- 協賛(50音順):
- (公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(一社)型技術協会、(一財)金属系材料研究開発センター、(公社)計測自動制御学会、 (一社)鋼管杭・鋼矢板技術協会、(一社)色材協会、(一社)資源・素材学会、(公社)自動車技術会、ステンレス協会、 (公社)電気化学会、(一社)電気学会、(公社)土木学会、 (公社)日本化学会、(一社)日本ガス協会、 (一社)日本機械学会、 (公社)日本技術士会、(社)日本金属学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本顕微鏡学会、日本鉱業協会、 (社)日本鋼構造協会、 (公社)日本コンクリート工学会、日本材料科学会、(公社)日本材料学会、(一社)日本自動車工業会、(一社)日本塑性加工学会、(一社)日本鉄鋼連盟、(一社)日本電機工業会、日本塗装技術協会、(一社)日本熱処理技術協会、(公社)日本表面科学会、 (公社)日本分析化学会、(一社)日本防錆技術協会、 (一社)日本溶射学会、(一社)日本溶融亜鉛鍍金協会、(一社)表面技術協会、 (公社)腐食防食学会、 (独)物質・材料研究機構、(社)プレハブ建築協会、(一社)未踏科学技術協会、(一社)溶接学会
講座の視点: 我が国は東日本大震災を経験し、社会インフラを支える鋼構造物やコンクリート構造物の安全、安心に関わるリスクモデルについて、様々な視点において新たな局面を迎えている。豪雨の増加や大型台風の上陸等の最近の自然環境の変化をみても、耐環境寿命に繋がる構造設計や部材の安全概念の見直しが迫られる可能性がある。 本講座では鋼構造物やコンクリート構造物に対して、それらの安全設計や維持・管理システムまで含めて、腐食・防食、劣化という視点から現状技術を見直し、今後の課題と展望を議論する。本年度の西山記念技術講座「金属の界面腐食科学技術の進歩と今後の展望」での腐食科学の基礎に関わる議論を土台に、将来の社会インフラの整備における鉄鋼業の大きな役割を考えつつ、構造物の腐食や防止、またモニタリング・センシングについて議論する。材料開発、構造設計、点検・診断、分析・評価技術等、幅広い分野からの参加と活発な討議の場を期待する。 |
1.期日・場所: | 第64回
| 2012年12月13日(木) 9:25~17:15 受付時間 8:45~16:15 早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階大会議室 会場案内(東京都新宿区大久保3-4-1) |
★当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording.★ 4.参加費(税込み、テキスト付): 会員(含協賛団体個人会員) 8,000円、一般 15,000円、学生会員 1,000円、学生非会員 2,000円 ※会員割引は個人の会員のみ有効です。受付で本会会員証あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。 ※当日入会手続きは中止いたしました。会員資格による参加をご希望の方は、あらかじめ入会手続きを済まされますよう、お願いいたします。 | ★テキストは、講座終了後(2012年12月14日以降)残部がある場合、会員8,000円、一般15,000円で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 ㈱OCS 連絡先:TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp 〒108-8701 東京都港区芝浦2-9-13 |
問合せ先: (一社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 太田 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3-2-10 鉄鋼会館5階 TEL: 03-3669-5933 FAX: 03-3669-5934 E-mail:educact@isij.or.jp |
[講演概要] 1) 東日本大震災の影響を受けた道路構造物の調査報告とそれらを踏まえた課題認識 -鋼構造物を中心として、課題認識と今後の展望について- (玉越 隆史) 東日本大震災では、道路構造物においても津波による上部構造の流出など甚大な被害を生じた。震災後に各方面で行われてきた被災調査や被災メカニズムの分析、それらと並行して進められてきた既存技術基準類の検証作業からは、道路ネットワークの安全・安心の根幹を担う道路構造物に対して、整備から管理までの様々な観点から克服すべき問題点や改善が期待される課題も浮かび挙がりつつある。本講座では、道路橋を中心にこれまでの耐震対策の経緯と東日本大震災を含む近年の地震被害の実態について紹介すると共に、それらを踏まえて、高齢化が進む膨大な道路橋資産を経済的に保全しつつ災害にも強い道路ネットワークとしていくための課題と展望について概括する。 | 2) 鋼橋の腐食・防食の現状と今後の展望 (下里 哲弘) 鋼構造物の腐食劣化を促進する環境因子は塩分、高温、および多湿環境である。亜熱帯島嶼環境の沖縄地域は,腐食の天敵である「塩」 「湿気」「高温」が強力に共存する天然の促進環境にあることから、鋼構造物の腐食劣化機構の解明と防食技術の開発として最適である。