本協会では、「我が国の企業人材育成活動」の一つとして、大学卒業数年後程度の技術者を対象にして、鉄鋼製造の基礎理論と現場の諸問題を結びつけた集中的な学習会「鉄鋼工学セミナー」を昭和50年から開設しております。 本セミナーの特徴は、専門分野ごとのコースに分かれ、6日間にわたって講師と受講者が一堂に集い、学び、交歓を深めることにあり、体系的講義とその現場への結びつきとしてのケーススタディ、受講者の発題によるグループ討論など有意義なカリキュラムを組んでおります。 本年夏に下記のとおり開催いたしますので、奮って受講下さい。ご希望の方は他コースの科目の聴講も可能ですので、申込みの際にお申し出下さい。 但し、今年度から「我が国の企業人材育成活動」に限定したので、参加資格を見直しました。参加申込みに当たってはご注意下さい。 また、大学若手教員も参加いただけます(参加にあたっては、他の受講者と同等の扱いとなります。特に宿泊部屋は、他の受講生同様3~4名の相部屋となりますので、ご承知おき下さい。) |
1.期 日: | 2012年7月22日(日)~27日(金) | 2.会 場: | ラフォーレ蔵王リゾート&スパ 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉七日原2-1 (東北新幹線白石蔵王駅下車バス40分 TEL.0224-35-3111) | | 3.実施コース・ 募集定員: | 製銑コース 15名、製鋼コース 30名、材料・圧延コース 95名 (注)定員オーバーの場合はお断りすることがあります。特に連絡がなければ受講可とお考え下さい。 | | 4.プログラム: | 製銑コース 講義/講師/グループ討論 プログラム 製鋼コース 講義/講師/グループ討論 プログラム 材料・圧延コース 講義/講師/グループ討論 プログラム | | 5.参加資格: | 国内に生産拠点を有する維持会員企業に属する企業社員(日本鉄鋼協会個人正会員) 国内に生産拠点を有する維持会員企業の推薦を受けた企業社員(日本鉄鋼協会個人正会員) 日本の大学に属する若手教員(日本鉄鋼協会個人正会員) 準会員、非会員、外国会員は参加出来ません。 | | 6.費用(税込): | 受講料: | 105,000 円(税込)。但し、維持会員会社に所属する方・大学若手教員は 70,000 円 | 宿泊・食事代: | 50,000 円(5泊13食、税込) | 懇親会費: | 5,500 円(2回、税込) | 1)送金方法: | 受講者決定次第、請求書を送らせていただきますので、6月22日(金)までにご送金下さい。(現金書留も可) | 2)その他: | 6月23日以降に申し込みの取り消しをされても返金できません。予めご了承下さい。 |
| | 7.申込締切日: | 2012年5月8日(火)期日厳守 受付は終了いたしました。 | | 8.申込方法: | こちらの申込書に入力し、送信して下さい。会社窓口を経由して申込まれる場合は、必ず窓口の方にご相談下さい。 ※なお、申込みいただいたデータは、鉄鋼工学セミナーに関する業務以外の用途には使用いたしません。 |
問合せ先: (一社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 植田 TEL.03-3669-5932 FAX.03-3669-5934 E-mail:educact@isij.or.jp 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町 3-2-10 鉄鋼会館5階 |
●鉄鋼工学セミナーWG● | 主 査 | 一田 守政(秋田工業高等専門学校機械工学科教授) | | (製銑グループ) | リーダー | 一田 守政(秋田工業高等専門学校機械工学科教授) | 幹 事 | 笠井 昭人((株)神戸製鋼所技術開発センター製銑・製鋼開発部製銑開発室) | | (製鋼グループ) | リーダー | 井上 亮(東北大学多元物質科学研究所サステナブル理工学研究センター准教授) | 幹 事 | 宮田 政樹(住友金属工業(株)総合技術研究所製鋼研究開発部主任研究員) | 幹 事 | 小北 雅彦((株)神戸製鋼所技術開発センター製銑・製鋼開発部製鋼開発室室長) | | (材料・圧延グループ) | リーダー | 足立 吉隆(鹿児島大学工学部機械工学科教授) | 幹 事 | 浜田 龍次(住友金属工業(株)総合技術研究所鋼板プロセス研究開発部主任研究員) | 幹 事 | 植田 茂紀(大同特殊鋼(株)研究開発本部特殊鋼研究所耐食・耐熱材料研究室室長) | 幹 事 | 川﨑 薫(新日本製鐵(株)鉄鋼研究所薄板材料研究部主幹研究員) |
