冷延鋼板は、表面が美しく加工性に優れており、冷蔵庫や洗濯機などの電気機器や自動車などの最終製品として広く使われています。調質圧延工程は、冷延鋼板製造における最終工程であり、調質圧延において製品の品質が最終的に決定されます。すなわち、調質圧延により材料の降伏点伸びが消去されると共に、材料の表面粗さ、機械的性質そして形状などが制御されます。現在、経験に基づいた圧延条件の選択により調質圧延が一見問題なく行われています。しかしながら、軽圧下圧延である調質圧延は通常の圧延と大きく異なり、調質圧延のメカニズムはほとんど明らかにされていません。そこで、調質圧延をミクロな視点から解析することにより、調質圧延のメカニズムを明らかにすると共に、より高品質な製品を得るための実機圧延技術に関する指針を得る必要があります。 本シンポジウムでは、「調質圧延のミクロ変形解析研究会」の成果報告を行なうとともに,実機操業技術への課題など議論いたします.お誘い合せの上、ご参加下さい。多数の方の参加をお待ちしております。
スコープ: | | (1) | リューダース帯の解析(降伏点伸び) | | (2) | 調質圧延理論解析(応力、ひずみ、ロール扁平) | | (3) | 表面粗さの形成メカニズムの解明(ブライトロール、ダルロールの表面粗さの転写) | | (4) | 調質圧延におけるトライボロジー挙動(潤滑、ロール摩耗) | | (5) | クロスバックル、縦バックルの発生(座屈) | | (6) | 平坦度制御(端伸び、中伸び等)および伸び率制御など実機調質圧延技術 | など、調質圧延をミクロな視点および実機操業から取り扱った内容 |
1.日 時: | 2007年9月20日(木) 9:00~17:00 | 2.会 場: | 第154回秋季講演大会第8会場(岐阜大学柳戸地区 工学部106号室) |
| 3.プログラム: | 司会:湯川伸樹(名古屋大)、小森和武(大同工大) | 9:00~9:10 | 開会挨拶,研究会の目的,活動内容 | 主査 鑓田征雄(千葉工大) | 9:10~9:50 | [基調講演]調質圧延の現状と課題 | 榎 久範(JFE) | 9:50~10:20 | 調質圧延における不均一塑性変形と降伏点除去過程のFEMシミュレーション | 吉田総仁(広島大) | 10:20~10:40 | 連続分布転位論によるリューダース帯の解析 | 小森和武(大同工大) | 10:40~10:50 | 休 憩 |
| 10:50~11:15 | 弾塑性有限要素法による調質圧延の応力,ひずみ解析 | 鑓田征雄(千葉工大) | 11:15~11:45 | 非円弧形ロール偏平による調質圧延理論と実験との比較 | 松本紘美(北九州市立大) | 11:45~12:15 | 調質圧延時の板表面創成メカニズムの検討 | 阿高松男(東京電機大) | 12:15~13:10 | 休 憩 |
| 13:10~13:40 | 調質圧延におけるロール表面テクスチャーの転写 | 鑓田征雄(千葉工大) | 13:40~14:10 | 4Hiコイル調質圧延における表面転写とロール磨耗 | 長瀬直樹(出光興産) | 14:10~14:40 | 調質圧延における接触メカニズムと粗さ転写への影響 | 木島秀夫(JFE) | 14:40~14:50 | 休 憩 |
| 14:50~15:20 | 3次元弾塑性有限要素解析による微細突起形状の転写過程の検討 | 池 浩(理研) | 15:20~15:50 | 調質圧延におけるズーミング法を用いたロール粗さの転写解析 | 湯川伸樹(名大) | 15:50~16:20 | 調質圧延における表面性状と潤滑油挙動 | 青木孝史朗(芝浦工大) | 16:20~16:40 | 初等解析法による縦バックルの解析 | 小森和武(大同工大) | 16:40~17:00 | 討論とまとめ | 主査 鑓田征雄(千葉工大) |
| 4.参加費: | 会員2,000円、非会員6,000円(当日会場でお支払い下さい。) | 5.資 料: | 当日会場で配布致します。 | 6.申込方法: | 事前申込は不要です。 |
問合せ先:
名古屋大学 工学研究科マテリアル理工学専攻 湯川伸樹 TEL:052-789-3572 FAX: 052-789-3574 E-mail:yukawa@numse.nagoya-u.ac.jp |
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