材料の組織と特性部会「超強加工の材料科学」研究会では、研究活動の一環として、実用部品・部材の製造中/使用中に起こる"超強加工"を把握するため、下記のようなシンポジウムを開催致します。本シンポジウムでは、"超強加工"に共通する現象を、材料基礎科学の立場から解明する研究の現状と到達点を、また、問題点の克服や強加工の工業的活用を紹介します。産学の研究者, 技術者が集まって知識の交流を行うことを目的に考えていますので、奮って参加下さいます様ご案内致します。
1.共 催: | 日本学術振興会 加工プロセスによる材料新機能発現 第176委員会 科学研究費特定領域「巨大ひずみが開拓する高密度格子欠陥新材料」 日本金属学会 分科会 研究グループ 「強ひずみ加工微細組織制御」研究会 | 2.協賛予定: | (社)日本機械学会, (社)日本塑性加工学会, (社)日本熱処理技術協会 (社)自動車技術会 | 3.日 時: | 2007年11月13日(火) | 4.会 場: | 名古屋大学 ベンチャービジネスラボラトリー HP:http://www.vbl.nagoya-u.ac.jp/ |
| 5.プログラム: | 10:00~10:05 | 趣旨説明 | 「超強加工の材料科学」研究会主査 |
| 【セッション1: 実用現場における超強加工の現象】 司会:梅本 実(豊橋技科大) | 10:05~10:45 | (30分講演、10分質疑) | 相原秀雄(トヨタ自動車) | 題目: | 自動車部品に対する強加工技術の適用 | 概要: | 自動車部品には強度向上の目的としてショットピーニングやロール加工などの強加工が用いられる。本講では、これらの強化メカニズムと適用例について概説するとともに、技術的なトレンドを歴史的な変遷も踏まえて解説する。 |
| 10:45~11:25 | (30分講演、10分質疑) | 中西栄三郎(日産自動車) | 題目: | BH型ハイテン鋼による高強度化技術の開発 | 概要: | 塗装工程の焼付け熱処理で強度が上昇する高張力鋼板が新たに開発され、その材料の強化機構に着目し、車体用部材への加工時に材料が受ける「ひずみ経路(履歴)」が、強度を大きく向上させることを見出した。ハイドロフォーム工法での事例を示し、部材の曲げ強度特性でのエネルギ吸収特性向上効果を説明する。 |
| 11:25~12:05 | (30分講演、10分質疑) | 香月 太(住金) | 題目: | アブレシブ摩耗にともなうパーライト鋼表層のナノ力学特性変化 | 概要: | ナノインデンテーション法をしゅう動試験に供試したパーライト鋼に適用し、摩耗表面層のナノ硬さと接触剛性を評価することを試みた。さらに、耐摩耗性との関連を検討することで、パーライト鋼のアブレシブ摩耗に対する影響因子を検討した。 |
| 12:05~13:00 | 休 憩 |
| 13:00~13:40 | (30分講演、10分質疑) | 佐藤幸雄(鉄道総研) | 題目: | 鉄道用レールにおける摩耗とその対策 | 概要: | 鉄道用レールにおける種々の摩耗現象を紹介し、それらに起因する問題点を概観する。いくつかの現象に対して、これまでにとられた対策とその効果を紹介するとともに、今後の課題と新たな試みの一例を示す。 |
| 13:40~14:20 | (30分講演、10分質疑) | 平岡和彦(山特) | 題目: | 強ひずみ加工の視点による転動疲労における組織変化のメカニズム究明 | 概要: | 転動疲労における白色型の組織変化は、よく知られた現象ではあるがメカニズムについての統一的な見解は見出されていない。今回この現象を、強ひずみ加工に準じた結晶の微細化現象であるという見方に基づきメカニズム究明を試みた。一般的な強ひずみ加工における現象との対比や、仮説に基づいた再現実験結果を含めて報告したい。 |
| 【セッション2: 大学における超強加工の研究の現状】 司会: 岡田康孝(住金) | 14:20~15:20 | (45分講演、15分質疑) | 梅本 実(豊橋技科大) | 題目: | 超強加工により形成するナノ・サブミクロン結晶粒組織 | 概要: | 近年、ECAP, ARB, HPT等の形状不変超強加工プロセスが開発され、巨大ひずみを付与することが可能となった。それにより、結晶粒をサブミクロンレベルに微細化できるようになった。また、ショットピーニングや切削加工等による局所的な超強加工により、ナノ結晶粒組織が形成することが明らかとなった。これらの組織の形成メカニズムとその特徴について述べる。 |
| 15:20~15:35 | 休 憩 |
| 15:35~16:35 | (45分講演、15分質疑) | 辻 伸泰(阪大) | 題目: | 超強加工により作製されるナノ組織金属材料の力学特性 | 概要: | 金属に超強加工を施すことにより、超微細粒組織・ナノ結晶粒組織・非平衡組織を有する材料が創製できることが明らかとなっている。本講では、超強加工材料のこれまでに明らかになっている力学特性(強度、延性、靭性、疲労強度等)を取りまとめ、その特徴を明らかにする。 |
| 16:34~17:25 | 総合討論『超強加工の工業的活用への展望』 | 司会:長井 寿(物材機構) |
| 17:25~17:30 | 閉会の挨拶 | 「超強加工の材料科学」研究会主査 梅本 実(豊橋技科大) |
| 6.定員: | 100名 (定員になり次第締め切りと致します。) | 7.費用: | 5,000円(消費税込み) 但し、研究会委員,共催メンバーは無料。 | 8.参加申込み: | 事前にE-mailにて、 研究会委員,共催メンバーの有無・勤務先・所属・住所・電話番号・FAX番号・E-mailアドレスを明記して下記へお申込み下さい。(但し定員に余裕があれば当日参加も受け付けます。) ※参加費は当日現金支払いでお願い致します。 | 9.申込み期限: | 2007年10月12日(金) |
申込み・問合せ先:
〒441-8580 愛知県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1-1 豊橋技術科学大学 生産システム工学系 戸高義一 E-mail:todaka@martens.pse.tut.ac.jp TEL:0532-44-1214、FAX:0532-44-6690 |
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