協賛予定(50音順): (公社)応用物理学会、(公社)化学工学会、(一社)軽金属学会、(公社)計測自動制御学会、(一社)資源・素材学会、(公社)自動車技術会、(社)電気学会、(公社)土木学会、(一社)日本機械学会、(公社)日本技術士会、(社)日本金属学会、(社)日本建築学会、(社)日本鋼構造協会、日本材料科学会、(公社)日本材料学会、日本材料試験技術協会、(公社)日本船舶海洋工学会、(社)日本塑性加工学会、(公社)日本鋳造工学会、(社)日本熱処理技術協会、(社)日本分析化学会、(一社)表面技術協会、(社)腐食防食協会、(独)物質・材料研究機構、(社)溶接学会 講座の視点: 鉄鋼材料は社会基盤を支える基幹材料として、将来においても幅広い業界において、社会構造や環境変化に対応したより一層の高強度・高機能化が求められている。鉄鋼材料という側面で、我が国産業の国際競争力維持・強化及び社会的課題を認識するとともに省資源・省エネルギー、高信頼性を確保することを可能とする革新的な鉄鋼材料を実現する高強度・高機能化に向けた組織制御技術とメタラジーの最新基盤技術の研究・開発状況とそれらを活用した鉄鋼材料の用途展開について紹介する。 |
1.期日・場所: 第209回 2012年6月1日(金) 受付時間 8:45~16:00 東 京 早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館大会議室 (東京都新宿区大久保3-4-1) 第210回 2012年6月8日(金) 受付時間 8:45~16:00 新大阪 ㈱ラソンテ 3階会議室 (大阪市淀川区宮原1-6-1新大阪ブリックビル3階 TEL.06-6397-1817)
2.プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。ダウンロードも可能です。 9:30~10:30 【基調講演】鉄鋼材料の組織制御と特性予測技術の進歩 茨城大学 理工学研究科 応用粒子線科学専攻 教授 友田 陽 10:30~11:20 高機能化に向けた凝固・鋳造技術 大阪大学 大学院 工学研究科 知能・機能創成工学専攻 教授 安田 秀幸 12:10~13:00 高強度・高機能化に向けた加工熱処理・解析技術 東北大学 金属材料研究科 金属組織制御学研究部門 教授 古原 忠 13:00~13:50 鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅰ) 厚板 JFEスチール㈱ スチール研究所 鋼材研究部 部長 三田尾 眞司 13:50~14:40 鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅱ)薄板 新日本製鐵㈱ 技術開発本部 フェロー 鉄鋼研究所 薄板材料研究部長 高橋 学 15:00~15:50 鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅲ) 鋼管 住友金属工業㈱ 総合技術研究所 鋼管研究開発部 部長 近藤 邦夫 15:50~16:40 鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅳ) 線材・棒鋼 ㈱神戸製鋼所 鉄鋼事業部門 技術開発センター 線材条鋼開発部 部長 鹿礒 正人
3.事前申込み: 不要
4.参加費(税込み、テキスト付): 会員(含協賛団体個人会員) 8,000円、一般 15,000円、学生会員 1,000円、学生非会員 2,000円 ※当日入会手続きは中止いたしました。 会員資格による参加をご希望の方は、あらかじめ入会手続きをされますよう、お願い申し上げます。 ※会員割引は個人の会員のみ有効です。受付で本会あるいは協賛学協会の会員証をご提示下さい。 ★テキストは、最終講座終了後(2012年6月11日以降)残部がある場合、鉄鋼協会会員8,000円、 一般15,000円で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 (株)OCS 連絡先:TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp 〒108-8701 東京都港区芝浦2-9-13
問合せ先: (社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 太田 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2 新倉ビル2階 TEL.03-5209-7014 FAX.03-3257-1110 E-mail:educact@isij.or.jp |
当該技術講座の撮影、録音は一切禁じます。 No photography, audio recording and video recording.