第38回鉄鋼工学セミナー基本プログラム(Ⅰ)製銑コース 講義-1 | 熱力学と状態図・・・ | 東北大学多元物質科学研究所准教授 植田 滋 | 講義-2 | 石炭・鉱石事情の現状と今後・・・ | 新日本製鐵(株)原料第二部(原料第一部兼務)専門部長 長野 研一 |
講義-3 | 焼結鉱の製造と性状・・・ | (株)日鉄技術情報センター富津知的財産推進部知財推進第四グループマネージャー 中野 正則 | 講義-4 | 反応速度論・・・ | 東京工業大学原子炉工学研究所エネルギー工学部門准教授 加藤 之貴 |
講義-5 | 石炭性状とコークス製造・・・ | 住友金属工業(株)総合技術研究所製銑研究開発部主任研究員 上坊 和弥 |
講義-6 | 新製鉄プロセス・・・ | (株)神戸製鋼所技術開発センター製銑・製鋼開発部製銑開発室 笠井 昭人 | 講義-7 | 移動速度論・・・ | 九州大学大学院工学研究院化学工学部門教授 深井 潤 |
講義-8 | 粉体工学と高炉装入物分布・・・ | JFEスチール(株)スチール研究所製銑研究部主任部員 渡壁 史朗 | 講義-9 | 高炉極限操業の理論と実践・・・ | JFEスチール(株)スチール研究所製銑研究部主任研究員 石井 純 | 講義-10 | 製銑プロセスにおける速度論演習・・・ | 室蘭工業大学大学院工学研究科もの創造系領域教授 埜上 洋 | 講義-11 | 高炉内反応と炉下部現象・・・ | 秋田工業高等専門学校機械工学科教授 一田 守政 | 講義-12 | 製銑プロセスのシミュレーション解析・・・ | 大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻助教 小西 宏和 |
テーマ:「製銑プロセスのあるべき姿を考える」 中国に代表される新興国での粗鋼生産量の増大、資源メジャーの寡占化、等を背景に、近年、資源価格が高騰し、資源を持たない日本が作り上げてきた高品位輸入原料に依存した原料事前処理→高炉法、湾岸一貫製鉄所のビジネスモデルは転換期に差し掛かりつつある。そこで、「資源価格高騰および原料劣質化の観点から、日本の製銑プロセスは将来どうあるべきか」、についてグループ討論を実施する。 【宿題】原料劣質化による製銑高炉プロセス(原料事前処理→大型高炉)の課題を抽出し、第1日目にグループメンバーに報告する。 【討論】原料劣質化に対応可能な製銑プロセスのあるべき姿を議論する。 | セミナー期間中は文献やインターネット情報が入手困難であることを前提に、必要と思われる資料は事前に準備の上、持参すること。また、プレゼンテーション用ソフトが入ったパソコンを各自持参すること。 |
(1)セミナー講義はテキスト内容を前提に行われますので、予習実施の上、ご参加下さい。 (2)講義毎に宿題が出されていますので、解答を初日のオリエンテーションの際にご提出 下さい。 Ⅱ)製鋼コース 講義-1 | 熱力学・・・ | 東北大学多元物質科学研究所サステナブル理工学研究センター准教授 井上 亮 | 講義-2 | 熱力学ケーススタディ・・・ | JFEスチール(株)スチール研究所製鋼研究部 菊池 直樹 | 講義-3 | 反応速度論・・・ | 名古屋工業大学大学院しくみ領域物質工学専攻准教授 奥村 圭二 | 講義-4 | 速度論ケーススタディ・・・ | 岡山大学大学院環境科学研究科資源循環学専攻教授 加藤 嘉英 | 講義-5 | 凝固基礎・・・ | 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻教授 鈴木 俊夫 | 講義-6 | 連続鋳造力学的挙動・・・ | 住友金属工業(株)総合技術研究所製鋼研究開発部 花尾 方史 | 講義-7 | 凝固ケーススタディ・・・ | (株)神戸製鋼所技術開発センター製銑・製鋼開発部製鋼開発室室長 小北 雅彦 | 講義-8 | 状態図・・・ | 東北大学大学院工学研究科金属フロンティア工学専攻教授 長坂 徹也 | 講義-9 | 移動現象論・・・ | 新日本製鐵(株)先端技術研究所数理科学研究部主幹研究員 藤 健彦 |
講義-10 | 介在物・・・ | 新日本製鐵(株)プロセス研究開発センター製鋼研究開発部主任研究員 諸星 隆 |
