱鋼、耐熱合金が広く使用されており、これらの材料には、オーステナイト相の安定や、γ’等の硬化粒子の析出、固溶強化のために、Ni、Co、Mo、W、Ti、Nb等の希少元素が多く含有されている。近年は、エネルギー効率向上のために、燃焼機関の燃焼温度が上昇するなど、より耐熱性の高い材料が求められ、それぞれの用途に適した材料が開発されている。本講座では、近年の耐熱鋼、耐熱合金の開発動向を、省資源の観点から紹介し、現状の課題と今後の展望を述べる。 4)金属材料の省資源型材料開発(?)チタン合金の省資源型材料開発(池田 勝彦) チタンはクラーク数で10番目であり、実用化されている金属で比較すると、? 鉄、? アルミニウム、? マグネシウムに続き、4番目に位置する。しかし、精錬のほとんどはバッチ式プロセスであるクロール法で行われており、連続製錬が確立されておらず、さらにその特性向上のために希少金属であるV、Mo、Nbなどが大量に添加されるために、その豊富な埋蔵量に関わらず希少金属材料と位置付けられている。チタンを鉄、アルミニウムのような「コモンメタル」化をめざして、製錬技術、合金設計、加工プロセスなどの領域で鋭意取り組まれている。本講座では、チタン材料の省資源化を、その開発・研究では悲願ともいうべき「低コスト化」という括りで、新製錬法や新加工プロセスも含めて、主に合金設計の視点から解説する。 5)【基調講演】鉄鋼の強化理論と合金元素の関係(高木 節雄) 鉄鋼材料の最大の特徴はフェライト変態、パーライト変態、ベイナイト変態、マルテンサイト変態など様々な相変態が存在するところにあり、Ni, Mn, Si, Cr, Moなどの合金元素は、これらの相変態をうまく制御して最適の機械的特性を得ることを目的として添加されることが多い。したがって、各種相変態に及ぼす合金元素の影響については古くから多くの研究が為されてきたが、強化機構に及ぼす合金元素の影響については、固溶強化に関する事例を除いて詳細な検討が為されているとは言い難い。本講座では、固溶強化に関する合金元素の複合添加の影響、転位強化と固溶強化の相関性、結晶粒微細化強化に及ぼす合金元素の影響など、著者らの研究成果を中心として、鉄鋼材料の強化機構に及ぼす合金元素の影響について紹介する。 |