協賛依頼先(50音順): エネルギー・資源学会、(社)化学工学会、(社)計測自動制御学会、(社)資源・素材学会、(財)石炭エネルギーセンター、ターボ機械協会、(社)電気学会、(社)土木学会、(社)日本ガスタービン学会、(社)日本機械学会、(社)日本技術士会、(社)日本金属学会、(社)日本建築学会、(社)日本高圧力技術協会、日本材料科学会、(社)日本材料学会、(社)日本塑性加工学会、(社)日本熱処理技術協会、(社)日本分析化学会、(社)腐食防食協会、(独)物質・材料研究機構、(社)溶接学会 講座の視点: 中国を始めとする世界的な鉄鋼需要の増大などを背景に、良質な製鉄用原料の枯渇や資源エネルギー価格の高騰などが製鉄業の大きな課題となっている。本講座では、現状の資源・エネルギー環境を世界的な視野で俯瞰するとともに、過去10年間における製鉄・鉄鋼原料およびその使用技術の変遷を総括し、これからの持続可能な鉄鋼業のあり方について討論する。 |
1.期日・場所: 第196回 2008年 9月19日(金) 9:20~17:00 神 戸 西山記念会館 大ホール (神戸市中央区脇浜町3-4-16 TEL.078-221-1746(事務室))
第197回 2008年 9月30日(火) 9:20~17:00 東 京 東京電機大学 7号館1階丹羽ホール (東京都千代田区神田錦町2-2 TEL.03-5280-3405(代))
2.プログラム: ※講演の概要はタイトルをクリックすると見ることができます。 9:20~10:20 我が国の鉄鋼業を巡る最近の動向について 経済産業省製造産業局鉄鋼課製鉄企画室室長 覚道 崇文 10:20~11:20 製鉄原料と原料利用技術の変遷と展望 東京大学総合研究博物館研究・事業協力者 稲角 忠弘 11:20~12:20 鉄鋼をとりまく希少金属資源の現状と持続可能利用への道 独立行政法人物質・材料研究機構材料ラボ長兼元素戦略クラスター長 原田 幸明 13:20~14:10 製鉄資源-鉄鉱石・石炭-の現状と将来 新日本製鐵(株)原料第二部・原料第一部(兼)審議役 長野 研一 14:10~15:00 製鋼分野における合金使用の課題と展望 JFEスチール(株)スチール研究所製鋼研究部部長 岸本 康夫 15:20~16:10 合金元素が鉄鋼の組織と性能に与える影響 東北大学金属材料研究所高純度金属材料学研究部門教授 古原 忠 16:10~17:00 最近の新製鉄法の動向と今後の展望 (株)神戸製鋼所新鉄源プロジェクト本部専門部長 田中 英年
3.事前申込み: 不要
4.参加費(税込み): 会員(含協賛団体個人会員) 7,000円、一般 14,000円、 学生会員 1,000円、学生非会員 2,000円 ※参加者には講演テキスト1冊を無料でさしあげます。なお、当日入会の申込をし、会費と入会金(正会員10,700円、準会員4,900円、学生会員3,000円)をお支払いいただいた方は、会員参加費または学生会員参加費で参加できます。 ※会員割引は個人の会員のみ有効です。受付で本会あるいは協賛学協会の会員証をご提示下さい。 ★テキストは、最終講座終了後(2008年10月1日以降)残部がある場合、会員7,000円、一般14,000円で販売いたします。 テキスト購入のお申込みは、本会の販売委託先である海外新聞普及(株)へ直接ご連絡下さい。 海外新聞普及(株) 連絡先:TEL.03-5476-8437 FAX.03-3453-4341 E-mail:sales1@ocs.co.jp 〒108-8701 東京都港区芝浦2-9-13 問合せ先: (社)日本鉄鋼協会 学会・生産技術部門事務局 育成グループ 植田、金子 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2 新倉ビル2階 TEL.03-5209-7014 FAX.03-3257-1110 E-mail:educact@isij.or.jp |
[講演概要] 1)我が国の鉄鋼業を巡る最近の動向について (経産省・立石譲二) 世界主要国の2008年鉄鋼需給見通し(社団法人日本鉄鋼連盟)において、東アジア諸国やBRICsの牽引もあり、世界経済は引き続き概ね堅調に推移し、鋼材需要についても、依然、高水準に推移するものと予想されているところであるが、これら旺盛な鉄鋼需要などを背景に、鉄鉱石や原料炭のみならず、非鉄金属、スクラップ鉄を含めた鉄鋼原料が高騰しており、製鉄業にとって大きな課題となっている。本講座では、これら課題を踏まえながら、資源・エネルギー環境を中心に、我が国の鉄鋼業を巡る最近の動向を概括報告する。
