協賛(50音順):(社)化学工学会、(社)計測自動制御学会、(社)資源・素材学会、(社)自動車技術会、(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構、(社)電気学会、(社)土木学会、(社)日本エネルギー学会、(社)日本機械学会、(社)日本技術士会、(社)日本金属学会、(社)日本建築学会、(社)日本材料学会、(社)日本自動車工業会、(社)日本塑性加工学会、(社)日本鉄鋼連盟、(社)日本熱処理技術協会、(社)日本分析化学会、(社)腐食防食協会、(独)物質・材料研究機構、(社)溶接学会 講座の視点: 地球温暖化による環境破壊を最小限に食い止めるために、2050年までに地球温暖化ガス排出量を50~80%削減するなどの長期目標設定が検討されつつある。2007年に国連機関IPCCの地球温暖化に関する報告書で指摘され、先進国首脳会議G8で真剣な検討課題とされた。このことは我が国のCO2排出量の半分弱を占める産業のプロセスを根本から変える必要性をも意味する。鉄鋼分野においては、技術先進国である日本がCO2削減技術のリーダーシップを取るべき立場にある。 本講座では、CO2削減に向けた鉄鋼分野の現在の取組み、活動状況について、技術が有するCO2削減の基礎原理を分かり易く解説し、その技術がもたらすCO2削減へのインパクトを説明するとともに、新たなCO2削減技術の可能性を長期的視野に立ち検討を行う。 |
1.期日・場所: 第203回 2010年11月 5日(金) 9:30~16:50 東 京 東京電機大学 7号館1階丹羽ホール(東京都千代田区神田錦町2-2 TEL.03-5280-3405(代))
第204回 2010年11月12日(金) 9:30~16:50 神 戸 西山記念会館 大ホール(神戸市中央区脇浜町3-4-16 TEL.078-221-1746(事務室))
2.プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 9:30~10:30 COP15以降の地球温暖化対策の動向 東京大学 大学院工学系研究科 客員教授 足立 芳寛 10:30~11:30 CO2削減に向けた製銑技術の進歩 新日本製鐵㈱ 執行役員 製銑技術部長 三輪 隆 11:30~12:30 CO2削減に向けた製鋼技術の進歩 ㈱住金鋼鉄和歌山 取締役製鋼部長 藤原 清人 13:30~14:30 CO2削減に向けた省エネルギー技術の進歩 JFEスチール㈱スチール研究所 環境プロセス研究部 藤林 晃夫 14:50~15:50 CO2分離回収・貯留(CCS)技術の現状と将来展望 (財)地球環境産業技術研究機構 東京分室長・研究企画グループ専門役 高木 正人 15:50~16:50 低炭素・脱炭素に基づく将来製鉄プロセスへの展望 東北大学 多元物質科学研究所 教授 有山 達郎
3.事前申込み: 不要
4.参加費(税込み): 会員(含協賛団体個人会員) 8,000円、一般 15,000円、学生会員 1,000円、学生非会員 2,000円 ※参加者には講演テキスト1冊を無料でさしあげます。なお、当日入会の申込をし、会費と入会金(正会員10,700円、シニア会員5,800円、準会員4,900円、学生会員3,000円)をお支払いいただいた方は、会員参加費または学生会員参加費で参加できます。 ※会員割引は個人の会員のみ有効です。受付で本会あるいは協賛学協会の会員証をご提示下さい。 ★テキストは、最終講座終了後(2010年11月15日以降)残部がある場合、会員8,000円、一般15,000円で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である(株)OCSへ直接ご連絡下さい。 (株)OCS 連絡先:TEL.03-5476-8108 FAX.03-5476-5860 E-mail:subsales@ocs.co.jp 〒108-8701 東京都港区芝浦2-9-13 問合せ先: (社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 植田、内田 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2 新倉ビル2階 TEL.03-5209-7014 FAX.03-3257-1110 E-mail:educact@isij.or.jp |