本 講座では、過酷な腐食促進環境下の沖縄で取り組んでいる鋼橋の防食対策の中から、超厚膜塗装の性能評価実験、橋梁へ付着した塩分の洗浄 効果と塩分遮断版構造の開発および海洋架橋鋼橋で適用した防食技術について紹介すると共に、腐食劣化した鋼桁の残存耐荷力評価と腐食劣 化高力ボルトの残存軸力評価に関する研究を概説する。 | 3) コンクリート構造物の劣化、鉄筋腐食の現状と今後の展望 (大即 信明) 本講座は、鋼構造物の専門家を対象として、コンクリート構造物の劣化について概説し、その中で特に鉄筋の腐食に関連するものについて紹介するものである。内容は次のようである。最初に、「コンクリートの劣化」について、特にひび割れの種類や原因をコンクリート工学会の指針より紹介する。次に、「コンクリートの劣化の実状」として、特に港湾や海岸構造物についての劣化の実状と将来予測について述べる。また、「コンクリート中鉄筋腐食への対策」の新技術として電気化学的工法について述べる。最後に、「トピックス」として、温度の影響および海水練りについて述べる。 | 4) 埋設されたパイプラインの腐食・防食の現状と今後の展望 (梶山 文夫) 現代社会において、ガス、石油、水道などのパイプラインはライフラインとしてその役割は益々重要なものとなっている。既設の埋設され たパイプラインの腐食防食の現状の理解は、埋設環境の変化を認識することにある。その変化として、他の外部電源アノードからの直流干渉電流、電鉄変電所の新設、既設変電所の容量アップ、回生制動車両の導入拡大、高圧交流送電電流のアップ等があげられる。本講座では、これらの変化が埋設されたパイプラインの腐食防食にどのように影響を及ぼすのかについて述べる。さらに本講座では、今後の展望の対象を埋設された高圧天然ガスパイプラインとし、将来の材料、環境状況を見据えた時、今からなすべきは何かについてせまる。 | 5) 電気通信設備における腐食・防食の現状と今後の展望 (半田 隆夫) 極めて大まかに東日本大震災を振り返ると、電気通信事業の名の通り「電気」の喪失と共に通信が断たれ、復電と共に復旧していった側面がある。一方で、揺れそのものによる構造物の崩壊等はほとんど無く、過去の大震災から得た耐震設計等活かされた面もある。設備の腐食対策についても、実績のある汎用技術をベースに改良を加え、膨大な設備を擁しながら安全・安心・高信頼な通信サービスを実現している。とは言え、これまで対処してきた特異な腐食現象のみならず、今後は高度成長期に大量建設された設備の経年的腐食劣化に真正面から取り組まなければならない。これは社会インフラ全般においても、電力の安定確保と共に言えることであろう。大災害も見据えた設備のリスクベースマネジメントが求められる所以である。全体最適な設備維持管理とは如何なるものか、腐食・防食面での展望を述べる。 | 6) 設備のリスク管理におけるセンシング・モニタリング技術の現状と今後の展望 (中原 正大) 化学装置をはじめ、国内の生産設備は高度成長期に建設され、その多くが40年以上経過し、老朽化が顕在化しつつある。また、日本は成熟社会となり、国内での設備の新設や増設は困難となり、既存の設備を合理的に維持管理することが、従来に増して重要となっている。 これらも関連してリスクに基づいた合理的な設備管理が提唱され、導入されつつある。リスクを評価するためには、設備に破損が発生する可能性をできるだけ定量的に評価する必要がある。破損可能性評価するためには、構造、材料、運転条件等の情報と共に、非破壊検査や運転中の監視等に、センシング、モニタリングを適切に適用し、設備の状態を把握することが重要である。 本講座では、生産設備の管理におけるセンシング、モニタリングの活用状況と今後課題を概説する。 | 7) 海水用機器の防食における数値解析技術の現状と今後の課題 (宮坂 松甫) 海水のような高い導電率を持つ溶液中では、異種材料を混用することによって生じる「異種金属接触腐食」、あるいは流速分布に起因する「流速差腐食」などのマクロセル腐食が発生し易く、これらの腐食を事前に正確に予測し対策を施すことが望まれている。また「カソード防食」においては、陽極の材料および設置位置、防食対象機器の形状・材料構成および溶液条件に応じて、防食範囲および犠牲陽極の消耗速度を予測することが要求されている。著者らは、これらの予測を定量的に行うため境界要素法を用いた数値解析技術を開発した。本講座では、海水用機器の腐食問題、数値解析技術の概要と防食設計への適用例などを紹介する。 | 8) 羽田空港D滑走路桟橋部の防食及び維持管理と予防保全という考え方 (佐藤 弘隆) 2010年10月に供用が開始された羽田空港D滑走路は、空港に隣接する多摩川の流れを妨げないように、埋立工法と桟橋工法を組み合わせた構造を採用している。桟橋部は、198基の鋼製ジャケットと1165本の基礎杭から構成され、約35万トンという大量の鋼材を使用している。各鋼部材の防食工法は、設計供用期間である100年間のライフサイクルコストを考慮して、海洋環境下においても優れた耐食性を有する耐海水性ステンレス鋼やチタンを用いた防食工法を積極的に適用している。本講座では、D滑走路桟橋部に適用された長期防食システムを紹介するとともに、D滑走路の重要施設に対して策定された予防保全の考え方を導入した維持管理計画について概説する。 |
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