2)製鉄原料と原料利用技術の変遷と展望 (東大博物館・稲角忠弘) 資源小国日本は、高度経済成長期にそれ以前世界で充分に利用できていなかった原料を活用し、奇跡的に国際資源競争力をもった。この日本が創意工夫した原料供給法と原料利用法の特徴と意義を鉄鉱石利用世界史の観点から検討、考察した。遠隔地に眠っていた大規模BIF系鉱石の本格的開発利用と粉鉱石を全量活用し自溶性焼結法にして高炉に多量使用することを主な特徴とする製鉄方式は、塊鉱石供給ネックで制約されていた鉄鋼生産を伸ばし、世界に普及して21世紀の汎地球的鉄鋼大生産へつながる先導技術となった。他方、使用量増加一方の原料は供給をタイトにし、鉱石は劣質化してきた。本講座では、この間の資源事情や使用鉱石の鉱種・品質の変化とそれに合わせてなされてきた原料利用技術の進歩について概括するとともに、残された資源の今後について述べる。
3)鉄鋼をとりまく希少金属資源の現状と持続可能利用への道 (物材機構・原田幸明) 鉄鋼材料には様々な希少金属が用いられ、鉄固有の特性と協調して多様な用途に対応した性能を発揮している。現在、金属の需要の高まりの中で、これらの希少金属の持続可能な供給が問題となってきつつあり、鉄鋼材料の材料設計においても配慮すべき課題になりつつある。本講座では、これらの希少金属の資源リスクの現状を、BRICs諸国の経済発展等との関係で明らかにしていくとともに、金属資源の循環状況の新しい変化についても述べる。さらに、これらの現状分析、予測にとどまらず、資源リスクを技術イノベーションで打破していく方向性としての「元素戦略」とそこに求められる新たな発想方法について述べ、鉄鋼材料のこれからの材料設計の進め方に資する。
4)製鉄資源-鉄鉱石・石炭-の現状と将来 (新日鐵・長野研一) 近年の製鉄資源(鉄鉱石、石炭)の開発は、主要な使用者であった日本の製銑技術の進展と協調して行われてきたと言っても過言ではない。その成果の好例が、鉄鉱石での安価ピイソライトの多量使用、石炭でのコークス用非微粘結炭の配合増、PCI炭の使用増である。しかし、最近での中国やインドでの製鉄の急速な伸張と製鉄資源の輸入の急増(中国の鉄鉱石、インドの原料炭)は、製鉄資源の需給環境に大きな影響を及ぼしてきている。本講座では、資源の観点から、資源開発と製銑技術の過去の経緯と現状について解説し、中国やインドの状況も踏まえ、これからの資源動向と日本の製銑技術の方向性を議論する。
5)製鋼分野における合金使用の課題と展望 (JFE・岸本康夫) 鉄鋼材料の高機能化・高級化において、合金元素はますます重要な役割を担ってきている。しかしながら、世界的な鉄鋼需要の増大などを背景に、合金鉄の高騰が続き、製鋼コストの増加を招いている。従って、製鋼分野においては今後増加すると思われる高級鋼のニーズを満たしながら合金コストを削減する努力が求められている。本講座では、最近の製鋼技術の動向と、鉄鋼材料における合金元素の役割を概観し、今後の製鋼での合金使用の課題と、それに対応した技術動向、最新技術の応用、今後の技術開発の方向性について討議する。
6)合金元素が鉄鋼の組織と性能に与える影響 (東北大・古原 忠) 鉄鋼材料の微細組織と特性の制御では、実際の製造プロセスと対応して様々な合金元素が利用されている。しかしながら、社会基盤材料としての鉄鋼材料の未来を考えた場合には、省資源、低環境負荷、合金元素の戦略的な利用等の観点に基づいた材料の設計開発が今後ますます必要である。本講座では、鉄鋼の主要組織と特性への合金元素の影響を概説するとともに、最近の鉄鋼材料開発における合金元素の役割についても述べる。
7)最近の新製鉄法の動向と今後の展望 (神鋼・田中英年) 中国の高い経済成長を背景に世界の粗鋼生産量が劇的に増大する中、原材料価格や輸送コストの急騰およびCO2削減に代表される環境問題により、鉄鋼業を取り巻く環境はますます厳しさを増している。その中にあって、今後とも持続的な鉄鋼業の発展を実現するためには、劣質鉱石使用やコークスレス製鉄が実現できる新製鉄法を、高炉や電炉による現製鉄法を補完できる技術として意義づけることが重要である。本講座では、新製鉄技術の歴史を振り返るとともに、過去10年間の新製鉄法の実機化、技術革新の状況について報告する。さらに、新製鉄法の今後の予想される方向や果たすべき役割についても考察する。
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