[講演概要] 1)【基調講演】鉄鋼材料の組織制御と特性予測技術の進歩(茨城大・友田 陽) 強度・延性・靱性の向上を目的に発展してきた鉄鋼の組織制御技術について基礎的観点から整理を試みる。その発展を支えてきたミクロ組織形成および特性発現に関する実験的手法と計算工学による組織・特性予測の現状を考察する。さらなる機能向上に向けた諸課題をブレークスルーするために、ミクロ組織および応力分布の定量評価に関して、ナノから実製品サイズまでスケールブリッジングする3次元その場測定技術と計算工学的手法の相補的活用への期待を述べたい。
2)高機能化に向けた凝固・鋳造技術 (阪大・安田秀幸) 鋳片割れ、偏析、介在物など鋳片の品質に関わる欠陥を低減する技術だけでなく、鋳造過程において機能性の向上を実現する積極的な組織制御技術の確立は、今後、ますます重要である。従来の組織観察、モデリング・シミュレーションに加えて、X線イメージングやレーザ顕微鏡による直接観察も実現され、凝固現象の実証的理解も深化しつつある。本講座では、放射光を利用した凝固過程の観察結果に基づき、鉄鋼材料の凝固・組織形成機構を再検証し、割れ、偏析の形成、介在物の捕捉などの機構を概説し、基礎研究の視点から今後の課題について議論する。
3)高強度・高機能化に向けた加工熱処理・解析技術 (東北大・古原 忠) 鉄鋼はナノ組織の制御技術が最も進んでいる構造用材料である。近年は、超強加工を含めた今までにない加工熱処理プロセスによる材料創製、3次元観察などの先端的ナノ解析技術を用いた材料のヘテロ構造の解明、第一原理など計算科学の応用による材料設計など、新しい材料の組織と特性の制御につながるような注目すべき研究が進展を見せている。本講座では、これら鉄鋼における原子レベルでの先進的な組織制御技術の新展開及び最先端解析技術を用いた微細組織解明の研究の進展状況について概説する。
4)鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅰ) 厚板 (JFE・三田尾眞司) 厚鋼板は、私たちの快適な近代生活を支えるインフラストラクチャー用途として不可欠な構造材料である。経済性を前提として、厚鋼板の目指すものは、「安心・安全性能」の向上であり、ミクロ組織制御を基本とした高性能鋼材の開発が進められている。例えば、コンテナ船、高層建築物に代表されるように、鋼構造物の大型化が進み、使用される厚鋼板の板厚も増大する中、溶接施工性、溶接継手性能を確保するためには、適正な成分設計と、非金属介在物を含む精緻な組織制御技術が必要である。また、地震等における構造物の破壊・倒壊に対する抵抗を強めるためにも、様々な組織制御技術が開発されている。厚鋼板において進歩を遂げつつある、新しい組織制御技術とその適用例を中心に概説する。
5)鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅱ) 薄板 (新日鐵・高橋 学) 自動車分野では、社会や自然環境との調和に対する要求が高まっている。特に、衝突安全性の向上とCO2排出削減のための自動車車体軽量化という、相反する要求を達成する為に様々な技術的取組みが進められている。素材メーカーとしてこの要求に対応するためには、造形性に優れた鋼材の開発に加えて、これら高強度鋼材の利用加工技術開発も非常に重要である。鋼材の造形性はそのミクロ組織に依存することから、最適なミクロ組織の明確化と制御技術の確立が必要となる。ここでは特に自動車軽量化や衝突特性向上に向けた鋼材のミクロ組織制御技術の進展について述べ、更に、塑性加工技術への展開についても触れたい。
6)鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅲ) 鋼管 (住金・近藤邦夫) リーマンショック後の世界同時不況による足踏み状態があったものの、再びBRICsを中心とした新興国の経済成長に伴い、エネルギー需要が拡大基調に戻ってきた。これに伴って、油田、ガス田の活発な開発が進み、油井管、ラインパイプを主体とした鋼管の需要全体が拡大している。エネルギー需要の拡大は、過酷な環境下での油田・ガス田の開発指向を加速し、厳しい環境でも使用することができる新たな材料開発が求められている。さらに低炭素社会の構築・環境負荷の低減、グローバル化に伴う低コスト化などにより、鋼管に対する要求がさらに高級化・高機能化へと動いている。本講座では最近の鋼管に要求される高級化、高機能化のトレンドを紹介し、それらを実現するための研究開発や新技術の進歩と今後の展望を概説する。
7)鉄鋼材料のメタラジーの進歩(Ⅳ) 線材・棒鋼 (神戸製鋼・鹿礒正人) 特殊鋼線材・棒鋼は、高強度で安価な特長を活かして、自動車や産業機械、電気・電子機器、土木・建築など幅広い産業分野で使われている。昨今、いずれの産業分野からも特殊鋼に対し多くの要望が出されている。特に環境問題への関心の高まりに呼応して、CO2削減を目的とした部品の小型・軽量化につながる高強度鋼の開発が強く望まれている。過去から部品の高強度化には継続的に取り組んできたが、ここでは最近の研究開発事例として、自動車部品を例にとり、高強度化を阻害する要因の解明と具体的な対策を紹介する。
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