講義-11 | 電気炉製鋼法・・・ | 大同特殊鋼(株)鋼材構造改革プロジェクト副主席部員 永谷 哲洋 | トピックス | プロセス概論(精錬)・・・ | 住友金属工業(株)総合技術研究所製鋼研究開発部主任研究員 宮田 政樹 | トピックス | プロセス概論(連鋳)・・・ | JFEスチール(株)スチール研究所製鋼研究部主任研究員 村井 剛 |
テーマ:「10年後もしくは30年後を見据えた日本の製鋼プロセスの提案」 昨今の鉄鋼業を取り巻く環境を鑑みると、中国を中心とした新興国における生産能力の急拡大、年産1億トンにも及ぶ巨大鉄鋼メーカーの出現、一昨年の米国金融危機を発端とした景気後退に伴う需給バランス劇変など、日本の鉄鋼業は厳しい国際競争の荒波にもまれている。また、CO2排出規制など地球環境問題や良質原料の枯渇問題も最早避けては通れない課題である。これらの視点に立って、日本の鉄鋼業経営には何が求められるか?その中で、製鋼プロセスはどうあるべきか?受講生の方が第一線の中心として活躍する10年後を見据えて、現在の課題を打破する発展的発想からなる鉄鋼プロセスについて議論する。もしくは、従来の固定観念的発想を超えた30年後の未来鉄鋼プロセスについて議論してもよい。 いずれのテーマにおいても既存の概念やプロセスにとらわれず自由に議論することが望まれるが、議論の方向性の参考として、以下にテーマ例を記す。 (1)10年後の鉄鋼プロセス ・製鉄所外にスラグを全く排出しない鉄鋼プロセス ・CO2排出量の極小化はどこまで可能か? ・熱ロスを極小化できる鉄鋼プロセス ・不純物元素(りん、硫黄)の濃度を極小化できる大量鉄鋼生産プロセス ・製鉄所内でのレアメタルリサイクルによる国際資源戦略対策 ・鋼材特性から見た直送圧延プロセスの改良 (2)30年後の鉄鋼プロセス ・高炉・転炉を用いない大量鉄鋼生産プロセス ・製鉄所の鉄とエネルギーを利用した大製造コンビナート構想 ・環境と人間にどこまでもやさしい製鉄所 ・作業者ゼロの完全自動化された製鉄所 なお、事前に通知されるグループ分けをもとに参加者相互で連絡を取り合い、研修中は文献やインターネット情報等の入手が困難であることを前提に、各自で必要と思われる資料は事前に入手、準備の上持参すること。また、可能な限りプレゼンテーション用ソフトおよび計算ソフト(Excel等)が入ったノートパソコンを各自持参すること。 グループ編成の参考とするため、下記の区分から希望する分野を選択して、申込書の所定欄にご記入下さい。 【区分】(1)製鋼全般、(2)精錬、(3)連鋳、(4)品質、(5)環境
製鋼コースは「プロセス概論」の講義を、精錬、連鋳の2分野並列で行います。取り扱う内容は基礎的な事象が中心となりますので、大学や会社での研究領域、あるいは業務担当とは異なる科目を受講して下さい。精錬担当の方であればプロセス概論(連鋳)を、連鋳担当の方であればプロセス概論(精錬)を選択していただきます。6月中旬のテキスト配布時に聴講選択の調査をしますので、その際に回答して下さい。 製鋼コースには、講義により宿題があります(オリエンテーション時に提出)。テキストをご確認下さい。 なお、同時に開催される他コース(コークス、材料・圧延)の講義を受講することもできます。他のコースのカリキュラムもご参照下さい。但し、連番(1、2)が付いた講義は2コマで一つの講義になるように受講内容が企画されますので、必ず連続して受講して下さい。 (Ⅲ)材料・圧延コース 講義-1、2 | 鉄鋼の熱処理概論1,2・・・ | 鹿児島大学工学部機械工学科教授 足立 吉隆 | 講義-3 | 塑性変形概論・・・ | 兵庫県立大学工学部応用物質科学科准教授 土田 紀之 | 講義-4 | 鉄鋼の強度学概論・・・ | 土田 紀之(前掲) | 講義-5 | 熱間圧延の金属学・・・ | 岡山大学工学部機械工学科材料物性学教授 瀬沼 武秀 |
講義-6 | 材料熱力学概論・・・ | 東北大学大学院工学研究科金属フロンティア工学専攻准教授 大沼 郁雄 |
講義-7 | 組織解析概論・・・ | 東北大学金属材料研究所材料・プロセス評価研究部教授 今野 豊彦 |
講義-9 | 沸騰冷却の基礎・・・ | 福井大学大学院工学研究科機械工学専攻准教授 永井 二郎 | 講義-10、11 | 圧延の理論と操業1,2・・・ | 東北大学工学研究科金属フロンティア工学専攻教授 藤田 文夫 |
講義-12 | 厚板・溶接・・・ | JFEスチール(株)スチール研究所 鋼材研究部 主任研究員 石川 信行 |
