- 協賛(50音順):
- (公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(一社)型技術協会、(一財)金属系材料研究開発センター、(公社)計測自動制御学会、(一社)色材協会、(一社)資源・素材学会、(公社)自動車技術会、ステンレス協会、(公社)電気化学会、(一社)電気学会、(公社)土木学会、(公社)日本化学会、 (一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(社)日本金属学会、(一社)日本建築学会、(公社)日本顕微鏡学会、日本鉱業協会、(社)日本鋼構造協会、日本材料科学会、(公社)日本材料学会、(一社)日本自動車工業会、(一社)日本塑性加工学会、(一社)日本鉄鋼連盟、(一社)日本電機工業会、日本塗装技術協会、(一社)日本熱処理技術協会、(公社)日本表面科学会、 (公社)日本分析化学会、(一社)日本防錆技術協会、(一社)日本溶射学会、(一社)日本溶融亜鉛鍍金協会、 (一社)表面技術協会、(社)腐食防食協会、(社)プレハブ建築協会、(独)物質・材料研究機構、(一社)未踏科学技術協会、 (一社)溶接学会
講座の視点: 自動車、家電、容器などの薄鋼板表面処理技術の進化は著しいものがある。一方で、環境負荷低減の視点から鋼構造材の腐食防食技術の進化も著しい。前回、2005年に薄板表面処理技術の講座が開設され7年が経過しようとしている。近年、耐食性を支えている表面皮膜の構造および物性(固体、コロイド)の解析技術などが飛躍的に進歩してきた。本講座では、最新のナノ構造解析、界面電気化学反応解析に基づく腐食界面の電極化学の進歩と腐食機構の解説を中心に行い、材料開発におけるこれら評価技術の応用展開と今後の展望も取りまとめる。なお、本講座後に開催予定の第64回白石記念講座では「鋼・コンクリート構造物の腐食・防食、劣化とセンシング技術の課題と展望」と題して、本講座の応用技術である鋼構造物や鉄筋コンクリート構造物に関する腐食・劣化という視点からの安全設計、実鋼構物の防食やモニタリング技術を扱う予定である。 |
1.期日・場所: | 第211回
| 2012年11月 9日(金) 9:30~16:45 受付時間 8:45~16:00 東京 東京電機大学(東京千住キャンパス)1号館2階大ホール(丹羽ホール) 会場案内 (東京都足立区千住旭町5) | 第212回
| 2012年11月16日(金) 9:30~16:45 受付時間 8:45~16:00 大阪 (株)ラソンテ 3階会議室 会場案内 (大阪市淀川区宮原1-6-1 新大阪ブリックビル3階) |
★当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。NO photography, audio recording and video recording.★ 4.参加費 (税込み、テキスト付): | 会員(含協賛団体個人会員) 8,000円、一般 15,000円、学生会員 1,000円、学生非会員 2,000円 ※会員割引は個人の会員のみ有効です。受付で本会あるいは協賛団体の会員証をご提示下さい。 ※当日入会手続きは中止いたしました。会員資格による参加を希望の方は、あらかじめ入会手続きを済まされますよう、お願い申し上げます。 | ★テキストは、最終講座終了後(2012年11月19日以降)残部がある場合、鉄鋼協会会員8,000円、一般15,000円で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 (株)OCS 連絡先:TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp 〒108-8701 東京都港区芝浦2-9-13 |
問合せ先: (一社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 太田 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町 3-2-10 鉄鋼会館5階 TEL.03-3669-5932 FAX.03-3669-5934 E-mail:educact@isij.or.jp |
