講演要旨:我が国では粗鋼の98%が連続鋳造で鋳造されている。わが国が鉄鋼製造で世界を凌駕するに至ったのは、製鋼分野においては、連続鋳造の製造比率を世界に先駆けて高めて行ったことも大きな要因の一つである。このプロセスの最適化、プロセスに内在する諸現象の理解、プロセスシミュレーションに必要な物性値の予測を目的として、連続体力学レベル、現象モデルによるシミュレーションから、原子レベルシミュレーション、電子構造解析に至るまで、多岐に亘る計算科学・工学が適用されている。この講演ではその例として 1)連続体力学である構造力学および計算流体力学を用いた連続鋳造鋳片の力学的挙動解析、非金属介在物の除去、マクロ偏析形成の解析、 2)計算熱力学を用いた連続鋳造フラックスの設計、非金属介在物の化学組成制御 3)分子動力学法による物性値の予測および、第一原理計算である電子構造解析による熱力学的性質の推定について述べる。 |