講義-13 | 熱延・冷延鋼板・・・ | 新日本製鐵(株)鉄鋼研究所薄板材料研究部主幹研究員 川﨑 薫 | 講義-14、15 | 脆性破壊と疲労破壊1,2・・・ | 名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻准教授 田川 哲哉 |
講義-16 | 圧延における3次元変形・・・ | 大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授 宇都宮 裕 | 講義-17 | トライボロジー・・・ | 岐阜大学工学部機械システム工学科教授 王 志剛 | 講義-18 | 条鋼圧延・・・ | 東京理科大学工学部第二部経営工学科教授 野口 幸雄 |
講義-19 | 圧延機・・・ | 三菱日立製鉄機械(株)広島事業所圧延プロジェクト部プロジェクトグループ主席技師 石川 英司 |
講義-20 | 表面処理・防食・・・ | (株)神戸製鋼所鉄鋼事業部門技術開発センター薄板開発部表面処理開発室主任研究員 奥村 和生 | 講義-21 | ステンレスの最新の科学・技術・・・ | JFEテクノリサーチ(株)ソリューション本部(千葉)腐食防食部部長(理事) 宇城 工 | 講義-22 | 圧延における計測制御・・・ | 住友金属工業(株)総合技術研究所鋼板プロセス研究開発部 鷲北 芳郎 |
講義-23 | 圧延研究の変遷と展望・・・ | 東京大学名誉教授 木内 学 |
トピックス | 製銑製鋼概論1,2・・・ | 新日本製鐵(株)プロセス研究開発センター製鋼研究開発部主任研究員 諸星 隆 | イブニングセミナー | 題目未定 | 茨城大学大学院理工学研究科応用粒子線科学専攻教授 友田 陽 |
現在、我が国の鉄鋼業は、新興国の台頭による国際競争激化の中でいかに製品や製造技術の優位性を維持していくか?また、自動車への炭素繊維の適用といった他分野との競合の中で、素材としての鉄の可能性を高めていくにはどうすればよいか?さらに、環境・エネルギー・資源問題や世界経済などの社会的状況変化の中で鉄鋼製造はどうあるべきか?など、多くの厳しい課題に直面しています。しかし、これまでの日本鉄鋼業の歩みを振り返ると、困難な状況の中でこそ先進的な製品や革新的な設備・製造プロセスを開発し、世界に冠たる技術を構築してきました。時代を担う受講生諸君には、現在の状況をバネに知恵を出し合い、我が国の鉄鋼業を変革し、飛躍させることを期待します。 このような視点に立って、材料・圧延に携わる技術者としての立場から、これからの鉄鋼製品や製造技術はどうあるべきかについて議論します。 討論の内容には、将来に向けての先端的課題や展望といった視点を含むこととし、以下のテーマ区分とします。具体的な討論内容は特に指定しないが、各グループ内で議論を行い、合意した内容を選択します。 | (1)「高機能・高付加価値製品の提案」 ・鉄鋼の可能性を拡大する、また、信頼性を向上させるための機能・付加価値をもった製品を考える。 ・例えば、現状の特性を飛躍的に高める、あるいは、これまでにない新たな用途や機能 等。そのために必要な物性は何か?それを実現するためのメタラジー、設備、製造プロセスはどのようなものか?解決すべき課題は?等 | (2)「理想の鋼材製造プロセス」 ・製品特性や品質、生産性、コスト等を追求する上で理想とする圧延、熱処理・表面処理、精整などの製造プロセスや設備・計測制御技術などを考える。 ・例えば、中国・インド・ブラジルなどに建設される新しい設備の能力に負けない製造技術として何を考えれば良いか?あるいは、現在のプロセスに替わる革新的な製品製造技術はどのようなものか?等 | [事前準備]事前に通知されるグループ分けをもとに、参加者相互で連絡を取り合い、具体的な討議案を事前にグループ内で決めておくこと。また、プレゼンテーション用ソフトが入ったパソコンを各グループで1台以上持参すること。なお、研修中は文献やインターネット情報等の入手が困難であることを前提に、各自で必要と思われる資料は事前に入手、準備の上持参すること。 | |
材料・圧延コースは同一時間に複数の講義が並列して行われる日があります。準備の都合上、受講を希望する講義科目を事前に各受講生から指定していただきます。6月中旬のテキスト配布時に、聴講希望の調査をしますので、配布されたテキストを参考にして希望講義科目を決定し、回答して下さい。 連番(1、2)が付いた講義は2コマで一つの講義になるように受講内容が企画されますので、必ず連続して受講して下さい。同時に開催される他コース(コークス、製鋼)の講義を受講することもできます。他のコースのカリキュラムもご参照下さい。 |