[講演概要] 1)「鉄錆」の構造と耐食機構に関わる最近の進歩と今後の展望 (大塚 俊明) 鉄錆は環境によりその組成が変化すると同時に、下地鋼保護性も大きく変わる。保護性の高い錆は、錆それ自身の成長を大幅に抑制するので、下地鋼の腐食速度を大きく減少させる。錆の保護性は環境の塗れ時間ならびに環境イオンの影響で変化する。濡れ時間が長いと、マグネタイトの割合が大きくなり、また塩化物イオンが存在するとβ-FeOOHが生成する。両者とも、下地保護性を低下させ、さび成長が持続する結果となる。一方、鉄不動態皮膜はμm-mm厚さの鉄錆の異なり、数nm厚さで鉄鋼を防食する。非常に緻密で、イオン伝導性の低い酸化物層が生成している。不動態皮膜に関する考察は熱力学的モデル、イオン伝導体モデル、ならびに半導体酸化物モデルからなされている。不動態皮膜の測定法とその結果ならびに上記モデルに関して紹介する。 | 2)腐食モニタリング技術の最近の進歩と今後の展望 (西方 篤) 鉄鋼材料を低コストで長時間にわたって使用するためには、メンテナンスを効率的に行わなくてはならない。そのためには、材料の腐食状況を長期的かつ連続的にモニタリングし、その環境劣化機構を解明する必要がある。本講座では、電気化学的な腐食モニタリングの基本的な考え方を解説するとともに、最近の新しい腐食モニタリング手法について紹介する。さらに、実験室模擬環境における炭素鋼、ステンレス鋼、表面処理鋼板および塗装鋼板の腐食モニタリング通用例、また実大気環境での耐候性鋼およびステンレス鋼の腐食モニタリング通用例について紹介し、腐食モニタリング技術の動向と今後の課題および将来展望について述べる。 | 3)大気中の腐食評価技術に関わる最近の進歩と今後の展望 (篠原 正) 大気環境においては、腐食は、降雨時や高湿度下での結露時などのぬれ期間に薄い水膜の下で成長し、乾き期間には停止する。したがって、種々の環境条件やその環境下での腐食挙動を把握することが必要となる。しかしながら、大気中においては、電流経路を確保することが難しく、従来のような電気化学的手法の適用が困難であるとされてきた。近年、これを克服するため、多くの測定手法が提案され、環境や腐食挙動の解析あるいはモニタリングに適用されるようになってきた。本稿では、そうしたモニタリング・評価手法によって明らかにされてきた水や付着物の役割を中心に、大気中の鋼材腐食の評価・寿命予測技術のこれまでの進歩をまとめ、今後の展望を述べる。 | 4)腐食界面構造の解析技術の最近の進歩と今後の展望 (野呂 寿人) 自動車用めっき鋼板や環境負荷を低減した家電用クロメートフリー鋼板などの高機能鋼板では腐食防食技術の進歩が著しい。これら高機能鋼板の耐食性を中心とする表面機能は、下地鋼板表層、めっき層、化成処理皮膜ならびにこれらの各界面のサブミクロン~ナノメートルサイズの構造によって左右されている。高機能鋼板の表面機能の進歩は、このような界面構造の実態評価と歩みを共にしてきた。本講座では、このような表面機能を支える表面皮膜、界面構造、腐食生成物の実態を明らかにするための分析・解析技術の最近の進歩と将来展望について述べる。 | 5)数値解析による腐食解析技術に関わる最近の進歩と今後の展望 (岡田 信宏) 現在、数値解析は、数多くの分野で活用され、鉄鋼業においても多大な恩恵をもたらしており、腐食防食分野への適用も期待されている。しかし、腐食現象は、多様な環境下において、多くの成分と反応が混在する複雑な現象であるため、腐食現象の数値モデル化は非常に困難である。一方で、アノードとカソードが明確に分離可能なガルバニック腐食に関しては、比較的古くから開発が行われてきており、近年、溶液中のイオン濃度分布や腐食生成物を考慮した計算が可能となってきた。本講座では、腐食防食に関する数値解析技術の進歩をまとめ、今後の課題及び将来展望を述べる。 | 6)鉄鋼材料の腐食科学に関する最近の進歩と今後の展望 (原 信義) 持続可能な人間社会の実現のために、低コスト化と高性能化の要求に加えて資源の節約と環境負荷の軽減を念頭においた材料設計が求められるようになってきた。耐食材料の代表格であるSUS304およびSUS430などの汎用ステンレス鋼の場合、Cr, Ni, Moなどの合金元素添加量の低減が望まれる。すなわち、21世紀型ステンレス鋼(グリーンステンレス鋼)の実現には「低Cr含有鋼の耐食性を極限まで高めること」が必要である。本講座では長年に渡るステンレス鋼の不働態皮膜の研究を通じて得られた知見、最近の新しい手法による局部腐食発生過程の解析結果、および新規の不働態化処理法の開発について解説すると共に、グリーンステンレス鋼の開発に資する研究の将来展望について述べる。 |
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