[講演概要] 1)COP15以降の地球温暖化対策の動向 (東大・足立芳寛) 地球温暖化防止への取組みは、21世紀における世界の最重要課題の1つと認識されている。特に、世界経済の成長センターとしてのBRICs諸国&東アジアの発展途上国の対策枠組みへの参加動向は、今後の世界景気への影響と温暖化対策を実効あるものとする上で重要な要素となってきている。 本講座では、地球温暖化対策の初の国際的枠組み条約である京都議定書を更に強化するべく意図されたCOP15会合の結果と、今後の動向についての見通しを報告する。
2)CO2削減に向けた製銑技術の進歩 (新日鐵・三輪 隆) 我が国の製銑プロセスの還元材は主として石炭系原料(コークス、微粉炭)を使用している。今まで取り組んできた高炉還元材比低減技術を振り返るとともに、今後、CO2を削減するためにはどのようなプロセス改善、変革が可能であるかを考察する。例として、鉄鋼連盟で現在取り組んでいる「環境調和型製鉄プロセス技術(COURSE50)」及び「資源対応力強化のための革新的製銑プロセス技術開発」を取り上げて報告する。また、製銑プロセスでのプラスチックリサイクル、カーボンニュートラル還元材の利用についても検討する。
3)CO2削減に向けた製鋼技術の進歩 (住金鋼鉄和歌山・藤原清人) 鉄鋼先進国である日本の製鋼分野においては、大型設備を用いた大量生産により効率向上を図る一方で、製品の高級多品種化のニーズにこたえる必要性から能率低下とエネルギー消費の増大を余儀なくされるという矛盾した問題を抱えていた。本講座では、エネルギー消費の削減に大きな貢献をもたらす鉄鋼製品をより少ないエネルギー消費で製造することを可能とするという観点で、革新的な製鋼プロセスが果たした役割を実例とともに紹介し、今後の展望を概括報告する。
4)CO2削減に向けた省エネルギー技術の進歩 (JFE・藤林晃夫) 鉄鋼業界は大幅なCO2排出削減に取り組み中であるが、ゼロエミッションや環境負荷物質削減の社会的要請は一層強まっており、新たな観点での省エネ技術、エネルギー施策、熱・流体技術の中長期的課題に取り組んでいくことが必須である。本講座では、これまでに行なわれてきた鉄鋼における省エネルギー技術開発を俯瞰した上で、今後極限まで省エネルギーを進めるための、まだ実用化されていない技術シーズを紹介し、さらに他産業や地域全体を見通して省エネルギーにつながるエココンビナートやエコジェネレーションについて述べる。
5)CO2分離回収・貯留(CCS)技術の現状と将来展望 (RITE・高木正人) CO2の分離回収・貯留(Carbon Dioxide Capture and Storage,CCSと略す)が大量のCO2の削減が実現可能な技術として世界的に注目を集めている。洞爺湖サミットでも議論された2050年に世界のCO2排出量を半減するといった大幅な削減目標を置くとき、CCSなしではシナリオが描けないといっても過言ではない。 本講座では、CCSとそれを構成する要素、国内外の動向、研究開発の現状と課題について概観したのち、温暖化対策としての位置づけ、CO2削減を達成させた持続可能な社会におけるCCSの役割について考えてみたい。
6)低炭素・脱炭素に基づく将来製鉄プロセスへの展望 (東北大・有山達郎) 2020年を中期、2050年を長期目標として、あらゆる分野において地球温暖化ガス排出の大幅削減が最優先課題となっている。鉄鋼業は製造業の中でもCO2排出量が最も大きく、プロセスの抜本的な見直し、また革新的な技術開発が必要とされる。本講座では、一貫製鉄所のエネルギーバランス、機能分析をもとにCO2排出削減に向けて製鉄プロセスの課題を述べ、中長期的な観点からCO2排出大幅削減を達成するために、どのような方策が考え得るかを報告する。さらに製銑プロセスを中心にした我が国におけるプロジェクトの原理的な考え方、研究開発の動き、また欧州でのCO2排出削減プロジェクトについても触れ、低炭素・脱炭素に基づく将来製鉄プロセスへの展望を総括する。
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